いつかの夕焼けはまた赤くなる【長編】
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私はあまり長いこと落ち込まず、会おうと思えば会えるんだと言い聞かせて最後を楽しもうと決めた。
ルタオのチーズケーキを片手に家に帰ると、リビングには私のスーツケースが鎮座していた。
「……え」
「あらおかえり〜」
母さんはスーツケースの上に、家にあった一番大きいボストンバッグを乗せながらこちら見た。
何が起きたかも分からず、私は慌てて自分の部屋に行った。
部屋の見た目自体はあまり変わっていなかった。
それでも、一人暮らしを始める時に置く場所が無いということで置いていったコート類は無くなっていた。
引き出しを開けると、洋服類も半分くらい減っていた。
「ちょ、ちょちょ母さん!」
「何よ、でっかい声出すんじゃないよ」
階下に降りると、母さんはチーズケーキを全員に分けていた。
そして、私にもお皿に乗せたケーキを渡してきた。
二、三口ほど食べる。
「あ、美味しい」
「やっぱりルタオよね」
「俺、帰る前にもっかい買いに行きたい」
素直に感想を漏らすと、母さんは満足そうに頷いた。
母さんの隣のぺけたんも余程気に入ったのか、箱を持ち上げて底を見たりしている。
「ってそうじゃなくてですね!」
「だから大声出すなって」
「だって……! ほら、シルクさん……この中に私の服が全部!」
私はスーツケースを指さして文句を言った。
シルクは横目にそれを見ると、少し困ったような顔をした。
そして、助けを求めるように母さんに目線を向けた。
「もしかして、まだ話してなかったの?」
「……そりゃ、こういうのって俺らから話すもんじゃない気がして……」
「そんなの気にしなくていいって言ったじゃないの」
母さんは楽しげに笑うと、私の方へ顔を向けた。
「あんた、モトキくん達と行きなさい」
「……は?」
「チケットも取ってあるから。明日皆が行くのと一緒に行きなさい」
「……はぁーーーー!?」
そう言って、母さんはドヤ顔でチーズケーキを再度口に運んだ。
時折母さんはそうやって突拍子も無いことを言う。
でも、それは決してなんの脈絡も無いわけじゃなく……
「な、んで…」
「あんたが行きたがってるからでしょ」
いつだって、私のことを思っての事ばかりだった。
ルタオのチーズケーキを片手に家に帰ると、リビングには私のスーツケースが鎮座していた。
「……え」
「あらおかえり〜」
母さんはスーツケースの上に、家にあった一番大きいボストンバッグを乗せながらこちら見た。
何が起きたかも分からず、私は慌てて自分の部屋に行った。
部屋の見た目自体はあまり変わっていなかった。
それでも、一人暮らしを始める時に置く場所が無いということで置いていったコート類は無くなっていた。
引き出しを開けると、洋服類も半分くらい減っていた。
「ちょ、ちょちょ母さん!」
「何よ、でっかい声出すんじゃないよ」
階下に降りると、母さんはチーズケーキを全員に分けていた。
そして、私にもお皿に乗せたケーキを渡してきた。
二、三口ほど食べる。
「あ、美味しい」
「やっぱりルタオよね」
「俺、帰る前にもっかい買いに行きたい」
素直に感想を漏らすと、母さんは満足そうに頷いた。
母さんの隣のぺけたんも余程気に入ったのか、箱を持ち上げて底を見たりしている。
「ってそうじゃなくてですね!」
「だから大声出すなって」
「だって……! ほら、シルクさん……この中に私の服が全部!」
私はスーツケースを指さして文句を言った。
シルクは横目にそれを見ると、少し困ったような顔をした。
そして、助けを求めるように母さんに目線を向けた。
「もしかして、まだ話してなかったの?」
「……そりゃ、こういうのって俺らから話すもんじゃない気がして……」
「そんなの気にしなくていいって言ったじゃないの」
母さんは楽しげに笑うと、私の方へ顔を向けた。
「あんた、モトキくん達と行きなさい」
「……は?」
「チケットも取ってあるから。明日皆が行くのと一緒に行きなさい」
「……はぁーーーー!?」
そう言って、母さんはドヤ顔でチーズケーキを再度口に運んだ。
時折母さんはそうやって突拍子も無いことを言う。
でも、それは決してなんの脈絡も無いわけじゃなく……
「な、んで…」
「あんたが行きたがってるからでしょ」
いつだって、私のことを思っての事ばかりだった。