二番隊編
霧島真と二番隊 7
男は頭を地面にこすりつけ、必死に謝罪をした。
「すみません!!!こんな事して!!!!全部吐きます!!!!こんな騙し方、許されないですよね!!!!すみません!!!!」
突然の事に、3人は呆然として声が出なかった。だが直ぐに、一番最初に気を取り直した夜一が男に話しかけた。
「詳しい説明は後でよい。真はどこにおるのじゃ」
「き、霧島さんは、ガテンで気を失わせたあと、大前田副隊長が運んでいきました………」
男が説明していると、一向が来た道から誰かが駆けて来るのが見えた。
弓親だった。
弓親は、倒れている真と、その横で正座する男と、それを囲む3人を見て、困惑したように眉間にシワを寄せた。
「何これ…どういう状況…?」
弓親は真が義骸だと直ぐに感づいたようで、確認するように真の義骸の首元に手をやった。
「何であんたがいるのよ」
「大前田から、砕蜂隊長が真を勧誘するつもりだって聞いたから……」
「大前田が?……なるほど……あの薄ら馬鹿め、自分の保身の為に霧島に手を出したか……」
砕蜂が苦々しく言い放ち、土下座している男は肩を震わせて身を縮ませた。
「一度戻って、大前田にお灸を据える必要がありそうじゃの」
「私の部下の不始末です。夜一様のお手は煩わせません」
「私も許せないんだけど」
「僕もだね」
4人は誰が言い出すでもなく道を走って戻り、その場には部下の男と真の義骸が残された。
一方その頃、担がれている真は目を覚ましていた。ガテンが思いのほか弱かったらしい。
真は一瞬自分の状況が飲み込めず混乱したが、直ぐに誰かに担がれていると理解した。幸い手足を縛られてはおらず、自分の手で布を振り払った。
「うっ!!!わっ!!!!!」
とりあえず自分を担いでいた人物の顔を殴り、地面に降り立つと、目の前には驚いた顔でこちらを見る大前田がいた。
「な…!?何で起きてんだよ!!ガテンで気絶したんじゃねえのかよ!!!」
「…ガテン?」
なるほど、あの時頬にあたったのはガテンだったのか。しかし何故大前田副隊長が、私を狙った?
「あなたに恨まれるような事をした覚えはありませんが………」
確認をしようとした瞬間、後ろから首元を締められ、真は咄嗟にその腕を掴んで背負投げをした。先ほど真が殴った男だった。
「私に何の用ですか?」
男の襟元を掴んで地面に押し付けたまま、真は大前田を見据えた。
「て…テメエのせいで、俺様の地位が危ういんだよ!!!!!」
「は?」
大前田はその場にヘナヘナと座り込み、子どもの癇癪のように喚いた。
「砕蜂隊長がなあ!!!テメエが夜一様に何かするような奴かどうかって、ずっと暗部に監視させてたんだよ!!!なのにテメエは非の打ち所がねえから、砕蜂隊長は、俺様よりテメエの方が有能だとか言いだしてよおおぉ!!!!テメエが来たら、俺様は首なんだよ!!!」
「……監視………」
真は喚く大前田を複雑な表情で見て、一瞬躊躇しつつも、大前田の前まで行き、膝をついて目線を合わせた。
「……大前田副隊長………私を無断で監視していた隊に、私が異動したがると、本気で思っていらっしゃいますか?」
真の一言に、大前田はハッとして固まった。
「あなたは、私を気絶させて、何がしたかったんですか?」
「そ、そりゃあ、偽物を墓参りに行かせて、お前の株を下げようと……」
「では、今はその偽物が砕蜂隊長達といるんですね。しかし、墓の場所は……?」
「霧島!!!」
真の後ろから真を呼ぶ声がすると、大前田の顔がみるみるうちに青くなり、体が強張って行くのが分かった。真が振り向くと、名を呼んだ砕蜂だけで無く、夜一に、なぜか乱菊と弓親もいた。砕蜂は鬼のような顔で大股で近づいてきた。
「霧島はどうやら無事のようだな……大前田、貴様ァ……よくも謀ったな………」
大前田目がけて突き出した砕蜂の腕を、真は咄嗟に掴んだ。
「お待ちください。砕蜂隊長」
真の意外な行動に、砕蜂だけでなく、大前田含め全員が驚いた。
「霧島……この大馬鹿者は貴様を気絶させ、拉致まがいな事までしたのだぞ…」
「私が大前田副隊長に頼んで偽物を送り出してもらったのです。偽物の方は私が気絶したと思ったでしょうが、あれは演技です」
「き、霧島……?」
まさか真に庇われるとは予想外だったようで、大前田が不思議そうに真を見てきたが、真は構わず続けた。
「……実は、ここ数日誰かにつけられている感じがして……不安になった私が大前田副隊長に相談に行ったんです」
監視の事を話した瞬間、砕蜂の顔に動揺が見えた。真は構わず続けた。
「誰を信用していいか分からなかった為、私と大前田副隊長で今回の事を計画し、偽物で私をつけ狙っている輩を炙りだそうとしたんです。なので、偽物の方は何も知りません。大前田副隊長が、上手く嘘を伝えてくれたようです」
「そ、そうか………」
思った以上に簡単に砕蜂が引き下がってくれ、真は手を離してニッコリ微笑んだ。
「砕蜂隊長にも相談するべきだったと、反省しています。申し訳ありませんでした。『お忙しい』と、思いまして」
意味深な真の口調に、砕蜂は困ったように目をそらし、真に額が付きそうな程接近した。
「……夜一様には、黙っていてくれ………」
「はい。では、私の記録は全て破棄してください」
二人の間で小声の取引が成立し、砕蜂は心を無にして大前田に向き直った。
「大前田………」
「は、はい!!!」
大前田は急いで立ち上がり、気をつけの姿勢になった。
「刑軍副団長としてよく機転を効かせたな。だが、次からは、私に一言告げてからにしろよ」
「…………はい」
「お騒がせしてすみませんでした。改めて、父の墓にご案内させていただきます」
貼り付けたような笑顔で、真は砕蜂に並び、待っている夜一の所まで一緒に行った。大前田は放心したように、その場に立ち尽くしていた。
「話が纏まったようで良かったが、霧島の『ストーカー』は解決しとらんじゃろ。良いのか?」
何も知らない夜一が、真を気遣う言葉をかけた。一瞬砕蜂がびくついたが、真がフォローした。
「砕蜂隊長のお耳に入れさせていただいたので……もう安心です。すみません。お時間を取らせてしまいまして」
「ねえ、それって弓親じゃ無いわよね……?」
「はあ!?何で僕が!?僕は正々堂々とアプローチしてるよね!?真!?」
「んん!?そ、そういえば、どうして乱菊と弓親さんが?」
「私は途中で会ってついていったのよ」
「僕は勧誘を止めに行った。大前田の嘘に使われたみたいで、気に食わないけどね」
「と、兎に角時間がない!!霧島!近衛先生の墓に早く案内しろ!!」
それから数日後。夜一が満吾郎の墓をキチンと供養したいと言い出すと、大前田と砕蜂から多額の寄付が届き、戌吊には不釣り合いな立派な墓が建てられた。
大前田はあの事件以来、何かと真に金銭的な援助をしてくれるようになり、真は指南書を沢山買うなど、ありがたく恩恵を受けた。
一方砕蜂はというと、真の記録を破棄はしたものの、機転が効き仕事の早い真を気に入り、何度も秘書になるよう勧誘してくるようになった。
「更に言えば、霧島は近衛満吾郎先生の娘だからな。二番隊に来たら夜一様もお慶びになるだろう。給料は今の倍出しても良い」
「………行きませんよ」
「くっ…なぜだ!!!まだ根に持っているのか…?」
「根には持ってませんけど、私は十一番隊四席としての使命があるので」
「3倍でも駄目か?」
「お金には困ってませんので」
「クソッ!更木め……!!」
〜〜〜〜終わり〜〜〜〜〜
おまけ
それから数カ月後
《定例隊主会》
「スンマッセーン、人事異動について報告させてもろてええですか?」
気の抜けた大阪弁が部屋に響き、砕蜂の神経が逆だった。
ただでさえ、この男が向かいにいるだけで苛つくというのに……。
「元十一番の霧島真ですけどもー、昨日づけで五番隊三席になりましたんで。ご周知お願いしますー」
「!?なっ!!!!!」
霧島が、五番隊に行っただと!!!?あんなに十一番隊に固執していた霧島が!?あの男、傷ついた霧島をなんと言ってたぶらかしたのだ!!!羨まし……いや、許せん!!!!!
隊主会後、砕蜂は平子の元に走った。
「平子真子貴様!!!!」
「なんや砕蜂ちゃーん、俺の所にまっしぐらしてえ。焦らんくても、何処にも行かへんよー」
「気色悪い事を言うなたわけ!!!!貴様!霧島をなんと言ってたぶらかしたのだ!!!」
砕蜂の勢いとは裏腹に、平子は半開きの目でハア?と首をかしげた。
「たぶらかすも何も、アイツが五番隊に来たい言うたから異動しただけやし」
「そんな訳あるか!!傷ついた霧島に漬け込みおって!!!」
息巻く砕蜂を見て、平子は何か合点がいった様に顎を擦った。
「ハッハーン…砕蜂ちゃんも真を狙っとった口か。なら、良い事教えたるわ。アイツな、グイグイくる奴、苦手やで」
頑張り!と砕蜂の肩を叩き、平子は笑顔で去っていった。
真を取られた悔しさと、上から目線のアドバイスに怒りが頂点に達した砕蜂は、顔を真っ赤にして肩を震わせた。
その後、平子の顔写真が、砕蜂のクナイの的になったのは言うまでもない。
男は頭を地面にこすりつけ、必死に謝罪をした。
「すみません!!!こんな事して!!!!全部吐きます!!!!こんな騙し方、許されないですよね!!!!すみません!!!!」
突然の事に、3人は呆然として声が出なかった。だが直ぐに、一番最初に気を取り直した夜一が男に話しかけた。
「詳しい説明は後でよい。真はどこにおるのじゃ」
「き、霧島さんは、ガテンで気を失わせたあと、大前田副隊長が運んでいきました………」
男が説明していると、一向が来た道から誰かが駆けて来るのが見えた。
弓親だった。
弓親は、倒れている真と、その横で正座する男と、それを囲む3人を見て、困惑したように眉間にシワを寄せた。
「何これ…どういう状況…?」
弓親は真が義骸だと直ぐに感づいたようで、確認するように真の義骸の首元に手をやった。
「何であんたがいるのよ」
「大前田から、砕蜂隊長が真を勧誘するつもりだって聞いたから……」
「大前田が?……なるほど……あの薄ら馬鹿め、自分の保身の為に霧島に手を出したか……」
砕蜂が苦々しく言い放ち、土下座している男は肩を震わせて身を縮ませた。
「一度戻って、大前田にお灸を据える必要がありそうじゃの」
「私の部下の不始末です。夜一様のお手は煩わせません」
「私も許せないんだけど」
「僕もだね」
4人は誰が言い出すでもなく道を走って戻り、その場には部下の男と真の義骸が残された。
一方その頃、担がれている真は目を覚ましていた。ガテンが思いのほか弱かったらしい。
真は一瞬自分の状況が飲み込めず混乱したが、直ぐに誰かに担がれていると理解した。幸い手足を縛られてはおらず、自分の手で布を振り払った。
「うっ!!!わっ!!!!!」
とりあえず自分を担いでいた人物の顔を殴り、地面に降り立つと、目の前には驚いた顔でこちらを見る大前田がいた。
「な…!?何で起きてんだよ!!ガテンで気絶したんじゃねえのかよ!!!」
「…ガテン?」
なるほど、あの時頬にあたったのはガテンだったのか。しかし何故大前田副隊長が、私を狙った?
「あなたに恨まれるような事をした覚えはありませんが………」
確認をしようとした瞬間、後ろから首元を締められ、真は咄嗟にその腕を掴んで背負投げをした。先ほど真が殴った男だった。
「私に何の用ですか?」
男の襟元を掴んで地面に押し付けたまま、真は大前田を見据えた。
「て…テメエのせいで、俺様の地位が危ういんだよ!!!!!」
「は?」
大前田はその場にヘナヘナと座り込み、子どもの癇癪のように喚いた。
「砕蜂隊長がなあ!!!テメエが夜一様に何かするような奴かどうかって、ずっと暗部に監視させてたんだよ!!!なのにテメエは非の打ち所がねえから、砕蜂隊長は、俺様よりテメエの方が有能だとか言いだしてよおおぉ!!!!テメエが来たら、俺様は首なんだよ!!!」
「……監視………」
真は喚く大前田を複雑な表情で見て、一瞬躊躇しつつも、大前田の前まで行き、膝をついて目線を合わせた。
「……大前田副隊長………私を無断で監視していた隊に、私が異動したがると、本気で思っていらっしゃいますか?」
真の一言に、大前田はハッとして固まった。
「あなたは、私を気絶させて、何がしたかったんですか?」
「そ、そりゃあ、偽物を墓参りに行かせて、お前の株を下げようと……」
「では、今はその偽物が砕蜂隊長達といるんですね。しかし、墓の場所は……?」
「霧島!!!」
真の後ろから真を呼ぶ声がすると、大前田の顔がみるみるうちに青くなり、体が強張って行くのが分かった。真が振り向くと、名を呼んだ砕蜂だけで無く、夜一に、なぜか乱菊と弓親もいた。砕蜂は鬼のような顔で大股で近づいてきた。
「霧島はどうやら無事のようだな……大前田、貴様ァ……よくも謀ったな………」
大前田目がけて突き出した砕蜂の腕を、真は咄嗟に掴んだ。
「お待ちください。砕蜂隊長」
真の意外な行動に、砕蜂だけでなく、大前田含め全員が驚いた。
「霧島……この大馬鹿者は貴様を気絶させ、拉致まがいな事までしたのだぞ…」
「私が大前田副隊長に頼んで偽物を送り出してもらったのです。偽物の方は私が気絶したと思ったでしょうが、あれは演技です」
「き、霧島……?」
まさか真に庇われるとは予想外だったようで、大前田が不思議そうに真を見てきたが、真は構わず続けた。
「……実は、ここ数日誰かにつけられている感じがして……不安になった私が大前田副隊長に相談に行ったんです」
監視の事を話した瞬間、砕蜂の顔に動揺が見えた。真は構わず続けた。
「誰を信用していいか分からなかった為、私と大前田副隊長で今回の事を計画し、偽物で私をつけ狙っている輩を炙りだそうとしたんです。なので、偽物の方は何も知りません。大前田副隊長が、上手く嘘を伝えてくれたようです」
「そ、そうか………」
思った以上に簡単に砕蜂が引き下がってくれ、真は手を離してニッコリ微笑んだ。
「砕蜂隊長にも相談するべきだったと、反省しています。申し訳ありませんでした。『お忙しい』と、思いまして」
意味深な真の口調に、砕蜂は困ったように目をそらし、真に額が付きそうな程接近した。
「……夜一様には、黙っていてくれ………」
「はい。では、私の記録は全て破棄してください」
二人の間で小声の取引が成立し、砕蜂は心を無にして大前田に向き直った。
「大前田………」
「は、はい!!!」
大前田は急いで立ち上がり、気をつけの姿勢になった。
「刑軍副団長としてよく機転を効かせたな。だが、次からは、私に一言告げてからにしろよ」
「…………はい」
「お騒がせしてすみませんでした。改めて、父の墓にご案内させていただきます」
貼り付けたような笑顔で、真は砕蜂に並び、待っている夜一の所まで一緒に行った。大前田は放心したように、その場に立ち尽くしていた。
「話が纏まったようで良かったが、霧島の『ストーカー』は解決しとらんじゃろ。良いのか?」
何も知らない夜一が、真を気遣う言葉をかけた。一瞬砕蜂がびくついたが、真がフォローした。
「砕蜂隊長のお耳に入れさせていただいたので……もう安心です。すみません。お時間を取らせてしまいまして」
「ねえ、それって弓親じゃ無いわよね……?」
「はあ!?何で僕が!?僕は正々堂々とアプローチしてるよね!?真!?」
「んん!?そ、そういえば、どうして乱菊と弓親さんが?」
「私は途中で会ってついていったのよ」
「僕は勧誘を止めに行った。大前田の嘘に使われたみたいで、気に食わないけどね」
「と、兎に角時間がない!!霧島!近衛先生の墓に早く案内しろ!!」
それから数日後。夜一が満吾郎の墓をキチンと供養したいと言い出すと、大前田と砕蜂から多額の寄付が届き、戌吊には不釣り合いな立派な墓が建てられた。
大前田はあの事件以来、何かと真に金銭的な援助をしてくれるようになり、真は指南書を沢山買うなど、ありがたく恩恵を受けた。
一方砕蜂はというと、真の記録を破棄はしたものの、機転が効き仕事の早い真を気に入り、何度も秘書になるよう勧誘してくるようになった。
「更に言えば、霧島は近衛満吾郎先生の娘だからな。二番隊に来たら夜一様もお慶びになるだろう。給料は今の倍出しても良い」
「………行きませんよ」
「くっ…なぜだ!!!まだ根に持っているのか…?」
「根には持ってませんけど、私は十一番隊四席としての使命があるので」
「3倍でも駄目か?」
「お金には困ってませんので」
「クソッ!更木め……!!」
〜〜〜〜終わり〜〜〜〜〜
おまけ
それから数カ月後
《定例隊主会》
「スンマッセーン、人事異動について報告させてもろてええですか?」
気の抜けた大阪弁が部屋に響き、砕蜂の神経が逆だった。
ただでさえ、この男が向かいにいるだけで苛つくというのに……。
「元十一番の霧島真ですけどもー、昨日づけで五番隊三席になりましたんで。ご周知お願いしますー」
「!?なっ!!!!!」
霧島が、五番隊に行っただと!!!?あんなに十一番隊に固執していた霧島が!?あの男、傷ついた霧島をなんと言ってたぶらかしたのだ!!!羨まし……いや、許せん!!!!!
隊主会後、砕蜂は平子の元に走った。
「平子真子貴様!!!!」
「なんや砕蜂ちゃーん、俺の所にまっしぐらしてえ。焦らんくても、何処にも行かへんよー」
「気色悪い事を言うなたわけ!!!!貴様!霧島をなんと言ってたぶらかしたのだ!!!」
砕蜂の勢いとは裏腹に、平子は半開きの目でハア?と首をかしげた。
「たぶらかすも何も、アイツが五番隊に来たい言うたから異動しただけやし」
「そんな訳あるか!!傷ついた霧島に漬け込みおって!!!」
息巻く砕蜂を見て、平子は何か合点がいった様に顎を擦った。
「ハッハーン…砕蜂ちゃんも真を狙っとった口か。なら、良い事教えたるわ。アイツな、グイグイくる奴、苦手やで」
頑張り!と砕蜂の肩を叩き、平子は笑顔で去っていった。
真を取られた悔しさと、上から目線のアドバイスに怒りが頂点に達した砕蜂は、顔を真っ赤にして肩を震わせた。
その後、平子の顔写真が、砕蜂のクナイの的になったのは言うまでもない。
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