いちごみるく ※
中毒になりそう。
ずっとヒョクのナカにいれたらいいのに。
「ん、あ!・・あ、あ・・んんーッ!!」
ゆっくりゆっくり、まずは一番奥から浅いところへ。
呼応するヒョクの甘い悲鳴に、脳ミソが蕩けてく気がする。
「苦しく、ない?」
思い通りにできてなさそうな呼吸が心配でそう聞くと、ぶんぶん首を横に振った。
「苦・・しいよぉッ・・・なか・・ヘンな・・感じするッ」
確かに普通じゃない。
俺のを離すまいとしてるみたいなうねり。
エロすぎる・・・
「ヘンになってもいいよ・・・」
「ンッ!!・・や、いやあああ!!」
入口まで来たからまた、角度だけ少し変えて同じスピードで押し込む。
そうしながら囁くと、ヒョクは小さく震えだした。
「ひょく?」
「や、ぃや!! ダメッ・・・どんへ・・どん、へッ」
小さかった震えが大きくなったかと思うと、
「ひあッ!!・・ああーッ!!」
「あ!・・ッうわ!」
ヒョクはあっという間にイってしまった。
その瞬間俺はぎゅううっと締め付けられてびっくりする。
予想してなかっただけにそのまま絞りとられるかと思った。
「・・・ぅ、・・す、ごいね、ヒョク・・・よかったの?」
なんとか耐えながらそう聞いてみる。
「・・・あ・・、・・ごめッ・・」
なんで泣くの?
そんな真っ赤な顔して泣かれたら、もっと乱れさせたくなるじゃん・・・
「もっと・・・イケるよね?」
「・・・わかんな・・・ぃ・・けど」
じっと見上げられて息が詰まる。
そんなに煽らないで。
「・・・ど・・んへは?」
「ん? 俺?」
「きもち・・いの?・・俺で、イケる?」
・・・ヒョクらしいけど、そんなコト考えるまでもないのに。
「馬鹿だねヒョクは・・・」
「な、に・・・?」
「俺、めちゃめちゃ必死なの・・・わかんない?」
すぐイっちゃうともったいないから、一生懸命耐えてるというのに。
「アタマ、蕩けそうなくらい・・・気持ちいい・・・」
なんたってヒョクのナカに埋まってるってだけで、心の方もヤバイ。
「ん、あ!・・これ、以上・・蕩けたら・・・大変じゃ・・ん」
ゆらゆら少しずつまた動かしはじめたら、ヒョクは喘ぎながらそんなコトを口にした。
・・・そんな憎まれ口叩いても、可愛いだけだよ?
「そうだよ、責任・・・取ってよ」
「ひゃ!!ん!・・あ、あ、ああッ!!」
奥まで入れたまま揺らすと、くんくん締め上げられてすっごいイイ。
「ひょ、く・・・ヤバイ・・す、ご・・ぃッ」
「あーッ!!んんッ・・お、れもッ」
「イイ?・・こんな、奥まで入ってるよ? ここ、イイの?」
「ん!・・う、んッ・・イイ・・・!!」
円を描くみたいにそこを掻き回すと、ヒョクの涙腺が急に壊れた。
ポロポロ瞼の端からひっきりなしに零れてく。
ヒョク、こんな風にされると気持ちよくて泣いちゃうんだね。
もっと泣かせたくて困るよね。
ああ、でも、限界は近い。
「ね、ぇ、出して・・・いい?」
「ア!んッ・・・ん、出・・す?」
「そお、ヒョクの・・・なか・・」
ナカに出したら苦しいのかな?
でも、したい。
お願い。
閉じてた瞼が開いて、涙をまとった目が俺を見る。
とろとろの表情は壮絶なほど色っぽい。
「ん・・・、いーよ・・・・・・」
ちょっとだけ浮かべたその笑みに、もう心は絶頂を迎えた。
あとは体が、追いかけるだけ。
「ひょく、ひょく・・・ッ」
「んあッ!!・・や!・・おく・・・も、だめッ」
「うそ、つき・・・すっごい・・きゅうきゅうしてる・・よ」
「して、なッ・・・や、や、待っ・・て!!」
「待てない・・も、イくよ?」
「・・・どん、へ!!・・あ、あッ」
背中に走る痛み。
俺の背中に回したヒョクの指が、そこを引っ掻いてるみたい。
そんな刺激も、もうただ焚きつけるだけだ。
弾ける、もう。
「あ、イくッ・・・・あッ!!・・ああ!!」
「んんんーッ!! あっつ・・いぃッ!! あああーッ!!」
今まで感じたコトないくらいの、電流みたいな射精感に俺は飲まれた。
ヒョクの悲鳴も一瞬遠くに聞こえる。
「う、んッ・・ヒョク、チェ」
どくどく、たて続けに俺の熱がヒョクに送り込まれてく。
満たされすぎて俺も涙が出てきた。
「ふ、ア!! んんッ!ん!!」
痙攣する体を抑えるみたいに、ヒョクは唇を噛み締めてる。
そのままだと血が出ちゃいそうだから、必死にキスをした。
ふたりして泣きながら、いろんな体液にまみれて繋がって。
・・・・もう、このまま境目がなくなるまで、ぐちゃぐちゃになりたい。
そんなコトを思った。
*
首筋を駆け上る甘い甘い幸福感。
気を失ってたヒョクがゆっくり戻ってくる。
俺は夢中になって何度も注ぎ込んでしまった。
体ツラいかなヒョク・・・
髪におでこにほっぺに、軽いキスを落とすとふうっとため息が零れた。
あ、やっぱり少しだけ、唇に血が滲んでる。
「・・・だいじょぶ?」
「・・・・・ん」
こくん、頷いてくれた。
安心したのも束の間、ヒョクは目を瞬いてから軽く俺を睨んだ。
「・・・・・・なんで、ここでするんだよ」
「ここって?」
力が入ってない言い方は、文句を言ってるのに甘えてるみたい。
「いつもみんなでテレビ見たりするトコなのに、・・・明日からどうしよう・・・」
リビングを見渡して眉を下げてる。
「いいじゃん、いつも俺を思い出してよ」
「ばか」
へらへら笑ってしまったから、ぽか、と軽く殴られた。
そんな様子もめちゃめちゃ可愛くて、ついもっと困らせたくなる。
「ってかヒョク。それを言ったらダイニングでだってヒョクはイっちゃってんだよ?」
「・・・!!」
まんまるくなる目。
それからふわあっと顔じゅう真っ赤にして。
「次はキッチンもかな」
「な・・・!!・・」
「宿舎全部、制覇したいくらい」
「何言って・・・も、ドンヘなんてッ」
「嫌い?」
「・・・・・・・ぅ・・・」
強がりの『嫌い』くらい言われても平気なのに。
言えないでいるヒョクが愛しい。
「俺はヒョクチェが大好きだよ!!」
「・・・・わ、わざわざ言うなよ・・・・・」
「いいじゃん、やっとつながれてヒョクも嬉しいんでしょ?」
「そ・・・だけど、もー言わなくていい!!」
「言いたいんだもんーどんだけ言っても足りないんだもんー」
ぎゅうぎゅう抱きついたらぐいぐい押しやられた。
顔痛い。
引っ掻かれた背中も痛い。
でも、幸せすぎてそんなのいいや。
ヒョクの体温を今まで以上に大切に感じながら、果てしなく浮かぶ愛の言葉を紡ぎつづけた。
*
「・・・・・・・・キュヒョナ!!」
俺の呼びかけにヤツはのろのろと寝返りをうって答えた。
しかもさらにヒョクにくっつく体勢になる。
「離れろよバカ!!」
とりあえずヒョクの細い腰に回した手をぶっ叩いた。
「んんーーー」
不服そうに唸る声。
いや、不服度は俺の方が断ッ然上だけど?
「なんでまたここで寝てんだよ?!」
「・・・んー、寂しいからー」
「け・い・ご!! 仮にも俺はヒョンだぞ?!」
「うるさいなぁぁぁ」
ヒョクとはじめて体重ねたあの時、眩暈がするほどの幸せに包まれて。
もうキュヒョナにヤキモチ焼いたりする境地じゃないって、思った。
うん、かなりホンキで。
・・・・・・・・・・・・・でも、目の前にするとさ・・・
「ソンミナヒョンひとりにすんなよ!!」
「だってヒョンがリョウクのトコから帰ってこなかったんです」
「だからってなんでここに来るんだよ?」
「人肌恋しくなって」
「またそれかよ!!」
ヒョクを起こしに朝この部屋にやってくると、最近しょっちゅうこんなやりとりをしてる。
ヒョクもなんで受け入れちゃうの?
でもそれを聞いたら「マンネだから」ってなんともないような態度で言われた。
うーん、マンネを武器にやりたい放題な気がするのは、俺だけ?
「・・・・あ!!」
「な、なんだよ?」
「うー?・・・なに?」
ヒョクを後ろから抱きしめたまま、キュヒョナはなんだか大きな声を上げた。
ベッドサイドに立ってる俺がビックリしたくらいだから、耳元だったヒョクは当然起きてしまった。
「・・・ドンヘヒョンもまだまだですね」
「なんの、話だよ・・・」
「どんへー? 来てんのー?」
壁側を向いたヒョクには俺が見えない。
ああ、早くおはよってキスしたいのに!!
いいからどけよキュヒョナ。
「今日の衣装、気をつけて選んだほうがいいですよヒョクチェヒョン」
「にゃ!・・・な、んで?」
「こら!耳に吹き込むな!!」
ヒョクはそこ弱いんだから!
「ここ、こんな跡になってる」
「・・・・あ・・・」
「あと?」
「ちょっと首元空いてたらすぐ見えちゃいますね」
キュヒョナはヒョクのパジャマ代わりのシャツの襟をちょっとだけめくった。
う、確かに。
首というか肩というか微妙なところに、しばらく消えそうにないキスマーク。
もちろんつけたのは俺。
しかもヒョク白いから、けっこう目立っちゃってる。
「あとって、なに?」
当人はひとりキョトン顔。
「ドンヘヒョンががっついちゃった証拠がしっかり残ってるんですよ?」
「証拠?」
「いいよ! ヒョクの衣装俺が選ぶから!!」
分かってないならそのままにして!!
俺怒られる!!
「ここ・・・くっきりついちゃってます。キスマーク」
「・・・き、キス、マーク?!」
キュヒョナをほどく勢いでヒョクは飛び起きた。
俺を振り返ってきっと睨む。
「え・・・と・・・、おはよヒョク」
「おはよじゃない!! バカ!!」
「ホントですよねー。バカですよねー」
キュヒョナはのんびりした口調で混ざってくる。
でも俺はそれどころじゃない。
「ヤダって言ったじゃん! いつつけたの?!」
「ヤダって言いながら良さそうだったから・・・つい・・・」
「ヒョクチェヒョンも夢中になっちゃったんですねー」
「ち、ちがッ!! なってない!!」
「でもヒョク。もっとって言ってたもん」
「欲張りさんなんですねー」
怒られたくなくて一生懸命答えてたら、ヒョクの顔がみるみる赤くなってった。
しまいには涙まで浮かべて。
「ドンヘとなんてもうしない!! 出てけッ!!」
「なんで?! ヒョクぅぅぅ!!」
「ドンヘヒョン、アンニョーン」
バシバシ背中を叩かれてグイグイ押されて。
部屋から出されていく俺に、キュヒョナがいい笑顔で手を振る。
打倒ブラックマンネ!!
なのはなにも変わらないようだ。
リビングの床でうなだれる俺の頭を、リョウクがグリグリ撫でていった。
「ドンヘヒョン、ドンマイ」
End...
3/3ページ