いちごみるく ※



「うん、うん。分かった、ヒョンもね? うん。はーい、じゃあ夜にね」

KRYの3人を送り出しててきとーにご飯を食べていたら、ソンミナヒョンから電話が来た。
ヒョクは飛びつくみたいに出て大事そうに携帯を抱えて話していた。
・・・・・・ひとりで眠れなかったのはヒョクもだったのかも・・・
今度こういうコトがあったら(ない方がいいけど)、俺がヒョクについてよう!

そんなコトを心に決めて最後の一口を頬張った。
通話を切ったヒョクはニコニコ俺に向き直る。

「点滴打ったらすっかり元気だって!! もういつものヒョンの声だった」
やっぱりいくらトゥギヒョンに言われるより、本人の声が一番安心できる。
「そか、良かった・・・」
安堵の溜め息がふたりの間を流れる。

「でも、大事を取ってこれから検査するから、今日の練習中止なんだって。予定空いちゃったね」
「じゃあ自主練でもしよっか」
「うん! 俺らのソロパート合わせよー」
ヒョクはやっとチカラの抜けた笑顔になった。
キュヒョナもいないしようやくヒョクのこと独り占めできる!!

・・・・・キュヒョナ・・・あいつ・・・
ヒョクのコト気に入ってんのは知ってたけど、最近こっちの階じゃいつもあんななんだろうか?
なんたってソンミナヒョンがホントにむしろ乗り気なら、それほど怖いものはない。
キュヒョナはともかく、ヒョクはソンミナヒョンには心を許しまくってるもん・・・
雰囲気に飲まれて、3人でしちゃう図も想像できてしまう。

そんなのダメだ!!
俺とヒョクは、まだホントにはひとつになれてないのに・・・
限りなくしたようなもんだけど。
でもまだホントの意味では繋がってない。

「チョコたべてからでいーい?」
俺の脳内と正反対に安心したヒョクは能天気。
まあ確かにそれはうまいけど。
リョウクが置いてったなんかチョコパイみたいなお菓子。
もぐもぐ、なんだか一生懸命に食べてる。

可愛い!!
こういう光景をいつも見てるんなら、そりゃキュヒョナも味見したくなる。
・・・だんだん、原因はキュヒョナよりヒョクの無自覚さなんじゃないかって思えてきた。

「・・・ヒョク」
「んー?」
目線を合わせたくて呼んでみたら、ヒョクはすぐに顔を上げた。
口の周りにちょっとチョコがついてる。

ふっくらしたヒョクの唇の感触を思い出して自然に手が伸びた。

「ちょっと、こっち」
「な、なに?」
テーブル越しのまま半分立って引き寄せる。
目をぱちぱちしながらもされるがまま近寄ってくれたから、チョコをペロリと舐めとった。
「にゃ!!」
猫みたいな声を出してヒョクはビックリする。

「ついてたの」
「ふ、ふつーに取れよ!!」
「ヒョクに対してはこれが普通」
「・・・な、に・・それ・・・ッん!」

一度触れたら止まんなくなっちゃった。
この唇は魔法みたい。
キュヒョナに味見をさせる訳にはいかないよ。

「ッふ、あ・・ッ」
舌を滑り込ませてかき混ぜたら、ヒョクはだんだん脱力しはじめた。
くすぐるみたいにするとピクピクする。

こんな反応はすっごい嬉しいし可愛いけど・・・
同時に不安だ。

ヒョク自身にその気がなくたって、誰かにこうされたら呑まれてしまうんじゃない?
しかも誘ってるように見えるようなことを自覚なしにするんなら。

・・・・・なんだかちょっとだけ、暴力的な気分になってきてしまった。
誘いこんだ薄い舌に軽く歯をたててみる。

「ッ・・・ッん!!」
そうするとぴくっと大きくヒョクの体が跳ねた。
ああ、やっぱり危ない。
でも、俺自身がそんな反応に惑わされてるのも事実で。
やばい、かも・・・

ヒョクはテーブルに手をついて脱力した体を支えてる。
素早くその背後に回って、後ろからぎゅうっと抱きしめた。

「ヒョクチェ・・・」
そうして耳に息を吹き込むみたいに囁くと、
「ッ、ぁ・・・」
完全にヒョクのスイッチが入る。
こないだ知ったばっかだけどさ。

「耳、イイの?」
「ち、が・・・ぅ」
「こんなに感じやすかったら、大変じゃない?」
「・・・全、然ッ」
強がりもただ可愛いだけ。
でもそう思われてるってヒョクは知らない。

「気をつけてよ・・・」
「な・・・に?」
「襲われるよ?」
「な、・・・誰に?!」
「周りのヤツ」
「・・・ッ、そんなワケない、じゃんッ」

こんなトコもイイんだ。
首の後ろを舐めあげたら、仰け反りながら答えた。

「だって、こんなん着てさ・・・」
「ふつーじゃ、んッ・・ぁ、イヤ!」
あの白いシャツのまんまなんだもん。
ほら、簡単に手入っちゃう。
するっと胸を撫でるとヒョクは体を揺らした。

「俺は心配なの。うかうかしてらんない」
「ひゃ!・・んッ」
太ももを通ってそこまで。
たどり着くとヒョクはすごい可愛い声を上げた。
まだくすぐるみたいな動きしかしてないのに、ちょっと反応してる。

「どうなってるか、わかる?」
「わ、かんない!! やッ、やだ!!」
「じゃあわからせてあげるね?」
「やだってばぁ!! ん、あッ」
右手を取って自分のを触らせた。
怖気ずくように引っ込めようとするから、手を添えて押さえ込む。
そのままヒョクの手越しにグリグリする。

「んんーーー!!」
顔は見えないけど耳がまっかっか。
きっと本人は顔から湯気がでそうな思いをしてる。

「ねえ、こーゆーコトされたらすぐ気持ちよくなっちゃうんでしょ?」
「され・・・ないもんッ、こんなの、ドンヘだけ・・・、ぅあッ」
そうかな・・・
そう思ってるのはヒョクだけかもよ。

早く、俺のものにしなくちゃ。

「じゃあ・・・証明、して」
「・・え?・・ッひゃう!・・」
するり、邪魔していた布を剥ぎ取って、直接握りこんでみた。

「俺の手だから気持ちいいって、言って」
鼓膜に直接響くように、一番近くで語りかける。
触れてる耳がすごく熱い。

「そ、そんな・・・の・・・」
ああ、恥ずかしくてたまらないんだろうな。
その表情も見たいけど、まだ捕まえてなくちゃいけないから。
そのうちとろとろになるまで。

「言えないの? ねぇ、キュヒョナに触られてもこうなるの?」
「な!・・・なんない、よ!!」
「わかんないじゃん。俺の目の前で触られてみる?」
「ヤダ!! 絶対イヤ!!」
「なら、ね? 言ってよ」
「・・・・・ぅ・・・・・」

せめて言葉くらいちょうだい。

躊躇う沈黙のあと、
「・・・・ドンヘ、が・・・触るから・・・きもちい・・・の。俺・・」
肩ごしに振り返って、わざわざ俺を見上げてつぶやいたヒョク。
恥ずかしさからなのか、目にはいっぱい涙を溜めて。

・・・・・・・・う、わ・・・ヤバイ。
自分がお願いしておいて、破壊力にいっそ戦いた。

「ひょ・・・く」
「!! ん、あ!! ゃ!やぁ!!」
たまらなくなって、握ってるヒョクのを大きく上下に擦ってしまう。
その先端は泣いてるみたいに蜜を零し始めた。

「言えたね? いい子・・・じゃあ、進めてあげる」
「・・・や、いい・・よ、ゆっくりでッ」
「そう? 焦らされたいのヒョクは?」
「ちがうぅッ、んんッ」
さっきから全然違くないくせに。
でもまぁいいや。
焦らしてる余裕は俺の方がなさそうなの。

とめどなく溢れてるヒョクの蜜を、自分の指にたっぷりまとわせる。
ヒョクったらそのあいだもふるふる震えてる。
先の方が弱いみたいだね。
俺とおんなじ。

「ねぇ、俺ベンキョ、したよ・・・自分で」
「え、・・な、にッ・・う、あぅッ」
くぷり、音を立てて中指がヒョクのナカにゆっくり潜っていく。
「もっと、ね、先に指で広げてあげなきゃいけなかったの」

こないだ、できなかった理由を俺なりに突き止めた。
・・・・・・・っつってもネットだけどさ。
指一本で入口は開くワケなかったみたい。
少しずつ、増やしてあげないと。

でも、
「ンッあ、ああッ・・ヤ!!・・・」
感じやすいヒョクは中指だけでイケちゃいそうだ。
「ヒョクのえっち。まだダメだよ?」
「わか・・って、る!!・・ばかッ」
分かってるんだ?
気を抜いたらイッちゃいそうって意味になるけど?
じゃあ、ナカのイイとこはちょっと避けてあげる。

そうしてしばらくかきまわしていたら、少しだけ余裕ができてきた気がした。
「増やすよ? いい?」
「ぅ、んッ!! く、は・・・はぁ!!」
入った、なんとか、人差し指も。
粘膜のほうはびっくりしてるみたいで、なんだかすごい蠢いてる。
でも、ヒョク本人は、ただ声に艶が増していくばっかり。
この調子なら、大丈夫そうかな?

「もう少し、頑張ってね?」
「ひゃあ!!・・はッ、あ、ああ!!」
薬指まで滑り込ませたら、ヒョクは急に背中をしならせた。
「だ、め・・・だめぇぇぇ!!」
3本になると、どうしてもソコに当たってしまうみたい。
後ろからくっついてる俺には、ぴくぴく反応するのがよく分かる。

「ヒョク・・・一回、イく?」
「ん、うんッ、も・・・きちゃ・・うッ」
きりきり、ヒョクの手がテーブルをひっかく音。
俺は埋め込んだ指を、3本ともばらばらに動かしてみた。
「・・・ッ!!!」
次の瞬間には声もなく弾けた。
カクンとヒョクの膝が落ちて、その拍子に指が抜ける。

立ってるのはもう無理っぽいかな。
テーブルに縋り付いて必死に息を吸ってるヒョクの髪を梳く。
あーあ、たくさん散っちゃったね。
まあいいや、後で片付けるよ。

それよりもっと、進みたい。

「どんへ・・?・・・ぅにゃ!!」
脱力した体を引き上げて横抱きにした。
また軽くなったんじゃないのこの子。

「や、・・・おろして・・・」
なに言ってんの。
「足、フラフラじゃん。誰もいないしいいでしょ」
「ぅ・・・」

あんなに乱れた後でもこんなコトで赤面する、そんなトコも好き。
なんだか顔が緩んじゃって、ヒョクに胸をポカポカ叩かれた。





リビング側のソファにヒョクを降ろして、そのまま覆いかぶさった。
「ここ・・なの?・・ねぇ、・・・んッ」
不安そうに揺れる瞳にちょっとだけ笑いかけて唇を塞ぐ。
ヒョクは舌までふにゃふにゃに力が抜けてる。
すごく簡単に絡め取れた。

「・・ふ、ぅッ・・ッ」
合間に溢れる吐息が熱い。
ああ、俺だってイロイロ熱いんだよ?
いちばん温度が上がってるトコロをヒョクのおなかに押し付けた。

ぴくん。
その途端、ちょっと大きな震えがヒョクから伝わる。
未遂の時から思ってたけど、こういう反応はすごく期待してるみたいに見えるよ?

「えっちな反応・・・」
「ふ、え・・・?」
酸素不足でぽーっとしてるヒョクはよくわかんないって顔をしてる。
説明してあげてもいいけど、きっとめちゃくちゃ恥ずかしがって否定するんだろうな。
そういうトコも見たいけど、また今度。

「・・・ねぇ、もう・・・入れたいな」
とびきり甘く囁いた。

「あ、う・・ん・・・」
おもいっきりぎこちなく答えるヒョク。
こないだ痛い思いをしたんだから怖がってもいい場面だけど・・・
ヒョクの放つ空気に恐怖心は全然混ざってない。
ひたすら期待と羞恥だけ。

ホントに入れちゃうよ?
ああ、想像しただけで感動しそう。

震えそうになる指で内心焦りながら自分の下半身を晒した。
俺のほうは準備なんてもう、いつの間にかできまくってる。
快感を欲しがって揺れる切先を、ヒョクのそこに当ててみた。

「ひゃッ!んッ・・」
びっくりしたみたいな声を上げてヒョクが戦く。
「ヒョク・・・いくよ?」
耐えるように唇を噛んだままこくこく頷く様子が、すっごい愛しくて。
衝動的に突き進んでしまいたくなってぐっとこらえた。

「あ!・・・あ、あ、あ!!」
「う、わ・・」
前回は固く閉ざしてたはずの入口は、戸惑いながらも開いてくれた。
一度そこを乗り越えたら、ナカはむしろ引き込むような動きをしてる。
ヤバイ・・・こんなの知らない。
初体験の時より何倍も感動してる。

「んんーッ!!・・く、ふッ」
「ヒョ・・ク・・・痛く、ない? だいじょぶ?」
「ん、ん!、へ・・いき・・・ッ」
呼吸の合間にヒョクはそう言ってくれるけど、やっぱりちょっと苦しそうだ。
痛い思いだけはもうさせたくないよ。

ヒョクが少しでも眉を顰めたり息を詰めそうになる度、俺は進むのをやめた。
力を抜いてくれるまでできる限り優しいキスをして、緊張が解けるのをいくらでも待ってからまた進む。
そんなやり方で時間をかけて、やっと最後まで埋め込んだ。

「ヒョク・・・全部、入ったよ・・?」
「う、んッ、す・・ごいッ・・・いっぱい・・」
う、わ・・・
そんな台詞、ぎゅうぎゅう締め付けながら言わないで。
ヒョクのナカ、すっごいんだもん・・・

「つながって・・る・・・・すごい・・・」
視線を落とすと見えるその光景にくらくらする。
「見ないで、よぉ!!」
「じゃあ俺はもう見ないから、ヒョクが見て?」
「い、意味わかんな・・・、ヤだよッ!・・ふあッ?!」
俺のをこんなに飲み込んでるって、目でも自覚して欲しい。
催促するように一回だけほんの少し腰を揺らすと、ヒョクの目に溜まってた涙がひとつ零れた。

「ね、ヒョクチェ。お願い・・・」
「ぅ・・・、ん」
戸惑ってる瞳を捕まえて懇願したら、真っ赤な顔で頷いてくれた。
おそるおそる視界を変えていく。

「ほら、奥まで・・すごいでしょ? ヒョク頑張ったね?」
「・・・ん、・・」
微かな返答が可愛くて、髪に口付けた。

「・・・・・れ、し・・」
と、これまた消え入りそうな声でヒョクがなにか呟いた。
「ん? なに?」
「・・・うれし・・俺、やっとドンヘと・・・できて・・・」
どっくん。
欲情と違うところで心臓が跳ねた。

へにゃっと目を細めて言ったヒョクのその表情を、俺は一生忘れないと思う。
子供みたいにキュヒョナに嫉妬してたちっぽけな部分が、いとも簡単に飛んでった。
どれだけ夢中にさせるの。
好きすぎてもうおかしくなりそう。

「死ぬまで、ずっと好き・・・」
「・・な、んだよ・・・急に・・」
勝手に俺の唇から溢れた言葉にヒョクが照れる。
ああ、もう・・・
「心が先にイっちゃいそう」
「・・・・・なにそ・・れ・・、変なの・・・」

鼓動がうるさくって自分でもよくわかんないの。
いろいろ爆発しちゃいそう。
助けて・・・

「ヒョク・・・動いて、いい?」

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