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・・・ねえ、一体、どうしたの?
「ふ・・・ぅ、・・あッ・・ん」
ヒョクチェがやたら積極的。

キスをしたらあっという間に舌を絡めてきた。
いつもは誘い込んで誘い込んでの行為なのに、今俺は何もしてない。

「んッ、んんッ」
だけどすごい良さそうにしてる。
俺も、惑わされそうだ。

地方での仕事で3日空けて、帰った途端これ。
そんな短い期間でも、寂しいとか思ってくれたの?
普段、それは俺の方なのに。

留守中、誰かになんか言われたりしたのかな。
素直な性格のヒョクチェは、影響されやすくて結構わかりやすい。

誰かわかんないけど、ありがとうを言いたい。
いつまで経ってもまるで処女みたいな、普段の反応も可愛いけど。
ヒョクがこんな風に煽ってくれるなんて。

「ヒョク・・・こっち・・・」
立ったままだったから、ベッドに誘った。
できるだけ優しく横たえようとしたら、ふるふると首を振る。

「ん? なに?」
嫌ってワケじゃなさそうだけど。
覗き込もうとしたらふいっと視線を逃がして、そのまま俺を布団に放り込む。
好きなようにさせてあげたら、自分がその上から覆いかぶさった。

なんか、よくわかんないけど頑張ってるんだね。
可愛い。

「ヒョクチェ、どうしたいの?」
だけど、俺に跨ったはいいけどそのまま固まったりするから。
髪を撫でながら思わず苦笑しちゃった。

「・・・・・・ごほーし、すんの。俺が」
「ゴホウシ?」
って、ご奉仕?
ずいぶん可愛い言い方すんね。
やっぱりソンミナヒョンかな。
あ、でもヒチョルヒョンって可能性もあるか。

「なあに? 具体的にはなにしてくれんの?」
「え?・・・えっと・・・」
耳真っ赤じゃん。
そんな様子でホントにできるの?
結局は初々しい反応に満足して微笑んでしまう。

「まあいいや、気の済むようにしていいよ?」
「・・・・・・・・うん。じゃあ、・・・するね」
ヒョクはなぜか、右肩を押さえながら頷いた。

「ん。痛くしても俺、大丈夫だからね」
別にMじゃないけど、ヒョクから与えられるなら傷だって構わないし。
戸惑いまくってんのに一生懸命なのがわかるから、俺が良くなるのは二の次でいいよ。

「わかっ・・た・・・」
試験問題でも目の前にあるみたいな表情で、ヒョクは俺の体に取り組み始めた。
儀式めいたやり方で一度キスをして、だんだん唇を下げていく。
ふわふわの金髪が俺の肌を滑る。

「・・・ッ・・・ん・・・」
胸までたどり着くと、ヒョクはそこの尖りを舌で転がし始めた。
合間から漏れる息にちょっとだけ甘さが混じる。
されてるところを思い出してるのかな。

ヒョクがされてる時は、そりゃもう過敏なくらい感じてくれる。
けど、あいにく俺はくすぐったさのほうが強いみたい・・・
笑ったりしてしまわないように唇を噛むと、ヒョクは不安そうに俺を見上げた。

「ドンヘ・・・、だめ? 痛い?」
痛くてもいいって言ったばっかじゃん。
怖がりだね。

「へーきだから、もっと・・・弾くみたいにしてみて?」
「はじ・・く?」
「わかんないなら、教えてあげる。いい?」
「う、うん・・・」

するするシーツの上を滑って、ヒョクの体に届くとこまで。
Tシャツをするするまくり上げると、下から首を伸ばしてぱくっとそこにしゃぶりついた。

「あッ!!・・ッ、んん・・う」
ピクンと背骨をしならせてヒョクが喘ぐ。

「こーやって・・・ね? 舌尖らせてすんの」
「ひゃ!!・・・んんッ・・あ、あ!!」
「わかる? ヒョク」
「ん、うんッ・・・わか・・るッ・・ああ!」

下からされるのって感覚違うのかな?
なんかすっごいね。
・・・やっぱりたくさん鳴かせたくなっちゃうじゃん。

「あッ・・ん、ん、んぅッ」
あーあ、すっかり呑まれちゃったね。
本人に自覚があるかわからないけど、スイッチが入るとすごい乱れるこんなトコも好き。

でも、俺を攻めるコトなんて忘れちゃってるよね。
それでも構わないけど、せっかくの機会だから。

「ヒョク、ヒョク、俺もして?」
「ん・・・ッ、ごめ・・・」
「そこはいいから、こっち・・・・さわって?」
「・・・ッ・・・」
ヤケドしたみたいにヒョクは一度手を引っ込める。
誰のせいでこんななったと思ってんの。

「ヒョクがいっぱい鳴くから、たまんなくなっちゃったじゃん・・・」
「・・・うー・・・せきにん・・・とるよ」
悔しそうにちょっと俺を睨んでから、どんどん体を下げていく。

・・・え?
どこまでいくの?
初めての事態にびっくりしてる間に、するする下着ごとズボンを脱がされた。

「えッ?・・・ヒョク・・?」
「んッ・・う、うう」
ためらいもなく俺のをくわえたヒョクに俺がためらう。
何度かお願いしたコトはあるけど、怖がるからいつも少しだけだった。

「ふ・・・あ、・・・んんッ」
「ちょ、と・・・・ぅわッ・・・あ・・」
どうしよう。
ヒョクがまさか自分からこんなコトしてくれるなんて。
テクニックとかなんとか、そんなのどうでもいい。
ヒョクのあの唇に、舌に、包まれてるかと思うともう・・・何倍も良くって。

ああ、でも、欲を言ってしまえば。
その表情が見てみたい。
無意識に掴んだ髪の感触が、どれだけでも想像を誘う。

前は断固として、こっち見んな!!が前提だったし。
心のなかでそんな言い訳をしながらゆっくりと、体を起こしてみる。

「ん、ん・・・ッ」
キレイな金の髪を揺らしてヒョクは一心不乱に奉仕してくれてる。
眉間に少しだけ皺をよせて、苦しそうだけどどこか恍惚として。

・・・うわ、ヤバイ・・・

「んんッ?!、うう・・・」
俺の心に俺の体が比例したみたい。
ヒョクの口内で俺のものが大きく跳ねる。
そんな動きに翻弄されつつも、追いかけて舌を絡めてくれる。

いつのまにそんなコト覚えたの?
そうはいっても上手ってワケじゃないけど。
たまにまだ歯が当たって、ぴりっとした痛みが走る。
でも、それがむしろ・・・いい。

「あ・・ヒョクぅ・・ッ・・」
慣れてないからなんだろうけど、その予想外な動きにどんどんペースを乱される。
薄い舌が表面を滑ったかと思うと、傷つく寸前まで歯を立てられて。
そんな早いほうじゃないと思ってたのに、あっというまに連れてかれる。
放ってしまうところまで。

「どん・・へ・・出して・・・?」
「え?・・・駄目だよヒョク・・・ッ、放して!」
「んーッ・・ふうッ、んんーッ」
「駄目だって、ば・・・ッ・・あ、あ!!」

上目遣いでつぶやかれて焦る。
そんなコトするつもりじゃないの。
髪を思わず掴んでしまうけど、ヒョクはむしろ奥へとくわえ込んだ。
待って待って、ホントに出ちゃうよ?

「あ!!・・ごめ・・出るッ」
「・・・!!くふッ・・んん!!」
せり上がる射精感に耐えられない。
止める暇もなくスパークするみたいに弾けてしまった。
どくんどくんと立て続けにヒョクの口内に注いでしまう。

「あ、あ・・ッ」
「ぐ・・ッ、ん、んんぅぅ・・・」
「・・・あ、ヒョク!! 吐いて・・・早くッ」
最後の一滴まで逃さなかったヒョクがやっと口を離したから、急いで起き上がる。
なのに白い喉がしっかりと動くのを見てしまった。
代わりにいっぱい溜めてた涙がぼろぼろ零れる。

「ふ・・、ぐ・・けほッ・・・ッ」
「馬鹿! なんで飲むの」
絡みつく粘液に咳き込む背中を摩る。
ほぼ初めてなくせに、なんでこんな無理するんだよ。

「だって、・・・するってッ・・ッ決めてた、から」
咳の合間に一生懸命言葉をつむぐ。
と、飲み込みきれなかった液がヒョクの口元から零れてしまった。

「あ、汚れちゃう」
「・・・ッあ!!」
な、なに?!
濡れてしまったシャツを脱がせようとしたら、なんだか過剰反応。
びくっとして裾を押さえるヒョクに、違和感を感じた。

・・・なんだろ、これ・・・ちょっと変な胸騒ぎみたいのがする。

「脱ぐの、嫌なの? どうして?」
「あ、えと・・・嫌っていうか」
明らかに狼狽えてるよね。
こんなヒョクは初めて見るかもしれない。
目が合わないように視線をさまよわせるから、その隙をついて力任せに腕を上げさせた。

「確かめるからね」
「ちょ・・・やだ!!」
体の線が細いから、タイミングさえ合えばすぐに脱がせられる。
するりと剥ぎ取ったら、今度はなんとか体を縮こめようとするから。

「おとなしくして」
「ドンヘ!!・・やだ、やめて・・・」
体勢を逆転させて馬乗りになった。
抵抗する両腕を封じ込めて、その体を隅々まで観察する。

「ふうん・・・そういうことか」
我ながら冷たい声が出たもんだと思う。
でもだって、仕方ないよね。
ヒョクの白い肩にハッキリ残る、歯型っぽい痕。

「違うの・・・誤解しないで・・・ッ」
そんな、この世の終わりみたいな顔しないでよ。
切なそうにされればされるほど、暴力的な気持ちでいっぱいになるじゃん。

「誤解なんてしないよ。ぜんぶわかったもん」
俺にしてくれる為に、誰かと実践してみたってコトでしょ?
ヒョクったら、そんなコトする子だったんだ。

「お仕置き、しないとね?」
にっこり笑って見せたら、ヒョクは潤んだ目を見開いて震えた。

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