ボーナストラック ※





「・・・どう・・ですか、ウニョクさん」
「んーッ・・・く、ふ・・ッ」

俺を組み伏せたドンヘが、レンズ越しに見てる。
答えられるわけない。
ぐいぐい押し込まれてる最中なんだもの。

「ねえ、・・ってば・・、どうなの?」
「んんーッ・・ううううー」

下唇を噛んで、首を振るのが精一杯。
挿れながら片手で撮るとか、なんでそんなヘンなことすんの。
恥ずかしすぎて神経が焼き切れそう。

「いい・・よね?・・すっごい、もん」
「や・・だ・・ッ、言う・・な」
「なに、を? ヒョクのなか・・めちゃめちゃやらしい動き、すること?」
「ば・・かッ!!」

どうにもこうにも、裏目に出る。
睨んでやろうとしたって、レンズに見据えられるだけ。

「イイ顔・・・・、たまんないよ・・・」
「ちが・・う・・ッ、イヤだぁッ!!」

その間にもドンヘの熱は俺のなかを進んでて。
粘膜同士が擦れて、ちゅくちゅく水っぽい音を立てる。
どうか、届かないで・・・ドンヘの手元のマイクまで。

「ヒョク、・・・俺・・・ヘンかも・・」
「なんだ・・よッ、それ・・」

ドンヘは急にちょっと不安そうにつぶやく。

今さら気づいたワケ?
だいぶ昔から充分ヘンだよ。

「やだって言われると・・、ゾクゾクするように・・・なっちゃった」

う・・・それは困る。
だって甘えて言ってるんじゃなくて、ホンキで嫌なのに。
ドンヘを喜ばせようとして言ってるんじゃないんだよ。

「もっと・・・ゆって・・?」
「んぅーッ!!・・や、激し・・ッ!!」

一番奥まで埋め終わったドンヘが、そのまま大きく左右に揺さぶる。
内壁をぐりぐりと抉られて、神経がビリビリして。
その音が頭のなかを駆け巡る。

「ああ、やっばい・・・、きゅうって、して・・る」
「ひ・・うッ、だ・・めえーッ」
「ここ、いいんだ・・ね? ヒョク・・」
「やだッ・・や!!・・撮んない・・で・・ッ」

片手で俺の腰を捕まえたまんま、ドンヘはカメラを寄せてくる。
お願いだから、こんなトコ撮らないでよ。

だけど、やだっていくら言っても逆効果。
俺が嫌がる言葉を吐く度に、ドンヘの熱は俺のなかで震えるから。

だったら、もう・・・

「どん・・へ・・、ねえ・・ッ」
「なあに? もっと?」
「カメラ・・・どけて? ドンヘが、見えないの・・・寂し・・」
「・・・・・・ヒョク・・」
「ね・・? 顔・・見せて・・・?」
「・・・・・・ヒョクううう!!」

・・・・・・成功。
いっそ甘えて見せたら、気を逸らせると思ったんだ。

俺が密かに望んだ通り、ドンヘはカメラを投げ出した。
こっちを向き続けてたレンズは、ベッドの上であらぬ方向を向いている。

あ、でも、それはいいけど・・・

「ヒョク・・・ヒョク・・・」
「あああッ!!・・ちょ・・ッ、強・・い、よおッ」
「だって・・なにそれ、可愛すぎ・・・」
「ひ・・んッ・・あ、あ、ああーッ!!」

予想したよりもドンヘは夢中になってしまった。
ほとんど暴力みたいな動きでかき混ぜられて。
結合部から漏れる音が、途方もなく卑猥なものになっていく。
耳を塞ぎたいけど、ドンヘは俺の肩をしっかり押さえてて叶わない。

「あー、もう、出したい・・・」
「あッ!!・・そんな、奥・・・ダメ!!」
「うそ・・つき、イイ・・くせに。も、手遅れ・・だし・・・」

ドンヘがぐんっと突き上げた拍子に、枕元に転がってたカメラが俺のほっぺに当たる。

・・・・・・聞いてるよって、言われたような気がした。
映像はきっと真っ暗でも、音声はきっと撮れてる。

ひっきりなしに漏れてしまう声も音も、余すことなくマイクに拾われてる。
そう思った瞬間に、重たいほどの快感が脊椎を駆け上がった。

「ふ・・あ、ああああッ・・や、めてぇ!!」
「わ、なに・・すっごい・・」
「やだ、やだ・・ッ、・・波・・きちゃ、う!!・・・・ん、アッ!!」
「なん・・か、すご・・すき・・・ヒョク・・・、イクよ?」
「んんんーーッ!!・・ダメなの・・にぃッ!!・・やだああああ!!」

スプリングを弾ませて俺は絶頂へと飛んでしまう。
ぎゅうぎゅうに締め付けた内壁が、暴発したドンヘの粘液を貪欲に搾り取ってるのがわかる。

その液と同じ色に染まっていく意識に、呑まれてく。
大きく息をついたドンヘを胸に乗っけて、気を失うように目を閉じた。


 
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