それ以外
中3の頃の話だったかな。
よく、修学旅行で目的地に向かう途中で、そこらへんのサービスエリアに寄ることがあるじゃないですか。トイレ休憩とか、軽食やドリンクを買ってもいい時間。そんな休憩時間の時の話です。
東京から京都へ向かう旅路の途中、私は昨日の夜更かしのせいか、うたた寝してました。あいにく、バスの席順は出席番号順で、あまり知らないクラスメイトが隣になってたし、話すことも特になかったから、余計に。
何十分ぐらいたったんでしょうか。バスガイドのお姉さんが「後数分でサービスエリアに着きますので、トイレ休憩やペットボトルを買う人はここで済ませてくださいね」と言う声でようやく目覚めたんですね。そのまま、私がぼんやりした意識のまま、窓を見つめているうちに、バスはサービスエリアに着いていました。
バスガイドさんが、「出発10分前にはここに戻っていてくださいね」と呼びかけると同時に、数名のクラスメイトは我先にとバスから出ていきました。今出てもごちゃごちゃしてるから、と、私は相変わらず窓から駐車場を見つめていると、一台の自動車と、運転手の男性が目に入ったんです。
なんでかっていうと、男性が右の扉から出てきて、不審そうに周りを見回していた姿が、なんだか妙に感じられたので。男性は、何かに怯えた表情で車を降りると、すぐに後ろのトランクへと駆け寄りました。別に積み込むための荷物も持っていないまま、運転手らしき男性はそこを半分だけ開けて、トランクの中を確認していました。バスからの目視だったので、そこまで鮮明には見えませんでしたが、赤い荷物?と白い袋?のようなものを積んでいた様でした。それも何度も、何度も繰り返していたんです。何度か確認するうちに、気が済んだのでしょうか。男性は少しだけ安堵した様子で、また運転席へ乗り込みました。
何だったのか、と不思議に思っていると、仲良くしていたクラスメイトが「どうしたの? 何も買わない感じ?」と声をかけてきたので、私は「すぐ行くよ」と返事して、その車と男性から意識を逸らしました。
その後の修学旅行は、そんな些細な出来事を忘れさせるぐらい、楽しいものでした。けれど、2日目の夜に、ホテルのテレビを何気なしにつけたら、あるニュース速報が流れていたんです。
「行方不明になっていた〇〇県〇〇市の9歳の女子小学生についてのニュースです」
アナウンサーの読み上げを聞いて、そういえば、小学生の女の子が行方不明になってたんだっけ、と私は昨日のニュースの記憶を辿っていました。直前まで、私は他人事だったんです。
「関係者によると、9歳の女の子は事件に巻き込まれた可能性があり、捜査が続けられていましたが、昨晩「小学生の女の子を殺した」と27歳の男が〇〇市の警察署へ出頭したとのことです。男は「殺した女の子が頭の中に話しかけてきて、怖くなり自首した」と供述しており──」
よく、修学旅行で目的地に向かう途中で、そこらへんのサービスエリアに寄ることがあるじゃないですか。トイレ休憩とか、軽食やドリンクを買ってもいい時間。そんな休憩時間の時の話です。
東京から京都へ向かう旅路の途中、私は昨日の夜更かしのせいか、うたた寝してました。あいにく、バスの席順は出席番号順で、あまり知らないクラスメイトが隣になってたし、話すことも特になかったから、余計に。
何十分ぐらいたったんでしょうか。バスガイドのお姉さんが「後数分でサービスエリアに着きますので、トイレ休憩やペットボトルを買う人はここで済ませてくださいね」と言う声でようやく目覚めたんですね。そのまま、私がぼんやりした意識のまま、窓を見つめているうちに、バスはサービスエリアに着いていました。
バスガイドさんが、「出発10分前にはここに戻っていてくださいね」と呼びかけると同時に、数名のクラスメイトは我先にとバスから出ていきました。今出てもごちゃごちゃしてるから、と、私は相変わらず窓から駐車場を見つめていると、一台の自動車と、運転手の男性が目に入ったんです。
なんでかっていうと、男性が右の扉から出てきて、不審そうに周りを見回していた姿が、なんだか妙に感じられたので。男性は、何かに怯えた表情で車を降りると、すぐに後ろのトランクへと駆け寄りました。別に積み込むための荷物も持っていないまま、運転手らしき男性はそこを半分だけ開けて、トランクの中を確認していました。バスからの目視だったので、そこまで鮮明には見えませんでしたが、赤い荷物?と白い袋?のようなものを積んでいた様でした。それも何度も、何度も繰り返していたんです。何度か確認するうちに、気が済んだのでしょうか。男性は少しだけ安堵した様子で、また運転席へ乗り込みました。
何だったのか、と不思議に思っていると、仲良くしていたクラスメイトが「どうしたの? 何も買わない感じ?」と声をかけてきたので、私は「すぐ行くよ」と返事して、その車と男性から意識を逸らしました。
その後の修学旅行は、そんな些細な出来事を忘れさせるぐらい、楽しいものでした。けれど、2日目の夜に、ホテルのテレビを何気なしにつけたら、あるニュース速報が流れていたんです。
「行方不明になっていた〇〇県〇〇市の9歳の女子小学生についてのニュースです」
アナウンサーの読み上げを聞いて、そういえば、小学生の女の子が行方不明になってたんだっけ、と私は昨日のニュースの記憶を辿っていました。直前まで、私は他人事だったんです。
「関係者によると、9歳の女の子は事件に巻き込まれた可能性があり、捜査が続けられていましたが、昨晩「小学生の女の子を殺した」と27歳の男が〇〇市の警察署へ出頭したとのことです。男は「殺した女の子が頭の中に話しかけてきて、怖くなり自首した」と供述しており──」