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WITH ※


「・・・?」

初めに感じたのは違和感。
声?

「ヒョクチェ? どしたの?」
耳のすぐそばでドンへが聞いてくる。
思えばこのときから予感はしてたんだ。


                    *


滞在先のバンコクのホテル。
ホントはソンミナヒョンと俺が同室だったんだけど、ドンへが無理やり交替!!!!っつってキュヒョンを向こうに押し込み、
俺をこっちに連れ去った。

仲良しのソンミナヒョンと同室は普通に嬉しかったし、ヒョンは俺にとって癒しだから安心してたんだけどな。
・・・そりゃドンへといたいけど!
連れ去られる時ちょっとときめいたとか絶対言わないでおこ。ちょーし乗るから。

とはいえ俺がそれを言わなくてもドンへはちょーしに乗った。
タイ語はわかんないけどなにやら面白そうな番組がやってて俺が見いってる隙に、後ろから抱きすくめられた。
「ひょく・・・」
「まだまってよ、テレビくらい見させて」
「見てていいから」

肩口に顔を埋めるドンへを窘めても、そう言って離れてくれない。
そこにいられると息されてもくすぐったいんだけど・・・
「ひょくの肌キレイ」
そんなこと呟きながら唇で感触を確かめるみたいにごく軽く噛んでる。

「・・・っ」
ドンへの愛撫に慣れた体はそれだけで勝手にスイッチを切り替えようとしてる。
こんな、部屋入ってすぐなんて恥ずかしい。
もう少しゆっくりしてからがいいのに・・・って思うんだけどテレビに集中できなくなってくる。

しばらく羽でふれるような優しさで唇がさまよってた。
「んっ・・・や、だ・・・」
耳の後ろを舌でくすぐられるとちょっと声が裏返ったので、ドンへの腕を解こうとしたけどかなわない。
・・・ああ、ダメだ、呑まれる。
俺がそう思ったのと同時に、ドンへの手でテレビの電源が落とされた。


                    *


「もう俺ひょく不足でさ・・・」
「・・・うん」
「収録中何度も触りそうになっちゃった」
「・・・パボ・・・」
不穏なコトを呟くドンへの指が妖しく動きだした時、その声?に気づいた。

『・・・あ・・ふ・・ッ』
テレビの音が消えたコトでやけに静かに思える空間に、息と一緒に吐き出されたようなちょっと高い声。
壁の向こうから。
なんだろ・・・え?まさか・・・
「ヒョクチェ?どしたの?」
数秒の沈黙の後、耳のすぐ横でドンへがふ、と笑う気配がして
「ソンミナヒョン、のアエギ声・・・だね」
「!!」

一気に意識してしまった。
甘えるような鼻にかかったそれは、確かにそういうトキの声だ。
『ヤダっ・・・きゅひょ・・あっ・・』
ヒョンったらヒョンったら、なんて声あげてんの。
聞いてるのが恥ずかしい・・・顔が熱くなってくのが分かる。

「ここ壁うすいんだ。こんな聞こえんの初めて」
俺に比べて冷静なドンへ。
いやむしろちょっと面白がってるような感じさえする。
俺は大好きなヒョンのそんな部分に動揺しまくってるのに!
あのふたりが付き合ってるのは知ってたけど、こういうコトは想像しないようにしてたし・・・
いや、俺らもしてるんだけどさ・・・
ソンミナヒョンからたまに話聞いちゃうこともあったけどさ・・・

「これじゃ全部聞いちゃうよ!テレビつけて」
なんだか異様に焦ってしまって小声で叫びながら俺がリモコンに手を伸ばそうとしたら、ドンへがそれを遮った。
どうしようどうしよう?
俺があわあわしてる間にもずっとその声は聞こえてる。
あっちは壁うすいコト気づいてないの?
『あ!・・イイよぉ・・きゅひょなぁ・・・!』

「ヒョン、すごいね」
耳に吹き込むようにドンへが言う。
ふるりと体が震えてしまった。
ダメだよ、明日ヒョンとキュヒョナの顔見れなくなっちゃう!
まだ収録があるのに!

「誰かの部屋行こう! トゥギヒョンもう打ち合わせ終わってるよね?」
「え?なんで?」
ぷるぷる顔をふるって気を紛らわせながら言った俺の言葉に、首をかしげてる。
「ヒョン達気づいてないんだよきっと。聞いちゃダメだ」
「えー?」
俺の肩にあごを乗っけて、不服そうなドンへ。
その不服からの次の行動を、予測するだけの余裕は俺にはなかった。

「ヒョクチェの声も聞かせればいいんじゃん?」
「え?・・・!!・・あッ!」
思わず上擦った声が出た。
いつの間にか太ももに移動していた右手に、突然そこを撫で上げられたから。
同時に首もとに吸い付く唇、もう片方の手はシャツの中に潜り込む。

「ちょっ・・と!! ヤダぁ!」
抵抗しようと思うより一瞬早く、俺の両手はドンへの右手に後ろでひとまとめにされた。
シャツの中で指が探り当てたトコロを軽く弾く。
「ア!!・・・んぅ」
まだビックリしたままの意識でいたために喉をすり抜けた声。
慌てて口をつぐむ。
「聞かせないの?」
なに言ってんの!
聞かれるって分かってて出せるワケないじゃん!

文句を言おうとドンへを振り向いたらそのまま唇に噛み付くみたいにキスされた。
入り込む舌から逃げ惑うけど、すぐに絡めとられる。
「んんッ・・う・・」
やだな・・・なんか神経が過敏になってるような気がする・・・
ぬるりと舐め回されて肩が跳ねてしまった。

「ふふ、どうしたの? なんかビクビクしてる」
なに楽しそうにしてんのコイツ!
それ以上胸さわんないで!
『はぁ!・・・ん・・きもちい・・・』
ああ、ソンミナヒョン、お願い気づいて!
俺の意識は忙しい。
どうしよう、ドンへこのままホントにする気なの?

「我慢しないでよ・・・」
「ひゃぁ!」
指先が一気に滑り降りてまた撫で上げられた。
ジーンズだったらまだよかったんだけど、今日俺が履いてるのは柔らかいトレーニングパンツだったから・・・
熱い手のひらを感じてしまって体が震える。

「ね? 仕返ししよ?」
俺はドンへのこういう甘い声に弱い。
「ヤダって・・ば!」
ひくりと震えてしまってから反論するけど、思わず大きなボリュームになって慌てた。
「ひょく・・・ヤダなんて嘘でしょ?」
「んッ・・・くぅ」
ちょっと荒っぽく擦られて、自分がどんな状態か思い知る。
自覚するって怖い。途端にどんどん熱が上がっていく。
「ほら、ね? 感じてよ」
力が入んなくなってく俺の耳に、滑り込むそんな言葉。
あれ?いつの間にか直接触ってる?
ちゅくちゅく、水っぽい音がする。

「ダ、メ! ど・・・んへ・・・」
息を吐くのと一緒に、どうしてもへんな声がでていっちゃう。
聞こえちゃうよ、そんなのヤダ・・・
そう思うのにどんどん膨れ上がる欲は出口を欲しがる。
あっという間に限界は目の前に来ていた。

「も、いっちゃ・・う・・・あッ・・・ッ!!」
やたらあっついドンへの手に大きく擦られて、あっけなく俺は弾けた。
『うあ・・・ひゃあ・・・んん!!』
同じくらい高いソンミナヒョンの声が重なる。
一緒に歌ってるみたいだ、とか思った。


                  *


荒い息が整わないうちに、ベッドに倒した俺に覆いかぶさりながらドンへは
「かわいい、ひょく・・・」
なんて呟いた。
こっちは死ぬほど恥ずかしい思いしてんのに、なに和んでんだよ。
睨んでやったらむしろ更に表情が緩みまくる。
「そんな煽んないでよ」
煽ってない!!断じて!!

「今、してあげるから・・・」
夢見てるみたいな瞳につられて俺もボーっと見てたら下半身に違和感が走った。
「ちょ!・・・まって!」
さっき出した俺ので濡れたドンへの指がするっとそこを探し当てる。
ノックするように3回軽く叩いて、十分な水分のせいで案外スムーズに潜り込んでしまった。
まてない、とか言いながらドンへは中をかき混ぜはじめる。

「ふ・・あぁ!・・・それ、ヤダぁ・・・」
だって手でされただけなのに声は我慢しきれなかった。
これ以上すごいコトしたら我慢するなんて気持ちも飛んでってしまう。

それに、隣の声は俺がいった後くらいから一旦止んでいる。
俺たちもしてるって気づいて、聞いてたらどうしよう。
って考えた途端、Sっ気たっぷりにニヤリとするキュヒョナの顔が浮かんだ。
・・・・耐えられない!!

「お願いお願いドンへ・・・もぉやめて・・・」
情けないけどちょっと涙が出てしまったかもしれない。
でもそんなことかまってられなくて、一生懸命ドンへを見上げて訴えた。
だけど、
「誘うの上手になったね、ヒョク・・・」
・・・誘うってなに?

通じてないらしい会話に不安になる俺に、ドンへは一瞬無邪気とも言えるほどの満面の笑みを送ってから口付けてきた。
その笑顔と優しげな触れ方に、現状を忘れて緊張を解しかけた時、
「ッ?! んぅ!!」
あっつい熱が入り口をこじ開けようとするのを感じて、差し込まれた舌を噛みそうになった。
待って待って!
何度もドンへを受け入れたせいで、俺の意思に反してそこはゆっくりだけど開いていってしまう。
「早く欲しかったの? かわいいね・・・」
違うよばかドンへ。
やめてっていうのは行為自体であって、指やめて早く入れてって言ったんじゃないの。
でも今更そんな説明できる余裕はないし、俺のナカはドンへを引き込むように飲み込んでいってるこの状況・・・説得力もない。

「あ・・あ・・・アッ!・・・」
体を起こしたドンへがどんどん奥を目指してくる。とにかく一度全部埋め込むつもりらしい。
深くなる度に上がる声は高く、大きくなってしまう。
ヤバイ、まじで余裕ないよ。
さっきのキスで変にいちど安心してしまっただけに、欲に引きずられるスピードが増してる気がする。
自分の心臓の音がやけにうるさくて、もう状況とかよくわかんない。

「ひょく、ひょく・・・きもちいい?」
そんなこと聞かないで。
頭がぐるぐるする。
勝手にあふれ出した涙を、掬ってる指さえ気持ちいいなんて。

「う・・・あっ!・・・どん・・へ・・・」
律動が始まった。
揺さぶられてつま先が反り返る。
「俺に捕まっていいよ?」
シーツを握ってた手をドンへの背中に回されたから、もう必死でしがみつく。
そしたらまたかちかちになってる俺自身に、ドンへのお腹が当たって一緒に擦られる事態になってしまった。
前と後ろに同時に刺激を受けると体はビクビク跳ねだす。
急激に高まる快感にまた一度体温が上がって。
・・・・も、ムリ・・・・

「・・・ごめ・・・もぉ・・・いく・・・ッあ、ア!!」
ぶるりと身震い。
弾けるその瞬間きゅうっと締め付けてしまい快感は長引くばかり。
「ん!・・・ひょ・・く!!」
搾り取ろうみたいなナカの動きにドンへも呼応した。
最奥で放つもんだから、熱さが脳をぐにゃぐにゃにして、意識が飛んでく・・・

『・・・ヒョクチェ・・・』
壁の向こうからソンミナヒョンの声が俺を呼んだ気がするけど、気のせい・・・かな・・・


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