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晩夏の天敵とアイスクリーム ※





ポタ、ポタ・・・
冷たい雫が肌を伝う。

後ろに手をついて座っている俺からは、よく見えてしまう。
太ももに垂らしたものを、丁寧に舐めているドンヘの様子が。

背中の刺されたところが擦れないようにって。
それでこんな体勢にされたけど、この視界は困る。

だからといって目を瞑るのは悔しい。
シーツを握り締めながら、ドンヘのすることを一部始終見ていた。

「今までたべたアイスのなかで、一番・・・おいしい」

あっつい息を吐いてドンヘがつぶやく。

「こん・・な・・、どろどろ・・なのに、かよッ」
「だってヒョクの温度で溶けたんだもん」
「どう溶けたって・・、味は一緒だよ・・」
「ぜんぜん違うよ」

顔を上げたドンヘが、唇の周りについたぶんをペロリと舐めた。
彼の癖みたいな仕草なのに、こんな時だけズクンとくる。

自分の内側のキモチがよくわからない。

溶けかけてるとはいえ、アイスを肌に垂らすなんて。
冷たいし風邪ひくかもしれない。
そう思うのに、ヘンな空気に呑まれていってしまう。

「こっちも、食べたいな・・・」
「・・・あッ?!・・んッ」

性器のところに走る刺激。
初めての感覚に脳がパチっと弾けたような気がした。

「ん・・、んー」
「冷た・・いッ、や・・だぁッ!!」

ドンヘはアイスを塗したそこにしゃぶりついてる。
一瞬で冷えた皮膚が、すぐに熱い舌で宥められた。

それは、苦痛になってしまうほんのすこし手前の快感。
ギリギリのラインすぎて怖い。

後ろについていた手の力が抜けた。
ぼふんと枕に支えられたときに、ひときわ強く吸い上げられて。
反射的に腰を突き上げてしまう。

「ん・・・、おいし・・よ」
「あ・・あッ・・、手加・・減、して・・ッ」

そこの神経が過敏になってる気がする。
妙な温度差のせいでおかしくなって、下半身の動きが止められない。
まるで、もっとほしいってゆってるみたいじゃん。

思い通りにいかない悔しさと、どうしようもない恥ずかしさで、目の裏が痛い。
ぶわっと溢れた涙で目の前がぼやけた。

「や・・ばい・・」

そんなぼわぼわの視界のなかに、ぽつりとつぶやいたドンヘが現れる。
そのままあっという間に覆いかぶさってきた。
かちゃかちゃ、下の方で音がする。

「ヒョク・・・ごめんね?」
「な・・に?」
「がまん、できないや」
「・・・ひあッ?!・・・んッ・・うー!!」

ぐいっと押し付けられた。
まだ受け入れたわけでもないのに、俺の体は勝手に反応する。

そんなにぴくぴくしないで。
ドンヘにバレちゃう。

「こう・・してたら、入るかな・・」
「擦る・・なぁッ!! だ・・め・・!!」

溜まってく一方の疼き。
だけど、慣らしてないから入らない。
入り口を滑る感触は、焦らされてるみたいで苦しいんだ。
そのせいで逆に力んでしまって、ますます焦れることになる。

「ヒョク・・・ヒョク・・・、リラックスしてよ」
「・・・ふ・・、あッ、む・・り・・」

勝手なことゆうな。
俺にはどうしたらいいかなんてわかんないよ。

「むりじゃないでしょ。ね?」
「あ・・、んう・・ッ」

カップのからからって音が聞こえると思ったら。
アイスを纏って冷えた中指が口内に差し込まれた。

「おいしいでしょ。ヒョクも味わってよ」
「・・・く・・ふッ・・ッ」

熱い杭を押し付けられながら、冷たくて甘いものを与えられる。

ねえ、チョコレートって・・・
なんかそういう成分入ってる?
なんでこんなふにゃふにゃしちゃうんだろう。
ワケわかんない。

鼻に抜けていく濃厚なカカオの匂いが、いやがおうにも脱力させる。
最初からそのつもりだったんじゃないかってくらい、ドンヘの為すがままだ。

俺はだんだんと、ひらかれる。

「う・・あッ、・・・入・・る・・・ッ」
「あーッ!! 早・・くぅッ」

ここまでくるともう無我夢中。
だって心臓が壊れそう。

初めてした時みたいな異物感に苦しみながら、それでも。
俺の器官はドンヘを受け止める。

「あ・・、ひょく・・ひょく・・・ッ」

呼ぶな、バカ。
そんな一言さえかたちにはなってくれない。

「あ・・あ・・ッ、ひ・・んッ・・んッ!!」

気が遠くなるほどゆっくり犯される。
1mm進むごとに、物欲しそうな声が出た。

そんなんだから、舌は甘さを感じる取るだけで精一杯。
溶けていくアイスを、飲み込めやしない。

「あ・・、こぼれちゃう・・よ?」

溢れかけたところを、ドンヘの唇に掬われる。
そのままキスされて、チョコレート味に混ざり合う舌を擦られて。

上からも下からも、卑猥な音が出て行く。
耳までやられたらオシマイだ。

もう、知らない。
どうなっても。

心のなかで決めたのに、粘膜を通して伝わった。

一番おくまで埋めきって息をついていたドンヘが、動き出す。

「んあッ!!・・あ・・どん・・へッ、いい・・よぉ・・!!」

揺さぶられて悲鳴に言葉を乗せながら、覚悟した。
理性がアイスよりとろとろに溶けてしまうのを。



 
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