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chocolate ※




「さすがに、薄れてきましたか?」
「・・ふ・・あ、なに?」

さんざん焦らされて、もう何回もイカされた。
だけど、まだキュヒョナの手のひらの体温にしか触れてない。

早く埋めて欲しくて色々吹っ切れそうになる頃、キュヒョナはそんなコトを呟いた。

「効果がですよ」
「知らな・・い、わかんないよ・・ぉ」
こんなにめちゃくちゃにされたら、そんなの判断できるワケないじゃん。

「じゃあ、念には念を・・入れましょうか」
「・・ん、ん・・」
枕元で溶けかかっていた例のチョコレート。
キュヒョナの指に乗っかって、俺の唇まで運ばれる。

濃厚なカカオの香り。
舌から吸収されて、全身をまた巡っていく。

「どうですか?」
「うん、・・おいし・・い」
味は全然普通のチョコレートと変わらない。
むしろ・・・こんなコトをしながらだからなのか、その甘さに酔いそうだ。

「ふふ、いい子ですねヒョクチェは」
「・・・子供扱い、・・すんなッ」
「可愛いって意味ですよ? いいじゃないですか」
「う・・・」
ちょっと眩しそうに微笑まれて、なんも言えなくなる。
性感と違うトコでドキドキしたりもして、心が忙しい。

「こんなコト俺に仕掛けて、返り討ちに遭う所も可愛いです」
「返り討ち・・って・・・、あ!・・ひゃあ!!」
繊細そうな指先が、擽るみたいにしながら潜り込んできた。
途端に歓喜する、俺のその器官。

「残念でしたね? また頑張ってみてくださいよ」
「んあ!!・・は、あああッ」
余裕ぶって言われるとすっごく悔しい。
でも、今はそれより優先される欲求。

早く、早く、とどめをさしてよ。
すこしくらい痛くたっていいから、もう挿れて欲しい。

媚薬は、確実に効いてる。
2粒目は効果を2倍じゃなく、2乗にしたみたいだ。

「ヒョン?」
「あ、ねえ・・・お願・・い・・ッ」
疼く体に急かされてキュヒョナにしがみつく。
唇に触れたその耳に、必死に訴えた。

「・・・限界ですか?」
「うん、ほし・・いッ・・はやく・・う!!」
「今度は素直に言えましたね。合格・・です・・・よ?」
「あッ?!・・あ、あ、・・はいっ・・て、くるうううッ」

指と引換に挿入される熱いもの。
まだちゃんと解されてなかったのに、俺はそれをゆっくり飲み込んでいく。

「・・嬉しいですか? すごいですよ、ヒョンのなか」
「ん、嬉し・・ッ、ひゃ、あああ!!」
喜ぶ体に意識がどんどん引っ張られて、考えてものを喋れない。

「ね、わかりますか? 蠢いてるの・・・」
「わか・・るッ・・ん、あーッ」
「きゅ、きゅ、ってしますね・・イイです、すっごい」
「してる・・・あ、アッ!!・・いい・・よおお」

キュヒョナはそんな俺を気に入ったらしい。
問いかけては満足そうに髪を撫でた。

チョコの甘さに、理性が蕩けたの。
そういうことにしといてほしい。
あとから思い出したら、恥ずかしくて死んじゃいそうな台詞ばかり。

だけど、一度そうなってしまったら妙な開放感に包まれた気がするのも確か。

「あ、すごくて・・俺、もうダメかもしれないです・・ヒョン・・・」
いつも上等な布みたいに柔らかいキュヒョナの声が、すこしだけ掠れてそんなコトを言う。
・・・ああ、ヤバイ。
すっごい愛しい。
そう思ったら、快感を追いかける体は加速するだけ。

「う・・ん、出して・・?・・俺も、イキた・・いッ」
勝手に動く腰と、同じ意味の言葉を吐き出した。


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