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Mammy's boy ※





さらさら、シーツが擦れる。
ひさしぶりに湿度の高くないさわやかな朝。

先に目を覚ました僕は、くっついて眠るキュヒョナの顔を見ていた。

憎らしいなぁ、もう。
僕の傍で、こんなに無防備に眠るくせに。
オンマから電話がかかってきたら、僕は太刀打ちもできない。

「・・・ん・・」

綺麗な顔を崩したくなっちゃって、きゅっと鼻を摘んだ。
怪訝そうに眉が寄ったと思ったら、ぱたぱた瞬きが繰り返される。

「おはよう、キュヒョナ」
「あ・・、おはよう・・ございます」

半分しか開いてない瞳に、それでも僕が映る。
意外と楽しそうな顔してる。
自分を客観的に判断して、キュヒョナのほっぺをつっついた。

「ねえ、思うんだけどさ・・・」
「はい」

ふわふわに寝癖がついた髪を、気だるそうに手櫛で直してる。
微睡みから抜け出したばっかのキュヒョナに、語りかける。

「いっそ、交代もアリだと思わない?」
「なにがですか?」

ぽやんと見つめ返される。

「だから、キュヒョナが僕に抱かれてみたらどうって、聞いてんの」

ぱちん。
一回きゅっと目を閉じてから、キュヒョナは全開におっきくした。

「だだだ、だめですよ!!」

慌てふためいて、珍しく吃ってる。
しっかり目が覚めたみたい。
よかったじゃん、寝起き悪いんだから。

狙った通りの反応が、僕は嬉しくなっちゃった。
くすくす笑っていると、力の抜けた溜め息が聞こえる。

「笑ってる場合じゃないですよ」
「可愛いの」
「こども扱いしないでください」

結局寝癖が直ってない髪を撫でる。
キュヒョナは、拗ねたみたいに斜め下に視線を逃がす。

その仕草、結構可愛らしく見えてるの、知ってる?
溺愛するオンマの気持ちも、わかんなくもない。
こんなところを見ていると、なんとなく庇護欲っぽいものが湧いてくる。

だけどさ、キュヒョナは僕のだから。

「だったら。そんな気なくさせてよ、今夜、ね?」

首を傾げてみせると、ふわっと耳が赤くなる。
そんなちっちゃな証拠たちが愛しいから。
まあ、いっか、なんて思っちゃったりして。

僕だけをみてくれる日が遠くても。






End...
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