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「ごめんなさい!!」
ヒョクチェヒョンが目の前で小さな頭を下げている。

「そんなつもりなかったんだけど・・・気づいたら・・・消えてて・・・」
俺のノートPCを抱えて、やたらと不安そうな声を出している。

帰るなり俺を捕まえて、なにやらごにょごにょ言うから何かと思ったら。
どうやらデータをひとつ、間違えて消してしまったらしい。

試してないからまだわからないけど、多分履歴を漁ればどうにかなると思う。
思うけど。

「あの・・・、なんか大事なヤツだった?」
この人は不思議なほど嗜虐心を誘う。

ふと、脳裏を過ぎった思いつき。
もしかして実行できるんじゃないだろうか。
素早く諸々の計算をする。

「うん・・・ちょっと困りますね・・・」
我ながらちょっとわざとらしいかもしれない。
眉を下げてヒョンを見据えたら、ふにゃっと悲しい顔をした。
泣くかと思うような。

「・・・ホントごめん、俺にできることなら・・・なんでもするから」
じゃあ今すぐ泣いてください、なんて思わず口をつきそうになるのを我慢して。

「だったら、欲しいものあるんでお願いできますか?」
無邪気に見えるように努力して、微笑む。
そうしたら、少しだけ安心する瞳を確認した。

「いいけど、値段だけは教えておいてよ」
真剣にそんなことを言っている。
新しいPCとか、ゲームあたりを予想してるんだろうな。
欲しくなくはないけど、それじゃ楽しくないじゃないですか。

「お金なんてかかりませんから」
「え? そうなの? 俺になんかできることある?」
「はい。とりあえず明日、夜ここにまた来てください」
「う、うん。わかった」

さっき、言ったら大変なことになる言葉を言ったのに、ヒョンはその重大さに気づいてない。
胸でも撫で下ろしたそうな表情で、とたとた自室に帰っていった。





                 *



「見せてください」
「何を?」
「2人でイケナイことしてるの」
「・・・はあ?!」
並んでベッドに腰掛けたソンミナヒョンとヒョクチェヒョンに、にこやかに伝える。

「その光景が、見たいんです」
「ば・・っか・・・じゃないの?!」
「・・・ふうん」

だいぶ温度差のある2人の反応。
ヤカンが沸騰した音でも聞こえてきそうなヒョクチェヒョンと。
一瞬目を見開いただけですぐ落ち着いたソンミナヒョン。

「だって、なんでもするって言ったじゃないですか」
「あ・・・、う、うう~」
早々に切り札を出したら、明らかに狼狽えている。
わかりやすい人だなぁ。

「仕返し、でしょ。キュヒョナ?」
そんなヒョクチェヒョンを宥めるように撫でながら、ソンミナヒョンは静かに呟く。
「こないだ僕が、あんな電話したから」

さすが俺のソンミナ。
もちろんそうですよ。

ヘウンカップルと一緒になってあんなコトして、その最中に電話してくるなんて。
思いがけない事態に、俺はらしくなく動揺した。
そんな俺を、しかも楽しんでいたような気がしましたけど?

「まあ、ちょっと悔しかったですから」
「いーじゃん、たまにはそーゆートコ見せてくれても」
「イヤですよ。カッコ悪い」
「キュヒョナの意地っ張り。可愛くない」
「本望です。可愛いなんて思われたくないですから」
「・・・・・・・あの、俺帰っていい?」

言い合いを始めた俺たちにオロオロして、ヒョクチェヒョンが遠慮がちに口を挟む。

「ダメですよ」
「だって・・・ふたりでいればいいじゃん・・・せっかくオフなんだし」
「オフだから、楽しみたいんですよ」
「ヒョクチェ、こうなったらキュヒョナは聞いてくんないよ?」

再びさすがです。
わかってますね、俺というものが。

「聞いてくんないって・・・でも・・・」
「ちょっとだけ、しよっか?」
「あ、あの・・・ヒョン・・ッ待って!!」

にこにこしたままソンミナヒョンがぽふんとベッドに倒れこむ。
もちろんヒョクチェヒョンを巻き込んで。

「僕に触られるのイヤじゃないって、言ってくれたじゃん」
「うん、・・・言ったけ・・ど・・・あッ」
耳を擽りながら、うまく論点をずらしていくソンミナヒョン。
ヒョクチェヒョンは触られること自体より、俺の視線が気になるんだろうけど。

「だから、ね? 感じていいよ」
「や、・・んんッ」
首筋に小さくキスを繰り返しながら、ソンミナヒョンはシャツのなかに両手を差し込んだ。
胸のあたりでそれがうごめいて見える。

「そうですよ。俺のことはぬいぐるみだとでも思ってください」
「あんな可愛くないぬいぐるみがいたらやだよねー」
「ん・・・ッ・・あ・・ッ」

ソンミナはまだ俺に対してはご機嫌ナナメなようだ。
だけど、それをエンジンにこんなコトをしてくれてるみたいなので、構いませんよ?
たくさん喘がせてくださいね、ヒョクチェヒョンを。

「ヒョクチェ。こないだよりちょっと、強くしたげる」
「ひゃ、あッ!!・・んー、あんッ」
「痛い? ・・・わけないか。こんなピンピンしてきたもんね?」
「してな・・・ッ、や・・だあ!!」
両方の乳首を摘んでは引っ張ってるんでしょうか。
想像は大いに掻き立てられるけれど、せっかくだから見たい。

「ソンミナ。シャツ脱がせてくださいよ」
「えー、なんかぬいぐるみが喋ったー」
多少わざとらしい口調で答えられる。
なかなか根に持ちますね。
これはこれで楽しいですけど。

「こっちも、触ってほしいよね?」
「・・・ヒョン・・ッ!!・・だ、め!!」
「僕の触り方じゃダメ? よくなれない?」
「うう・・・、そ・・じゃ・・・なくて・・・」

ソンミナヒョンがズボンのなかに手を滑り込ませる。
途端に逃げようとするヒョクチェヒョン。
しきりに気にして、ちらちらと俺を見る。

「集中してよ。触ってるのは僕なの、ヒョクチェ」
「だって・・キュヒョナ・・が・・・ッ」
「可愛くないマンネなんて気にしなくていいの」
「でも・・見て・・るッ・・・あ、うッ」

ヒョクチェヒョンは体をくねらせて刺激を避けようとしてるらしいけど。
どう見たってむしろ誘ってるようにしか見えない。
すぐに開き直るソンミナと違って、無自覚マゾヒスト。
恥ずかしさが快感に変換されることに、下手したら気づいてない。

「はい、見てます。ソンミナの手、気持ちいいでしょう?」
「・・いい・・けど・・・、イヤ・・」
「どっちですかそれ」
「どっちも・・・だよ・・・、どうしよ・・・あッ」

どうしようはこっちの台詞ですね。
すぐに見てるだけじゃ色々我慢できなくなりそうです。

「感じていいって言ったでしょ? 迷わないでよ」
「あ、ああッ!!・・ちょ・・と・・ッ」
「なあに? ここがいいんだ?」
「・・・ドンヘ、呼ん・・でぇ!!・・お願・・・ッ」

ソンミナヒョンが上下する動きを大きくする。
恋人の名前を口にした瞬間に、ヒョクチェヒョンは涙を1粒零した。

「やっぱりイカされるのはドンヘがいいんだ? 僕じゃダメ?」
「あとで・・・どうな・・か・・、怖い・・のッ」
「まあねー。僕殺されるかも」
ソンミナヒョンはわざと身震いして見せてから、俺をじっと見る。
はいはい、わかりましたよ。
俺は黙って携帯を取り出した。

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