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星に願いを ※





「今夜、流星群が見れるんだって!!」
「へえー」
「今回のはけっこうスゴいらしいよ!!」
「そうなんだぁ」
「ツレないよヒョクチェ!! 一緒に見よーよ!!」
「うー、寒いもん・・・」
「リョウクにココア作ってもらうから。ね?」

しばし沈黙。

「・・・そんなにスゴいって言うなら仕方ないなー」
ココアに釣られたくせに。
スナオじゃないの。





           *




そんなワケで。
ホカホカの絶品ココアをズビズビやりながら、ヒョクチェと星を見に出ているのである。
まあ、寒くないこともないけど、田舎育ちの俺だもん。
ヒョクチェが隣にいれば、いつだって暑いくらいだし。

「こないだのサッカーの試合さぁ」
「あ、あれ? すごかったよなー」
「うんうん、あんなプレーできたら楽しいだろーなぁ」

たわいもない会話をしながら、澄んだ夜空を見上げる。
ああ、幸せー。
ずっと朝が来なかったらいいのに。
・・・いや、それじゃさすがに凍えちゃうか。

「あ! 落ちた!!」
「ええ?! どこどこ?」
「あれ! あ、もう一個!!」
「えー、俺見逃してばっかー」

調子よく流れ星を見つけるヒョクと違って、俺はちょうど見てないトコで落ちる。
ツイてないー。

「ドンヘはキョロキョロしすぎなんだよ。一箇所集中して見てみ」
「うー、今度こそー」
目を大きく開いて気合いを入れた。

「おっきくしても意味ないよ・・・?」
「や、でもなんか、キモチ的に・・・あ!」
懸命に夜空を見つめたら、一筋すーっと落ちるのが見えた。
やった!
願い事!!

「ヒョクチェにネコ耳が生えますよーに!!」
「・・・・ばか?」
なんだよ、真剣だよ!!
どんだけお願いしてもカチューシャさえしてくれなさそうだから。
だから星に願いをかけたのに。

その後も見つけるたびに俺は想いを込めて願い続けた。

「リョウクー、おかわりちょーだーい」
「ヒョクチェ!! 飽きないでよ!!」
「だって、もう寒いよ。部屋入ろうよ」
「俺は寒くないもん」
「嘘つけ。冷たいよ?」
ヒョクチェは俺のほっぺを両側からぎゅーっと挟む。

「ヘンな顔ー」
くしゃっと笑われてトクンって心臓が鳴った。

「ヒョク・・」
「ん・・、なんだよ・・急に」
不意打ちして小さくキスしたら、ほわんって顔が赤くなった。
可愛い俺のヒョクチェ。
もっと可愛いとこが見たいなんて、欲張りなのかな。

でも・・・
見たいもんは見たい。
願うくらいタダだもん。
バチは当てないでね、神様。


 
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