Hide and XXX ※
「おっし、休憩ー」
ラストスパートをかけて、満足したらしい。
ヒョクは豪快にドリンクをごくごくと飲んでいる。
大きく上下する喉の突起と、そこを流れる汗。
俺はペットボトルに口をつけるフリをして眺めていた。
「さすがにマックスはキツいやー」
隣のランニングマシーンに走らされていた俺は、もちろんマックスになんてしなかった。
だって、そんなホンキで走って余裕をなくしたら意味がない。
もともと運動が好きで。
ストイックに自分を追い詰めるのも好きなヒョク。
ジムに来たなら来たで、そうやって満喫するのはわかってた。
俺は盗み見をするのに忙しい。
だって。
その白い肌に汗が流れるのを、見るのが好きなんだ。
ステージ上で熱いライトに照らされてる時とか、大変なんだから。
「次、ヒョク、あれやろ」
「お前元気だなー」
エアロバイクを指差すと、ヒョクはそうやって笑いながらもついてきてくれる。
俺は斜め後ろに陣取ることを決めた。
そこが一番長い時間見ていられるもの。