I'm Yours※



「ドンヘ・・・」

優しく鼓膜に滑り込む。
世界がどうなっても、この声だけあればいい。

半分くらいだけ頭は目覚めたけど、まだ体は動かない。
ふわふわした意識のなかで、触れてるヒョクチェの体温を一生懸命に感じ取る。

鼻先をかすめる情事のあとの濃厚な匂い。
自分でさえ、何回出したのかよくわからない。

時間の感覚なんてないままめちゃくちゃに貪った。
それでもちゃんと朝は来たらしい。

「ばか・・・」

呆れたような声色。
さすがにちょっと、怒った?

結局ホントに一度も抜かないまんま、立て続けに注ぎ込んだ。
イってる最中にも掻き回したから、ヒョクチェは相当苦しかったはず。

ごめんね?
でも、どうしようもないんだ。
膨れ上がる一方の独占欲を、ぶつけなければ俺は狂っちゃう。

閉じてる瞼の裏にまた涙が滲みそうになった時。

「俺は、お前のだよ・・・ドンヘ」

微かな衣擦れの音と、唇に触れた柔らかい感触。
言葉が脳に届いた瞬間に、完全に涙腺を壊された。

寝てるのに泣いてるなんて変な状況。
目の端からぽろぽろ零れるのを、ヒョクチェの唇が掬っていく。

押し寄せる想いは、津波みたいに俺を飲み込む。
きゅうっと痛くなった心臓を押さえたら、その拍子に瞼がひらいた。

「ヒョク・・・」
「・・・ゆえっつったのお前じゃん。なんで泣くんだよ」

ゆらゆらする視界で、ちょっと困ったように笑う。

ヒョクチェの傍でなきゃ息も出来ない。
そんな錯覚に捕らわれて、俺はヒョクチェを抱きしめた。





End......
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