bathroom※
「ん、あ・・・ああッあ!!」
ドンヘの指をもう3本も飲み込んでる。
すっかり慣らされた入り口が、たまに勝手に収縮を繰り返す。
欲しがってるんだ・・・
まるで他人事みたいにそんなコトを思った。
「・・・準備、できたよね?」
そんな俺の反応にドンヘは満足したらしい。
嬉しそうな雰囲気でうんうん頷いてる。
ゆっくり指を引き抜きながら、俺の髪に口付けて・・・
そのまま自分がマットの上に体を横たえた。
「ヒョクが、入れて?」
俺の腰を手探りで捕まえて、にっこり笑う。
いわゆる騎乗位ってヤツだけど、俺は苦手だ。
あんまりうまく動かせないし、下から見られるのが恥ずかしい。
今は見えないわけだから、・・・まあ、いいのかな。
練習のつもりで、意を決した。
「んッ・・うううううー」
「ふ、あ!・・すっごい」
ゆっくり押し込むとドンヘの切先がどんどん進んでいく。
強烈な圧迫感に腰が壊れそう。
「あ、・・・まだ・・なのぉ?!」
「もう・・すこし。頑張ってヒョク」
「もお・・・いやッ・・あああッ!!」
なかなか最後までたどり着かなくて気が遠くなる。
こんな深いトコ、ダメ。
「くぅ・・ッんん!!」
「あ、あ、ぜんぶ・・・入ったよ?」
「くるし・・・ッこんな・・なの?」
体重に助けられてしまって、必要以上に奥までいっちゃったような気がする。
体勢の違いでこんなに届くとこ違うんだ・・・
「ヒョクがいいように・・動いて?」
「う・・ん・・ッ」
一旦腰をスライドさせたら、全身に震えが走った。
勝手に腰が蠢きだして制御できない。
「やだ、やだあ!! なんで・・・こんな・・・」
「うあ!! すごい、よ」
・・・怖い。
最奥に届く度にビックリしたように引く。
なのにすぐその刺激を欲しがって、またそこまで沈める。
そんな一連の動きがぜんぶ、俺の意識の外で行われる。
「ねえ、これ取っちゃダメ?」
「え・・あ、ダメ!!」
視界をなくさせてるタオルを、ドンヘは取ろうとする。
絶対、ダメ。
「ヒョクの体、見たい」
「ダメだって・・ば!! 見たら・・ころす・・からッ!!」
見えてないから、なんとかできてるのに。
「じゃあいいよ。いっぱい想像するから」
「想像って・・・」
すごい嫌な予感がする。
その予感のまま、ドンヘの口を塞いでしまえばよかった。
「体まっかにして、擦り付けるみたいに腰動かしてるやーらしいヒョク」
「ッ!!・・・やめてよおおお!!」
反射的に耳を塞ぐけど。
「怖いのにきもちよくて、泣いちゃったりして」
声が乱反射する浴室では、そんなこと意味はない。
「やだ、もう・・・ッ、嘘つき!スケベ!ばか!」
いつの間にか涙が出てたことに気づかされて、悔しい。
思いつくまま罵声を浴びせたのに、ドンヘは口角をにっと上げた。
「嘘つきもスケベもヒョクには適わないけど?」
「んなコト、な・・いッ」
「ふふ、わかんないかな」
「んあッ!!・・ひぅッ、うう!!」
「ほら、ぜんぶ嘘だし・・・すっごいえっちでしょ?」
「・・・ちが・・・もお・・・や・・ッ」
ぐいぐい突き上げられて、一気に涙腺が壊れるのがわかった。
強すぎる快感と、涙がどんどん出るせいで、呼吸がじょうずにできない。
その間にも、ドンヘは方向を変えたりして下から俺を攻めたてる。
「いい子にして、ヒョク。・・・素直にぜんぶ言って・・よ」
「・・く、ふッ・・あ、アアッ!!」
「すっごい腰動いてるよ。知ってる?」
そんなこと知りたくないよ、ばかドンヘ。
でも・・・もう意識の大半は虚勢を張る気をなくしてる。
・・・もう、いいか。
本能に従いなよってゆう、甘い甘い誘惑に呑まれる。
それも悪くないかもしれない、なんて。
無自覚じゃなく自分の意思で、イイとこに当たるように動かしてみた。
「!!・・ひ、あああッ!!」
「う、わ・・・すっごいの、きた・・・」
痛みに近いくらいの刺激が走り抜ける。
「いい、よお・・! ドンヘッ、・・・きもち・・いッ」
気づくとそんなことを口走っていた。
一旦そうなってしまうと、止める術がなくなる。
正直なカラダが、脳を通さずに唇を動かすんだ。
「ちょ・・、待ってヒョク、あ、あ!」
「イヤ!!・・きてよ、ドンヘ・・一緒に・・・イこ?」
自分のナカが収縮を繰り返して、ドンヘのを引き込もうとするのがわかる。
「な、にこれ・・・ヒョクッ、やば・・いって・・ッ」
「はや・・くぅ!! ねえ・・奥にッ・・ちょうだい?」
「あ、ああッ、ひょく、ひょくうう!!」
「イっちゃ・・うぅッ、・・もう・・俺ッ・・ダメ!」
「俺も・・イく・・ッ・・あ、あ!!」
「う・・、ああああッ!!」
望みどおり一番奥で、ドンヘが弾ける予感がして。
それからは、溶けそうな快感しか覚えてない。
痺れるほどの絶頂にたどり着いたところから、俺の意識は途切れた。
糸が切れるみたいに脱力したから、もしかしたらドンヘは心配するかもしれない。
砂粒くらいだけ残った意識の中で、ぼんやりそんなコトを思った。
*
「許してよおおおーヒョクうううう」
できるだけ眉を下げてソンミナヒョンは俺に言う。
ちょっとだけ似てて笑いそうになるけど、がまんしなきゃ。
「ってかドンヘ何したの、一体」
ヒョンはふっと真顔に戻って俺を見る。
「・・・い、言えない。とにかく反省しろって、言って」
「ふーん、まあ面白いからいいけど」
ソンミナヒョンを通して、ドンヘが伝えてくるゴメンねを聞いている。
だって・・・死ぬほど恥ずかしかったから。
あの後俺が目覚めたのは、お湯をためた浴槽の中。
呼んでも揺さぶっても起きなかったから、もう少しでトゥギヒョンを呼ぶトコだったなんて言われて。
そんなコトされたらたまったもんじゃない。
そう言って怒りたいのに力が入らなくて、至極もどかしい思いをしたから。
翌朝。
ちょっとしたお返しのつもりで、直接口をきかないことにした。
ドンヘはリビングにいたソンミナヒョンをミルクティーで買収したらしい。
ソファーでヒョンを通訳にはさんで喋るような、ちょっと妙な状況になってる。
「当分お風呂ではしないからあああ」
ドンヘの耳打ちを受けたソンミナヒョンの声。
言った後ヒョンは納得したように目を細めた。
ぼんっと顔が熱くなる。
「でも目隠しはまたした・・・」
「わあああああ!!」
矢継ぎ早に喋ろうとする口元を、慌てて押さえにかかった。
これ、長引かせたらぜんぶヒョンにバレちゃうじゃん!!
押さえてもまだもごもご言ってるヒョン越しに、ドンヘを睨む。
見捨てられた子犬みたいな顔してる。
もう・・・こいつは・・・
早く黙らせないと、俺が不利なだけかもしれない。
「ホント楽しそうだよね、ふたりは」
俺の手から解放されたソンミナヒョンは、俺とドンヘの頭を交互に撫でた。
これって、完全に面白がってるよね・・・
「・・・ヒョン」
「ん?・・・わ!」
ふにふにしてるヒョンのほっぺにちいさくちゅっとキスをする。
「俺からって、伝えて」
さすがにちょっとビックリしたヒョンの耳元に内緒話。
ヒョンはすぐ悪戯っぽく笑うと、OKの合図らしくウインクして見せてくれた。
「ドーンヘー?」
「え、ちょ・・・うわああ」
にっこにこの顔で迫り来るヒョンにおでこやらほっぺやらキスされて、ドンヘは戦いてる。
ちょっとヒョン・・・
押し倒して思いっきりやってるけど・・・俺そんなコトしてないのにさ。
でもま、いっか。
ドンヘを驚かせることには成功したし。
目を白黒させる様子に、とりあえず満足。
俺はくすくす笑いながら、数秒後にはこっちに突進してくるだろうドンヘを抱きとめる準備をした。
End....
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