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GAME OVER ※




「よかったねヒョクチェ? 思いっきりイカせてもらって」
「すごい可愛かったよ?」
「・・・・・ん、ん、は、あッ・・」

絶頂の後の乱れた呼吸に溺れるヒョクチェに、後ろから僕が前からドンヘが語りかける。

「焦らされるの好き?」
「だと思うよ、すごい敏感になるもん」
「ち・・が、ぅ・・・ッ」
ドンヘが勝手に答えるから恥ずかしがって身じろぎする。
その動きが僕の体を擦った。

・・・ああ、僕も・・ヒョクチェみたいにされたい。
ねぇキュヒョナ、早く来てよ。
そんなコトを思った時、

コンコン。

ノックの音が響いた。

「な、に・・・?」
「お迎え、だよ」
びくっと硬直したヒョクチェの耳に教えてあげる。

「・・・キュヒョナ」
首だけ振り向いたドンヘが、現れた人の名前を呼んだ。
「はい、俺です」
ゆっくり入ってくるキュヒョナは、そう言ってかすかに微笑んでる。

あーあ、もう冷静になっちゃったの?
動揺する顔が見たかったのにな。

「・・・ぁ、や・・・見ないでッ」
ベッドサイドまで来たキュヒョナに見下ろされて、ヒョクチェが身を固くした。
とろとろに乱れた姿。
ドンヘがくっついてるから実はそんなに見えないだろうけど、でもそりゃ恥ずかしいよね。
ヒョクチェはまた泣き出してしまった。

「そんな顔しないでくださいよ。欲情しますよ?」
からかってるのかホンキなのかわからない様子でキュヒョナは言う。
そういうの得意だよね。
僕でも未だに戸惑うんだから、素直すぎるヒョクチェが敵うはずがない。

「え、・・・欲情・・・って・・・」
すっと手を伸ばしてくるから、ヒョクチェはふるふる首を振った。
触れた部分から、ヒョクチェの動揺がそのまま僕に伝わる。

「そんなに泣いたら明日瞼腫れますよ」
ヒョクチェの涙をついっと拭って、その手はそのまま僕に伸びてきた。
頭を軽くぽんぽんされる。

「ソンミナヒョン、帰りますよ」
ふ、と笑ってそう言ってくれたから、僕は結構いろいろ満足だった。
このまま部屋に戻って抱いてもらえると、思ってた・・・





                    ※




「・・・ぅ、わ!・・痛ッ」
ダン!!
部屋に着くやいなや、キュヒョナのベッドに思いっきり突き飛ばされた。

な、なに?!
目を白黒させているあいだに、かけてあった衣装からネクタイを手に取ったキュヒョナ。
信じられないスピードで僕の両手は自由を無くした。
そのままベッドボードに括り付けられるまで、驚く暇さえなかった。

「ね、ぇ・・・ちょっと・・待って!!」
「充分、待ったじゃないですか」
ふう、と小さく息をついて僕を見下ろしたキュヒョナは、そう言って笑う。
どっちかっていうとニヤリ、としたカンジで。
その顔はキライじゃないんだけど・・・

「俺の帰り待ちきれなくて、あんなコトしてたんでしょう?」
「・・・そ、・・・そ・・だけ、ど・・・」
「じゃあ、準備なんていらないですよね?」
「え?・・・・・ッ、んッ、や!!」
なんの前触れもなくそこを触られて、僕の体はビックリした。

「ああ、やっぱり。・・・準備、できてましたね・・・」
「う、うう・・・」
さすがにちょっと恥ずかしい。
ヒョクチェの声ヤバいんだもん。
聞いてるだけでもこうなっちゃうと思うよ。

「相変わらずイヤらしい体・・・自分でもそう思いません?」
「思わない・・もん・・」
でもさ、そんな風に言われて頷けると思う?
ホント意地悪。
こうやって意地を張ったらどうなるか、分かってる。
分かってるのに、僕の本能は勝手にその事態を期待してる。

「ふうん、そうですか・・・」
「・・・?」
キュヒョナはそう呟いて、ベッドサイドの棚をガチャガチャしだした。
何かを・・・探してる?
覗きたくても、僕は身動きができない。

「じゃあ、確かめてみましょうか」
「・・・!! そ、れ・・・何・・?」
その手が取り出したのは・・・小さな卵みたいな、機械。
ダイヤルを回すと細かく振動する、いわゆるそーゆーオモチャ。
一緒に出てきたローションが、その使い道をさらに明らかにする。

「知ってるくせに。きっとヒョンは気にいりますよ」
「あ、ぅンッ!!」
まだ冷たい粘液をするっと後ろに塗られた。
服を脱がせることなく、器用に手をさしこんで。

「ヒョンのために、買っときました」
「くッ・・ぅ、ん!!」
滑りを助けに、楕円形のそれが僕の中に難なく潜り込んでくる。

「スイッチ・・入れますね?」
「わ、・・・な、んか・・・ッんああ!!」
ヤダヤダ!!
細かなバイブレーションが、僕の中を支配する。

「イヤぁ!!・・止めてぇぇぇ!」
悲鳴が、止められない。
怖いくらいの快感がどんどん生まれてくるから。

「嘘ばっか言わないでくださいよ。認めるまで止めませんから」
「な・・に?・・・ぅ、あッん!!」
ああ、またすごい楽しそうなブラック笑顔。
うっかりズクンと、きちゃったりして。

「さっき言ったでしょう? イヤらしい体だって。自分で認めてください」
「んー!! や、だ、止めてよおおお」
「意地っ張りですね。泣かれても俺はやめませんよ」
「・・意地じゃ、な・・ッ」
泣いてもやめないのは随分前から知ってるけど。

「自分の腰の動き知ってて言ってます?」
「こ、し?・・・ッ」
「この反応が好きです。俺は」
「僕は・・・イヤ・・ッも、やだ!」

確かにもの欲しそうに揺れてる腰。
キュヒョナに触られてるんなら、そうなったっていいんだけど・・・
こんなオモチャにされるのは、嫌。
さすがの僕だって、気持ちよかったらなんでもいいんじゃない。
浅ましすぎるのはやだ。

「ヒョンがホンキで嫌がるの、久しぶりですね?」
「ん、ぅんッ!・・そだよ・・ホントに、イ・・ヤ!!」
「・・・・・ゾクゾクします。どうしよう」

・・・・・・・どうしようは僕の台詞。
サディストにも程がある。

「嫌がりながらイクとこ、見たいです」
「は?!・・ちょ、きゅひょ・・・・ッ!!」
とんでもないコトをキュヒョナが言ったかと思うと、機械の動きが大きくなった。
「イイ顔見せてください」
にーっこり、コントローラーを見せられる。
最強の、ちょっと手前。

「ふ、あ・・んんッ 触ってッ・・キュヒョナが・・してぇ!!」
ビックリする早さで絶頂のすぐ近くまで連れていかれたから、もう必死で叫ぶ。
その手でそこに達したいの、お願い。

「ダメです。俺はこうやって見てますから」
見てる?
強すぎる快感が閉じさせる瞼を頑張って開いたら、正面から視線が合ってしまった。

どくん。
その目に思いがけなく動揺させられる。
まるで舐め回してでもいるみたいな、そんな眼差し。

ああ、犯されてる。

「あ!!・・あ、あッ!!・・んんーッ!!」
一度滑り込んだ甘さってものはホントにタチが悪い。
嫌なのに、すっごく嫌なのに。
・・・気持ちいい・・・
そう思ってしまったらもう最後だ。

「俺の目の前で、俺じゃないものでイってください」
そう言って微笑んだキュヒョナは、わざと残しておいた余裕を完全になくした。
カチ・・・
僕の奥でぶるぶる震えるその機械の、最大の力にまでスイッチが切り替わった。

「やああ!!・・だめッ、だめーッ!!」
粘膜が勝手に収縮して、一番イイところにその震えがあたってしまったから。
どうしようもなく気持ちよくて、僕はあっさり絶頂を迎えた。
抗えない。
強がる気持ちごと一緒に吐き出してしまったような気がした。

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