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教えて。 ※




「・・・ん」
高い体温がむずがる気配で目が覚めた。
ゆっくり瞼を持ち上げると、リョウクの顔が目の前に見える。

「ヒョンー」
なんだか涙目。
なんで? どっか痛い?

「どした?」
まだ緩慢な動きでそのほっぺをさする。
そしたらリョウクのウサギみたいな目は、さらにうるうるとしてきた。

「僕・・・もっとしたかったのに、寝ちゃったんだ・・・」
「え? あ、うん・・・」
すっごい悲しそうにそんなことをつぶやく。
もっとしたかったって、なにを?
僕との『レッスン』を?

「ソンミナヒョン・・・」
「なあに?」
僕のシャツの端っこをちょこんと掴む。

「ちゃんと、卒業するまで教えて。ね?」
懇願が見え隠れする瞳でリョウクは言う。

卒業・・・?
そうしたらリョウクは追いかけてる人のところに行っちゃうんだろうか。
それはなんか、やだな。

・・・・・・だったら卒業、させなければいいじゃん。
僕の頭のどこかで、そんな声がする。

それで初めて気づいた。
僕はホントは、『レッスン』抜きでリョウクに触りたいのかもしれない。

「・・・・・・僕は、厳しいよ?」
「はい、知ってます」
こっくん、頷いて僕をまっすぐに見るリョウク。
出来のいい生徒の顔をまたしてる。

気づかないでね。
浮かべた笑顔の後ろで、僕がこんなコトを考えてるなんて。

「じゃあ、教えてあげる。最後まで」
触れていたほっぺをきゅっとかるく抓った。
くすぐったそうにリョウクは笑う。

「お願いします。ソンミナヒョン」
そんな綺麗な顔で、なにをお願いしたのかわかってるの?
ほんのすこし意地悪な気持ちを抱えながら、僕は小さな唇に口付けた。



End....
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