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lovely day ※




「ソンミナヒョン」
「んー、なあに?」

ヒョンはもぐもぐしながら俺を見る。
ヒョクチェヒョンがお店からお土産でくれたクッキー。

可愛らしいものが似合いますね。
目尻が下がりそうになるのを抑えながら言葉をつくる。

「着てくれませんか」
「なにを?」
「ナース服」
「えー?」

くりくりした目が何度も瞬きをする。
俺が突拍子もなく本題を言うようになったのは、この顔が好きだからだ。
まあ、ソンミナはあまり、心からは驚かないけれど。

「ドンヘヒョンが聴診器が欲しいとか言い出しまして」
「聴診器ー?」
「パソコン貸すの嫌だったんで、俺が調べて買ったんですけど」
「ああ、まあねぇ」

ドンヘヒョンは機械を壊すマイナスの手の持ち主だ。
それがわかっているから、ソンミナヒョンは苦笑している。

「ついでに買いました。医療用のちゃんとしたサイトで」
「わう、短ーい」

棚から取り出した白いナース服。
確かに医療用にしては丈が短い。
まあ、そういうのを選んだのは俺ですけどね。

「可愛いでしょう? ヒョンが着てるところ見せてくれませんか?」
「えー?」
「たまにはこういう、お遊びもいいじゃないですか」
「くすぐったいよキュヒョナ」

正面から抱き寄せておでこやらほっぺやらに軽くキスを繰り返す。
ソンミナはくすくす笑って身を捩る。

いつもこうして、じゃれあってそのまま。
お互いの体にすぐに夢中になってしまうから。
ドンヘヒョンたちみたいに、ごっこ遊びなんてあまりしたことがない。

「ねえ、いいでしょう?」
「もー、しょうがないなぁ」

俺の唇にちいさくリップ音を鳴らして、軽やかにソンミナは立ち上がった。

「ヒョン・・・」
「うしろ」
「はい?」
「あっち向いてて? 変身段階は人に見せるものじゃないの」

ひらん、手に取った布を翻してにっこりと微笑む。

「は、はい、わかりました」
「うん。ちょっと、待っててね」

なんだか慌ててしまって背中を向けた俺の髪が、ソンミナの手で撫でられる。

さらさらと衣擦れの音。
こうして見えないようにしていると、妙にリアルで・・・
変に心臓が五月蝿い。

「はい!! 出来た、よー」
「わ、あ・・・」

振り返ろうとする前に、ソンミナが自分で俺の目の前に現れた。
ピョコンと跳ねるような登場の仕方がまず可愛い。

「ねえ、これホントに医療用?」
「俺は嘘はつきません」

純白のワンピースは確かに際どい長さ。
触り心地の良さそうな太ももに、目がいって仕方ない。

「うー、さすがにこの丈は恥ずかしいなぁ」
「心配ないです。間違いなく似合ってますから」
「そお? 白って太って見えない?」
「いえ、ヒョン白もすごく可愛いですよ」

必要以上に口角が上がらないように気をつけないと。
それくらいソンミナは見事に着こなした。

本人が気にするコトはむしろ逆に作用している。
頭のうえに乗っかった帽子も、ベビーフェイスによく相まって。

要するに、たまらないです。

「キュヒョナがそう言うなら、いいけど」

裾のところをもじもじといじりながら、そんなことを言う。
心得すぎですよ、いろいろと。

「・・・じゃあ・・・ソンミナ」

お願いします。
目で訴えたらちゃんと通じたらしく、こくんと頷いた。

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