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あたしのご主人様。 ※




『ある意味尊敬するかも』
『そーおー? きにしたってしょうがないよー』
『飼い主が逆だったらと思うと、恐ろしいわ』
『ボクはヒョクチェさんでもいーなー』
『あたしはイヤよ!! ドンヘなんて絶対!!』

頭のトコがぐちゃぐちゃに毛並みが乱れてる。
なのに当のパダは、呑気にあくびなんてしてる。
器が大きいんだか、ただ無頓着なんだか。

ヒョクチェなら撫でたあとちゃんと綺麗にしてくれるもの。
気まぐれにめちゃくちゃに可愛がるドンヘのリズムには、やっぱりついてけない。

「並んでんのも可愛いね」
「うん。可愛い」

頬杖をついておんなじ格好で、あたしたちを見るご主人様2人。
いつの間にか仕草とかが似てきてるわよ、あんたたち。

「えーい!!」
『きゃあ!! あたしはいいわよ!! やめてったら』
前触れもなくドンヘがあたしの頭をかき混ぜる。
パダにしたようにがしがしと。

「ほら、美女は乱れても美女でしょ?」
「ばか言わないで。女のコは綺麗にするもんなの」
『そうよそうよ!! デリカシーないと嫌われるわよ!!』

ぼわぼわ毛が立ったあたしを直してくれる優しいヒョクチェ。
さすがだわ、大好きよ。

「ん、綺麗。チョコ、ちゅー」
『きゃあきゃあ!! ヒョクチェー!!』
うーっと唇を差し出してくれたヒョクチェに、あたしは有頂天でじゃれつく。

「今何回した?!」
「な、なんだよ」
「俺もちゅー!! チョコの2倍ね!!」
「ペットにヤキモチって・・・お前・・・」

ドンヘは突然ヒョクチェを引き寄せる。
ちょっとー、邪魔しないでよ!!

「俺が一番じゃなきゃイヤなの」
「チョコはいいじゃんか、・・・ッん!!」
ヒョクチェを組み伏せてドンヘはその唇に噛み付いた。

「んー、んッ、うー!!」
最初はドンヘの胸をとんとん叩いて文句を言ってるようなヒョクチェだけど。
しばらくしたらその手はドンヘの背中に回される。
縋りついてるみたいだわ。

『ダメよ!! ちょっとパダ、あの2人止めて!!』
『えーなんで?』
『まだお昼なのよ? 最近毎晩なのにこの人たちったら』
『げんきなんだね』
『そうじゃなくって!! 散歩行くのだって遅くなるじゃない』
『ボクはべつにいかなくてもいいよ』

もう!!
おっとりなのにもほどがあるわ。
もうすこしくらいしゃきっとしなさいよ。

きゃんきゃん吠えるあたしと、あくびまじりのパダ。
その横で、ヒョクチェはまた甘い息を吐いた。



End...
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