WITH ※
「・・・!」
最初はもちろん途方に暮れた。
でも、イレギュラーな事態って、よくも悪くも解釈するのは自分次第でしょ?
まぁ、僕もその考えに至ったのはその夜が明けてから・・・だけどね。
*
お菓子でも買いに行こうか?
久々の同室にちょっとわくわくしてヒョクチェとそんな相談をしてた。
お互い甘いものが好きだから、海外では時間があるとその街のスイーツを食べるのがお決まり。
PCで下調べしようかと立ち上げてる最中に、突然ドアが開いてキュヒョナがなだれ込んできた。
すぐ後ろからきたドンへが叫ぶ。
「交替!!!!」
「え?なになに?」
戸惑ってたらあっという間にヒョクチェと彼の荷物が連れ去られた。
「♪~」
PCの起動音が響いたのが合図のようにキュヒョナが僕を見て、持ってたボストンバッグをドサっと落とす。
「ドンへヒョンありがとう!!」
「うわああああ」
がばあっと抱きつかれる。
背の高い彼にそうされるとすっぽりと収まってしまうから、心地よくて色々まいっかなんて許しちゃうじゃないか。
お菓子は明日、収録帰りにヒョクチェを改めて誘えばいいや。
・・・僕も単純なもんだ。
「・・・ソンミナ・・・」
僕の顔を両手で包んでから上向かせ、唇が触れる手前で僕の名を紡ぐ。
二人きりの時しか使わない呼び方は、それだけでなんだか揶揄してるみたいで・・・あっという間に鼓動が加速した。
「んッ・・・ふ・・・・」
素早く滑り込んできた舌があつい。
絡ませあいながら、キュヒョナは一歩ずつ僕を壁際に追い詰める。
背中にちょっと冷たい壁の感触。
身長差のせいでその体勢だと上から押さえつけられる形になって、そういうの好きな僕はドキドキしてきた。
「キュヒョナをこうやって見上げるの、好き・・・」
唇を一旦離して見つめてくれたから、ぽーっと見返してたら自然にそんなこと言ってた。
うん、好き。
ちらちら欲の炎が点きはじめたその目に、引き込まれてくのが分かるんだ。
「・・・そんな可愛いこと言ってたら・・・俺、暴走しますよ?」
あ、結構ホンキで言ってる。
意外とすぐに余裕がなくなるトコも好き。
「いいよ、・・・して?」
引き寄せて耳元で言ったから彼の顔は見えなかったけど、息を飲むような気配は分かった。
*
予告通りキュヒョナは暴走気味。
・・・とういかいつもはジワジワねちっこくするんだけど、今はすごく荒っぽい。
僕を壁に押し付けて肩口に噛付きながら、ボタンが弾けそうな勢いでシャツの中に手を潜り込ませる。
「・・・ッ・・あぅ!!」
噛まれた痛みは瞬時に違うものに切り替わって僕に届く。
短い悲鳴を上げたら、今度は同じ場所をごく優しく舐めていく。
それを繰り返されると、なんだか体ぜんぶが敏感になってく気がした。
「・・・食べちゃえたらいいのに・・・」
なんか物騒なこと言ってる・・・
「・・・う・・あッ!!・・・」
シャツの中で動き回ってた手のひらが、武器を指先に変えてきた。
胸の尖りをきゅっとされてそのまま擦りあわされたら、いつもよりオクターブ高い声が出てしまった。
・・・ヤバイかな?
僕が背中をつけてるこの壁の向こうは、さっきドンへがヒョクチェを連れ去った部屋。
宿舎やこれまでのホテルより、隣のテレビの音が鮮明に聞こえる気がするんだけど・・・
テレビが紛らわせてくれる間はいいけど、もし静かになったら?
「・・・もう尖ってきましたよ?」
ちょっと含み笑いを宿したキュヒョナの声。
こんな言葉さえもしあの子たちに聞かれてしまったらどうしよう?
そう考えた瞬間、どくんと心臓が跳ねた。
やだな、まだちょっと想像してみただけなのに・・・
「ヒョン? 気持ちいいですか?」
ちょっと身を硬くした僕に手を休めないまま聞いてくる。
僕はとにかくぶんぶん首を縦に振った。
「ホントかなあ、まだ足りないんじゃないですか?」
「・・・ひゃッ!・・あ!・・ア」
押しつぶすように両方の尖りをグリグリとされたら、勝手に飛び出してしまった嬌声。
キュヒョナは満足そうにゆったり微笑む。
「ヒョンの声、好きです。もっと叫ばせたくなる・・・」
言いながら僕の前で膝立ちになったかと思うと、服ごしにぱくっとまんなかに噛み付いた。
「わぁッ!?」
快感として捉えるより、まずびっくりしてしまった。
「ふふ・・・。目、まんまる。」
僕を見上げつつそんなことを言って、するすると器用に下着まで脱がしていく。
「ッ!!・・あ!・・ッ」
あらわになったそこに、さっきと同じ動作でキュヒョナの口がかぶさる。
急に熱い口内に包まれて、僕自身が跳ねるのがわかった。
「・・・んんッ!!」
そのままぐるり、舐め回されたら、とっさにキュヒョナの髪を掴んでしまった。
あ、でも、この感触大好き。
ふわふわの手触りに少しだけ安心してみる。
その体勢でしばらく舌先の動きに翻弄された。
「ソンミナ・・・かわいい」
唇を放して見上げてくる視線。
そっちのほうがよっぽど可愛い目してると思う。
こんな状況でうっかり内心和んでしまったから、キュヒョナの右手の目的に気づくのが遅れた。
「!!・・・うあ!」
背中をぴりっとした刺激が走り抜ける。
僕のなかにゆっくりと侵入してくる指先。
いつのまにそんなに濡らしたの?相変わらず早業・・・
どんどん沈んでいくのは、キュヒョナが進めているのか僕が飲み込んでいってるのか。
かき回すような動きに変えながら、立ち上がるついでにキスをくれた。
*
「・・・あ・・ふ・・ッ」
上と下の両方の粘膜を同時に混ぜられていたから、最初は気づかなかった。
「ヒョン、我慢しちゃ駄目ですよ・・・」
「え?・・・・・・!!」
キュヒョナの囁きの意味が分からなくて、意識を引き寄せる。
あ・・・ヒョクチェたちの部屋から、騒がしかったテレビの音が消えてる・・・?
いつから?
また心臓が跳ねた。
慌てて手で口をふさごうとしたらキュヒョナにそれを阻まれて
「駄目って、言ったばかりじゃないですか」
吐息でそんなふうに言われた。
にっと笑って普通に指の動きを再開させる。
「ヤダっ・・・きゅひょ・・あっ・・」
ずくっと長い指が内壁を押し分けていく刺激。
僕の動揺をよそに、なかで動き回ってる・・・
「ね? あのふたりの声はヒョン聞いたことあるでしょう?」
・・・うん、実は、ある。
ヒョクチェはよく借り物をするくせに返しに来てくれないから、だいたい僕が彼のところに返してもらいに行く。
扉の前で困り果てること・・・過去に3・4回。
うちの宿舎は壁はそこそこ防音にできてるけど、ドアは普通の木製。
多分夢中になってるヒョクチェの甘い声で、ノックをやめて引き返した経験が、ある。
「だから、ヒョンが我慢することないんじゃない?」
んーと、理屈通ってるのかな?
あんまり深く考えたくない。というか、そうしたくてもできない。
だってなかの指はもう3本に増やされて、なんかスゴイ変な水っぽい音までしてきた。
なんか・・・・・・も、いいかな・・・
「あ!・・イイよぉ・・きゅひょなぁ・・・!」
半分はやけくそだったんだけど、我慢するのを諦めてみただけで自分でもびっくりするような声と言葉が出てった。
無意識の僕っていつもこんななの?
「そう。いい子ですね、ヒョン。ご褒美あげましょう」
言いながらキュヒョナは指をゆっくりと抜いていく。
ご褒美って言葉とこの行動。・・・結びつく答えはひとつ。
でも僕はもう、観念しきっていた。
ベッドの上で壁に手を付いた四つんばいの格好にさせられる。
「・・ふ、ぁ!!・・・あ、ん!」
指の代わりに、キュヒョナの熱いもので僕は埋まっていく。
『ちょっ・・と!! ヤダぁ!』
向こうからヒョクチェの焦ったような言葉が聞こえる。
ドンへは物怖じしないから、きっと僕たちに触発されると思った。
今なにされてんのかな、ひょく・・・
「入り、ましたよ」
人のこと考えてる間に僕はいっぱいにされた。
少し苦しいくらい。
「・・ッあ!!・・・」
意識したら勝手にきゅうっとなって更に苦しくなった。
「う・・・わ・・」
締め付けられたキュヒョナが呻いて、ゆっくり抜き差しを始める。
「はぁ!・・・ん・・きもちい・・・」
そういおうと思った訳じゃないのに、口はそんな風に動いてた。
聞いてほしい、なんて思ってるの?僕・・・
どうしよう、なんだか、おかしい。
『・・・ヤダって・・ば!』
ヒョクチェはまだイヤがってはいるみたいだけど、だんだん語尾に甘さが混じってきてる。
雰囲気とかに呑まれやすいあの子、きっともうすぐに翻弄される。
「・・ソンミナ・・中、ぐちゅぐちゅになってる・・」
鼓膜を妖しく揺らすキュヒョナの囁き。
大好きな歌を作るあの声が、そんな言葉をつむいでる。
それがさらに僕を追い詰めてく。
「あ、あ・・うあッ・・・んッ」
僕の唇からは、なかの動きに合わせてひっきりなしに甘ったるい息が漏れていた。
いっそヒョクチェにももっと溺れてほしいとか思う。
そう思うとさらにいやらしく叫びたくなって。
『ダ、メ! ど・・・んへ・・・』
あ、可愛い声。
ねえひょく、一緒に感じて?
僕のそんな考えを見抜いたみたいなタイミングで、キュヒョナの動きが激しくなった。
奥まで差し込んだまま揺らされて、脳がとろけそうになる。
きりきり、手をついた壁に爪をたてて、迫る絶頂を覚悟した。
キュヒョナがとっくに探り当てている僕の壊れるトコロ。
大きくそこを擦られて背中をびりびり、刺激が走り抜ける。
『も、いっちゃ・・う・・・あッ!!』
「う、あ!・・・ひゃあ!・・・んん!!」
ヒョクチェの一際高い声を、追いかけるように僕も弾けた。
連なる快感に目がまわって、僕は意識を手放した。
*
「・・・んッ・・」
くるりと体をひっくり返されて視界に色が戻る。
「・・・ヒョン、自分だけいきましたね?」
え?
恨みがましい顔をしたキュヒョナと正面から目が合う。
自分だけってことは・・・さっきから感じてるこの違和感って・・・
「責任とってください」
「・・・んぅ!・・・ッ」
まだなかで大きいままだったキュヒョナのが、一度弛緩していた体にまたスイッチを入れる。
と、同時に大きな手のひらで僕の口は塞がれた。
「ヒョンは声聞かれるとすぐいっちゃうみたいなんで、一旦禁止です」
そう言って悠然と微笑んで見せた。
そんな恥ずかしいことを言われて、悔しい。
でも・・・その表情が僕の変なトコに火を付けるんだ。
『ふ・・あぁ!・・・それ、ヤダぁ・・・』
ヒョクチェの泣き声が聞こえる。
僕も今、そう叫びたい。
ギリギリまで引き抜いてから押し込む、キュヒョナのそんな動きがたまらなくて。
抜く時はゆっくりっていうのが意地悪。
内壁は必死に縋ってしまうんだ。
「ソンミナ・・・すごい、ですよ?」
うん、わかってる。
すっごいいやらしい反応、してる・・・僕の体。
「・・・ッ・・ふッ・・・ッ」
あげてしまいたい悲鳴が押さえ込まれて苦しいのに・・・
快感と苦しさの合間で溺れて、涙が止まらなくなってきた。
「聞かれても我慢しても気持ちいいんですか?」
ちょっと呆れてるみたいにキュヒョナが言う。
ああ、ホントだよね。
浅ましいったらない。
『あ・・あ・・・アッ!・・・』
おかしくなりそうな甘い叫びが、まるで僕の唇から出てるような気がする。
ヒョクチェの声に合わせるリズムで、キュヒョナが動き始めたから。
・・・あ、なんかキュヒョナがヒョクチェを抱いてるみたいで、変なカンジ・・・
「ソンミナヒョン・・・可愛い、愛してます・・・」
変な錯覚をした僕に気づいたの?
うっすら汗をかいたキュヒョナが、僕をまっすぐ見てそんなことを呟いた。
・・・それでも、口を塞いだ手は離してはくれないのが彼らしいけど。
やっぱこのまま最後までする気なんだ。
ずくずくと刺す動きには、昇っていく意思が見える。
「・・・ッ・・ぅ、ンッ・・・んん!!」
もう・・苦しい苦しい・・・でも、きもちい・・・
遠慮なく粘膜を擦られて、キュヒョナの手のひらに噛み付いてしまう。
駄目だ、ひょくより先にいっちゃう・・・
「・・・は、あ。ソンミ・・ナ・・・!!」
「ンン!!・・ッ・・・ッ!!」
ぐりっとなかをえぐると同時に名前を呼ばれた瞬間、目の前がスパークした。
キュヒョナも一緒に勢いよく熱を吐き出してる。
ビクビク震える僕を押さえつけて、一番深くで。
あつくて内側から溶けそう・・・
『・・・ごめ・・・もぉ・・・いく・・・ッあ、ア!!』
今度はヒョクチェが僕を追いかけてくれた。
可愛い僕の弟・・・こんな風に快感を共有することになるとは思わなかったけど。
「・・ヒョクチェ・・・」
愛しさをこめて彼の名を呼びながら、僕は急速に眠りに誘われていった。
最初はもちろん途方に暮れた。
でも、イレギュラーな事態って、よくも悪くも解釈するのは自分次第でしょ?
まぁ、僕もその考えに至ったのはその夜が明けてから・・・だけどね。
*
お菓子でも買いに行こうか?
久々の同室にちょっとわくわくしてヒョクチェとそんな相談をしてた。
お互い甘いものが好きだから、海外では時間があるとその街のスイーツを食べるのがお決まり。
PCで下調べしようかと立ち上げてる最中に、突然ドアが開いてキュヒョナがなだれ込んできた。
すぐ後ろからきたドンへが叫ぶ。
「交替!!!!」
「え?なになに?」
戸惑ってたらあっという間にヒョクチェと彼の荷物が連れ去られた。
「♪~」
PCの起動音が響いたのが合図のようにキュヒョナが僕を見て、持ってたボストンバッグをドサっと落とす。
「ドンへヒョンありがとう!!」
「うわああああ」
がばあっと抱きつかれる。
背の高い彼にそうされるとすっぽりと収まってしまうから、心地よくて色々まいっかなんて許しちゃうじゃないか。
お菓子は明日、収録帰りにヒョクチェを改めて誘えばいいや。
・・・僕も単純なもんだ。
「・・・ソンミナ・・・」
僕の顔を両手で包んでから上向かせ、唇が触れる手前で僕の名を紡ぐ。
二人きりの時しか使わない呼び方は、それだけでなんだか揶揄してるみたいで・・・あっという間に鼓動が加速した。
「んッ・・・ふ・・・・」
素早く滑り込んできた舌があつい。
絡ませあいながら、キュヒョナは一歩ずつ僕を壁際に追い詰める。
背中にちょっと冷たい壁の感触。
身長差のせいでその体勢だと上から押さえつけられる形になって、そういうの好きな僕はドキドキしてきた。
「キュヒョナをこうやって見上げるの、好き・・・」
唇を一旦離して見つめてくれたから、ぽーっと見返してたら自然にそんなこと言ってた。
うん、好き。
ちらちら欲の炎が点きはじめたその目に、引き込まれてくのが分かるんだ。
「・・・そんな可愛いこと言ってたら・・・俺、暴走しますよ?」
あ、結構ホンキで言ってる。
意外とすぐに余裕がなくなるトコも好き。
「いいよ、・・・して?」
引き寄せて耳元で言ったから彼の顔は見えなかったけど、息を飲むような気配は分かった。
*
予告通りキュヒョナは暴走気味。
・・・とういかいつもはジワジワねちっこくするんだけど、今はすごく荒っぽい。
僕を壁に押し付けて肩口に噛付きながら、ボタンが弾けそうな勢いでシャツの中に手を潜り込ませる。
「・・・ッ・・あぅ!!」
噛まれた痛みは瞬時に違うものに切り替わって僕に届く。
短い悲鳴を上げたら、今度は同じ場所をごく優しく舐めていく。
それを繰り返されると、なんだか体ぜんぶが敏感になってく気がした。
「・・・食べちゃえたらいいのに・・・」
なんか物騒なこと言ってる・・・
「・・・う・・あッ!!・・・」
シャツの中で動き回ってた手のひらが、武器を指先に変えてきた。
胸の尖りをきゅっとされてそのまま擦りあわされたら、いつもよりオクターブ高い声が出てしまった。
・・・ヤバイかな?
僕が背中をつけてるこの壁の向こうは、さっきドンへがヒョクチェを連れ去った部屋。
宿舎やこれまでのホテルより、隣のテレビの音が鮮明に聞こえる気がするんだけど・・・
テレビが紛らわせてくれる間はいいけど、もし静かになったら?
「・・・もう尖ってきましたよ?」
ちょっと含み笑いを宿したキュヒョナの声。
こんな言葉さえもしあの子たちに聞かれてしまったらどうしよう?
そう考えた瞬間、どくんと心臓が跳ねた。
やだな、まだちょっと想像してみただけなのに・・・
「ヒョン? 気持ちいいですか?」
ちょっと身を硬くした僕に手を休めないまま聞いてくる。
僕はとにかくぶんぶん首を縦に振った。
「ホントかなあ、まだ足りないんじゃないですか?」
「・・・ひゃッ!・・あ!・・ア」
押しつぶすように両方の尖りをグリグリとされたら、勝手に飛び出してしまった嬌声。
キュヒョナは満足そうにゆったり微笑む。
「ヒョンの声、好きです。もっと叫ばせたくなる・・・」
言いながら僕の前で膝立ちになったかと思うと、服ごしにぱくっとまんなかに噛み付いた。
「わぁッ!?」
快感として捉えるより、まずびっくりしてしまった。
「ふふ・・・。目、まんまる。」
僕を見上げつつそんなことを言って、するすると器用に下着まで脱がしていく。
「ッ!!・・あ!・・ッ」
あらわになったそこに、さっきと同じ動作でキュヒョナの口がかぶさる。
急に熱い口内に包まれて、僕自身が跳ねるのがわかった。
「・・・んんッ!!」
そのままぐるり、舐め回されたら、とっさにキュヒョナの髪を掴んでしまった。
あ、でも、この感触大好き。
ふわふわの手触りに少しだけ安心してみる。
その体勢でしばらく舌先の動きに翻弄された。
「ソンミナ・・・かわいい」
唇を放して見上げてくる視線。
そっちのほうがよっぽど可愛い目してると思う。
こんな状況でうっかり内心和んでしまったから、キュヒョナの右手の目的に気づくのが遅れた。
「!!・・・うあ!」
背中をぴりっとした刺激が走り抜ける。
僕のなかにゆっくりと侵入してくる指先。
いつのまにそんなに濡らしたの?相変わらず早業・・・
どんどん沈んでいくのは、キュヒョナが進めているのか僕が飲み込んでいってるのか。
かき回すような動きに変えながら、立ち上がるついでにキスをくれた。
*
「・・・あ・・ふ・・ッ」
上と下の両方の粘膜を同時に混ぜられていたから、最初は気づかなかった。
「ヒョン、我慢しちゃ駄目ですよ・・・」
「え?・・・・・・!!」
キュヒョナの囁きの意味が分からなくて、意識を引き寄せる。
あ・・・ヒョクチェたちの部屋から、騒がしかったテレビの音が消えてる・・・?
いつから?
また心臓が跳ねた。
慌てて手で口をふさごうとしたらキュヒョナにそれを阻まれて
「駄目って、言ったばかりじゃないですか」
吐息でそんなふうに言われた。
にっと笑って普通に指の動きを再開させる。
「ヤダっ・・・きゅひょ・・あっ・・」
ずくっと長い指が内壁を押し分けていく刺激。
僕の動揺をよそに、なかで動き回ってる・・・
「ね? あのふたりの声はヒョン聞いたことあるでしょう?」
・・・うん、実は、ある。
ヒョクチェはよく借り物をするくせに返しに来てくれないから、だいたい僕が彼のところに返してもらいに行く。
扉の前で困り果てること・・・過去に3・4回。
うちの宿舎は壁はそこそこ防音にできてるけど、ドアは普通の木製。
多分夢中になってるヒョクチェの甘い声で、ノックをやめて引き返した経験が、ある。
「だから、ヒョンが我慢することないんじゃない?」
んーと、理屈通ってるのかな?
あんまり深く考えたくない。というか、そうしたくてもできない。
だってなかの指はもう3本に増やされて、なんかスゴイ変な水っぽい音までしてきた。
なんか・・・・・・も、いいかな・・・
「あ!・・イイよぉ・・きゅひょなぁ・・・!」
半分はやけくそだったんだけど、我慢するのを諦めてみただけで自分でもびっくりするような声と言葉が出てった。
無意識の僕っていつもこんななの?
「そう。いい子ですね、ヒョン。ご褒美あげましょう」
言いながらキュヒョナは指をゆっくりと抜いていく。
ご褒美って言葉とこの行動。・・・結びつく答えはひとつ。
でも僕はもう、観念しきっていた。
ベッドの上で壁に手を付いた四つんばいの格好にさせられる。
「・・ふ、ぁ!!・・・あ、ん!」
指の代わりに、キュヒョナの熱いもので僕は埋まっていく。
『ちょっ・・と!! ヤダぁ!』
向こうからヒョクチェの焦ったような言葉が聞こえる。
ドンへは物怖じしないから、きっと僕たちに触発されると思った。
今なにされてんのかな、ひょく・・・
「入り、ましたよ」
人のこと考えてる間に僕はいっぱいにされた。
少し苦しいくらい。
「・・ッあ!!・・・」
意識したら勝手にきゅうっとなって更に苦しくなった。
「う・・・わ・・」
締め付けられたキュヒョナが呻いて、ゆっくり抜き差しを始める。
「はぁ!・・・ん・・きもちい・・・」
そういおうと思った訳じゃないのに、口はそんな風に動いてた。
聞いてほしい、なんて思ってるの?僕・・・
どうしよう、なんだか、おかしい。
『・・・ヤダって・・ば!』
ヒョクチェはまだイヤがってはいるみたいだけど、だんだん語尾に甘さが混じってきてる。
雰囲気とかに呑まれやすいあの子、きっともうすぐに翻弄される。
「・・ソンミナ・・中、ぐちゅぐちゅになってる・・」
鼓膜を妖しく揺らすキュヒョナの囁き。
大好きな歌を作るあの声が、そんな言葉をつむいでる。
それがさらに僕を追い詰めてく。
「あ、あ・・うあッ・・・んッ」
僕の唇からは、なかの動きに合わせてひっきりなしに甘ったるい息が漏れていた。
いっそヒョクチェにももっと溺れてほしいとか思う。
そう思うとさらにいやらしく叫びたくなって。
『ダ、メ! ど・・・んへ・・・』
あ、可愛い声。
ねえひょく、一緒に感じて?
僕のそんな考えを見抜いたみたいなタイミングで、キュヒョナの動きが激しくなった。
奥まで差し込んだまま揺らされて、脳がとろけそうになる。
きりきり、手をついた壁に爪をたてて、迫る絶頂を覚悟した。
キュヒョナがとっくに探り当てている僕の壊れるトコロ。
大きくそこを擦られて背中をびりびり、刺激が走り抜ける。
『も、いっちゃ・・う・・・あッ!!』
「う、あ!・・・ひゃあ!・・・んん!!」
ヒョクチェの一際高い声を、追いかけるように僕も弾けた。
連なる快感に目がまわって、僕は意識を手放した。
*
「・・・んッ・・」
くるりと体をひっくり返されて視界に色が戻る。
「・・・ヒョン、自分だけいきましたね?」
え?
恨みがましい顔をしたキュヒョナと正面から目が合う。
自分だけってことは・・・さっきから感じてるこの違和感って・・・
「責任とってください」
「・・・んぅ!・・・ッ」
まだなかで大きいままだったキュヒョナのが、一度弛緩していた体にまたスイッチを入れる。
と、同時に大きな手のひらで僕の口は塞がれた。
「ヒョンは声聞かれるとすぐいっちゃうみたいなんで、一旦禁止です」
そう言って悠然と微笑んで見せた。
そんな恥ずかしいことを言われて、悔しい。
でも・・・その表情が僕の変なトコに火を付けるんだ。
『ふ・・あぁ!・・・それ、ヤダぁ・・・』
ヒョクチェの泣き声が聞こえる。
僕も今、そう叫びたい。
ギリギリまで引き抜いてから押し込む、キュヒョナのそんな動きがたまらなくて。
抜く時はゆっくりっていうのが意地悪。
内壁は必死に縋ってしまうんだ。
「ソンミナ・・・すごい、ですよ?」
うん、わかってる。
すっごいいやらしい反応、してる・・・僕の体。
「・・・ッ・・ふッ・・・ッ」
あげてしまいたい悲鳴が押さえ込まれて苦しいのに・・・
快感と苦しさの合間で溺れて、涙が止まらなくなってきた。
「聞かれても我慢しても気持ちいいんですか?」
ちょっと呆れてるみたいにキュヒョナが言う。
ああ、ホントだよね。
浅ましいったらない。
『あ・・あ・・・アッ!・・・』
おかしくなりそうな甘い叫びが、まるで僕の唇から出てるような気がする。
ヒョクチェの声に合わせるリズムで、キュヒョナが動き始めたから。
・・・あ、なんかキュヒョナがヒョクチェを抱いてるみたいで、変なカンジ・・・
「ソンミナヒョン・・・可愛い、愛してます・・・」
変な錯覚をした僕に気づいたの?
うっすら汗をかいたキュヒョナが、僕をまっすぐ見てそんなことを呟いた。
・・・それでも、口を塞いだ手は離してはくれないのが彼らしいけど。
やっぱこのまま最後までする気なんだ。
ずくずくと刺す動きには、昇っていく意思が見える。
「・・・ッ・・ぅ、ンッ・・・んん!!」
もう・・苦しい苦しい・・・でも、きもちい・・・
遠慮なく粘膜を擦られて、キュヒョナの手のひらに噛み付いてしまう。
駄目だ、ひょくより先にいっちゃう・・・
「・・・は、あ。ソンミ・・ナ・・・!!」
「ンン!!・・ッ・・・ッ!!」
ぐりっとなかをえぐると同時に名前を呼ばれた瞬間、目の前がスパークした。
キュヒョナも一緒に勢いよく熱を吐き出してる。
ビクビク震える僕を押さえつけて、一番深くで。
あつくて内側から溶けそう・・・
『・・・ごめ・・・もぉ・・・いく・・・ッあ、ア!!』
今度はヒョクチェが僕を追いかけてくれた。
可愛い僕の弟・・・こんな風に快感を共有することになるとは思わなかったけど。
「・・ヒョクチェ・・・」
愛しさをこめて彼の名を呼びながら、僕は急速に眠りに誘われていった。