My Faithful Dog ※


熱くて、ぬるぬる。
ドンヘのそこを、わざわざ俺がしてあげる必要はなかった。
それより早くつながりたいと、ふるふるしてる。

「つらかったら言ってよ?」
体勢を整えながらドンヘが言う。
「・・・・もうすでに色々つらい・・・」
それが本音です。

「ヒョクだけもう2回イってるもんね?」
「・・・ッ・・そ、だけど・・・」
言わなきゃよかった・・・
だけどドンヘの表情は面白がってる訳じゃなく、本当に愛しそうで・・・。
どっちにしろほっぺは熱くなるんだ。

「大好きだよ、ヒョク」
ちゅ、ちゅ、と両方の瞼にキスを落とされた。
優しい仕草に思わずちょっとうっとりしてたら、
「あ・・・ッん!」
ドンヘの先端が俺の入り口を探し当ててピクンとなった。

「・・・いれるよ?」
「う、ん・・ッんん・・ぅあ!!」
・・・って、これ・・・ホントに入んの?

「・・・う、わ・・・」
「んんんーッ!!・・・く、ううッ」
苦しい、苦しい!!
無理やりこじ開けられる感覚に、一瞬で全身が冷や汗にまみれる。

「ど、んへ、どんへッ!!・・ムリぃ!・・苦しッ」
無意識にベッドをどんどん摺りあがってしまう。
いくら濡れていても、物理的に入る気がしない・・・
みんなホントにこんなコトしてんの?!
俺がおかしいの?

「わぁ! ヒョク頭ぶつけるよ?」
ドンヘの手のひらに頭を包まれた。
でも頭のことなんて構っていられないよ。
涙腺が壊れたみたいに、いつの間にか涙もぼろぼろ出てる。

苦しいとムリとドンヘの名前だけが繰り返して唇から出ていく。
あとは悲鳴みたいな声しか。
ゴメンねゴメンね。
受け入れてあげたいのに、なんかうまくできないんだ。
結局入り口で立ち往生のまま、進まない。

「ヒョク・・・」
ぽたり。
あったかい水滴が頬に落ちてきた。
・・・と思ったその時、ドンヘは進もうとするのをやめてがばっと俺に抱きついた。

「痛いよね?苦しいよね? ゴメン、ほんとゴメン・・・」
耳元で聞こえる声に混ざるのは・・・嗚咽?

「ど・・んへ・・?」
「俺、が・・ダメなんだきっと・・・痛くさせてゴメンね?」
肩の辺りがドンヘの涙でどんどんあったかくなる。
ぎゅうぎゅう抱きつきながら謝る様子は子供みたいで・・・
痛みが与えてた恐怖から、俺はすぐに抜け出した。

「俺・・こそ、ゴメン。頑張ろうと、思ったんだけど・・・」
本音でそう呟くと、
「ヒョクは謝んないでいーよ!」
ぱっと顔を上げて真正面から目を合わせられた。

・・・泣いててもカッコイイな・・・
なんて、ちょっとズレたコトを考えたりして。

「恥ずかしがりのヒョクがここまで頑張ってくれたんだもん・・・俺は充分幸せなの」
「う、うん・・」
い、一生懸命見すぎ・・・
ホントに忠犬が主を見る目っぽい。

「でも・・・」
急に下がる眉。
「さすがに・・・このままはツライから、手伝ってくれる?」
「あ・・・」
くりっとふとももに当てられて、途端に顔に熱が集まった。

そうだよね、さっきから俺ばっか・・・
ドンヘのそこは吐き出したそうに震えてる。
なんだか可哀相で・・・だけど、愛しい。

「うん・・・手伝う、よ・・・」
「ヒョク、ありがとお」
ドンヘは目がなくなっちゃいそうなくらいきゅっと笑った。

可愛い表情、また見つけた。





                   *




「・・・聞ーてない!・・こんなのッ」
「手伝ってくれるんでしょ?」
「ッ・・ッ・・ふ、ぅッ」
「すっごいきもちい・・・ひょくぅ・・・」

ドンヘの『手伝い』は俺と意識が違ったみたいです・・・

俺の上に乗っかったドンヘは、そのまま俺のと自分のを擦り合わせて刺激した。
手伝い=奉仕的なコトだと思ってたから、思わず文句が出る。
俺のはもうしなくていーよ!

「一緒・・に、気持ちよく・・・なりたいんだもん」
「・・・もぉ・・・」
近すぎる距離から見つめられてそんなコトを言われて。
照れ隠しに、呆れたみたいに見せることしかできない。

「また、すごい反応・・してるよ? ヒョク・・」
吐息混じりとかホントやめて欲しい。
ただでさえ甘いドンヘの声が、さらに色っぽくなって困る。

「ドンヘの・・・せい・・だよッ」
そう、あんまり熱くて濡れてるもんだから、つられてるんだ。
「マジで?!」
うわ、何?
突然ドンヘは目をキラキラさせた。

「俺のせいでこんなエロっちくなったのー?」
「!!」
やたらヘラヘラした笑顔が憎らしい。
ねーひょくーどーなのーとか言って、ゆらゆら腰を揺らされた。

「・・ふ、あッ!! ばか、じゃないのッ・・」
グリグリ擦れあって、う・・・シャレにならない・・・
「ッぅ・・・は、あ!」
目の前のドンヘの顔が、さらに焚きつけるし。
ちょっと眉を寄せて息を荒げる様子。
ドンヘって、こういう時こういう顔、するんだ。

「どんへッ・・・アッ、あ、ついぃッ」
触れてるトコから溶け合っちゃいそう。
「ヒョクの・・・も、だよッ」
さっきまでと違ってドンヘも余裕なさそうなのが、なんかいい。
俺ばっか恥ずかしくないし!

そう思ったら、
「あ、ンッ・・はぁ、んんーッ!!・・イイよぉ!」
ちょっと箍が外れた。
だってホントによくって・・・。
ちょっとぐらい素直に言ってみたくなった。

「ヤバ、い・・・その、声ッ」
俺の気持ちよさはそうやってドンヘにも伝染するし、
「ん、んッ・・どんへぇ・・・」
そんなドンヘの反応がまた俺を刺激する。
相乗効果って・・・スゴイ。
一気に駆け上がっちゃいそう。

「・・・スパー・・ト、かけて・・いい?」
「んッぅ・・・い、いよ・・ッ」
っていうか・・・俺もそうしてほしい・・・
ドンヘは擦れあうものを手でひとまとめにした。
あの時みたいだ・・・
でもあの時よりだいぶ、イイ。

色っぽい呻きが混じる熱い呼吸が、俺の右耳にずっとかかってる。
それさえ快感としてばかり、勝手に体が変換する。

「もうッ・・・限界・・・」
一際大きく動いた後、ドンヘがそう零した。
「あ、あッ、俺もッ!!・・・」
一緒に連れてって。

「あ・・ひょく・・・ひょくぅ!!・・ぅあ!!」
ドンヘのが脈うつのが分かった。
その途端俺のも、呼応する。
「んんッあ!・・あ、あ、あ、ダメぇぇぇぇ!!」
ふたりぶん、俺のおなかと胸にいっぱい飛び散った。




  *




「・・・エロすぎてどうしたらいいかわかんない」
「知るか!! どうもすんなよ、もう寝てろよ」

ほぼ同時に達したあと、俺の横に突っ伏してたドンへが呼吸を整えて体を起こした。
そしてべとべとの俺を見てたっぷり5秒ほど固まってからの、この台詞。
しかもやたら真剣に。

「すごい一生懸命見たら、こう、脳に焼き付いていつでも鮮明に思い出せたりしないかな」
「・・・だから見んなってば!」
「じゃあお願い一枚だけ写真・・・」
「ばか!!」

さっきまでの色っぽさはどこいったの。
あっというまにパボドンヘ再来。

「・・・・・・・ちゃんとキレイにしないと抱きしめらんないじゃん」
ぼそり、呟いたら今度は10秒くらい見つめられた。

恥ずかしくなって目を逸らしたくなる一瞬前、
「・・・ホント次頑張る俺! せっかくヒョクとこーなれたんだし、さ」
ドンヘはやたらキリっとした表情で言った。

「頑張れば・・・」
「うん!! ヒョクが一晩で何回イケるかとか気になるしね!!」
「・・・・・・・一回死ね!!」
「なんでー?! ヒョクもそれ知りたくない?」
「今すぐ死ね!!!」
「うぎゃ! 痛い痛いよーヒョクぅぅぅ!!」

思いっきり耳を引っ張ってやった。

そんな憎まれ口を叩きながらも、『次』を否定することはできない自分に実は戸惑っていたりして。
あんなに怖くて痛くて恥ずかしい思いをしたけど、どっか心があったかい。

そんな風に思ったところでホントに次うまくいくかわかんないけどね。
でも・・・まあ、ほら、ドンヘだし。

・・・・・・・・・いっか。

「・・・・かっ・・可愛いぃぃぃぃ!!」
笑ってみせたらまた抱きついてきて、ぐちゃぐちゃの体は結局さらに汚れる。

「・・・ッ、だから~!! もう!バカドンヘ!!」

学習能力のない俺の忠犬は、また俺に怒られた。


 
End...
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