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羽化にはまだ早い 番外編

 なんやあの子。
 
 男みたいな格好して、隠れて乱菊と会って、ベタベタして……。

 気色悪いわ。

 君、乱菊のなんやのん?

 乱菊をどうしたいんの?

 目障りや。

 殺したろか?

 僕がその気になったら、すぐできるんやで?

 ドサクサに紛れて殺したろかな。

 まあ、せえへんけど。

 そないな事したら、乱菊泣くもん。

 それだけは…したくない。

 でも、ホント、あの子だけは好きになれんわ。

 ルキアちゃんには悪いけど、黒髪の女はみんな嫌いやねん。



 

 何で乱菊を泣かすんだ。

 あんたが居ればそれでいいんだよ。乱菊は。

 乱菊が泣かなくても済むようにするんなら、側にいろよ。

 ヘラヘラして……何考えてるか分からない。

 乱菊を泣かせる、あの男が嫌いだ。

 殴ってやりたい。

 しないけど。

 相手は隊長だし、何より乱菊が傷つく。

 それだけは…したくない。

 でも、あの男だけは好きになれない。


 
 霧島真と市丸ギンには接点は無い。
 だが、お互いがお互いを嫌いだ。

 二人はすれ違う度に、睨み合う。
 誰にも気づかれないように。
 
 お互い、1人の女を想うばかりに、憎しみが渦を巻く。
 
 それは、市丸ギンが消えるまで、収束しなかった冷戦。
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