羽化にはまだ早い(弓親)
一角と弓親が真達の班が向かった先に進むと、道に倒れている部下達を見つけた。
全員気絶したまま目を開け無かった為、事情を聞くことは出来なかった。
「真がいない…霊圧が途切れてる………!」
「おい…この血………」
一角の足元には、血が着いた面を地面に埋められた石と、地面に着いた血を砂で隠した跡があった。
一角と弓親が現場に着く数十分前、ソウルソサエティに一護と織姫と茶度が来ていた。霊力を取り戻した礼がしたいと、一護が二人を連れて来たのだ。
3人は、ルキアと恋次に会いに足を進めていたが、織姫がふと足を止めた。
「どうした?井上」
一護が振り向くと、織姫は耳に手を当てて、集中していた。顔は恐怖に歪んでいた。
「誰かが、結界の中で襲われてる………!!この霊圧知ってる………真ちゃん………」
織姫が耳から手を離し、一護に助けをこうように顔を向けた。
「場所分かるか?!井上!」
一護は織姫の手を掴んで、焦ったように声を荒げた。
「分かるよ、あっち…!」
「乗れ! チャド、後から来てくれ」
「……む、早く行け」
一護は織姫を背負うと、織姫が指を指した方へ、屋根を飛び移って向かった。
四番隊士は、空き家の入口で結界を張らされていた。後ろから、男が包丁を首に当てていた。
四番隊士が震えながら目を移すと、血まみれで天井から吊るされた真が見えた。両足は折られ、骨が肉から飛び出して、ありえない方向に曲がっていた。彼は直視できず、泣きながら目を反らした
意識が飛びかけている真の頭を、一人の男が後ろから押さえ、二人で何度も顔や腹を殴った。真にはもう、叫ぶ体力も残されていなかった。
「どうした?四席さん。いつもの威勢はどこだ……よ!!!」
男が真の腹を殴り、真は血を吐いた。咳をすると、折れたアバラが刺さり、激痛に呻いた。
「おら、謝れよ。謝ったら許してやる」
男は真の髪を掴み、無理矢理顔をあげた。
「女の癖にでしゃばってすみません、って裸で土下座しろ」
男達の笑い声が響いたが、結界で外には聞こえなかった。真は朦朧とする頭で、男の顔を捉えてツバを吐いた。
「………ゲスが………」
真の一言で、男はキレた。
「……もう、いいだろ。そろそろ殺すぞ」
男が包丁を握りしめた時、突然結界が壊れた。男達は驚き、入り口を見ると、人影が2つあった。
入り口のすぐ下に座っていた四番隊士は、結界を壊した人物を見上げ、安堵の涙を流した。
「お願いです!!霧島さんを助けてください!!」
「ってめ…!」
四番隊士の後ろで構えていた男が、助けをこうた四番隊士に包丁を振り上げたが、大きな斬魄刀で殴られ、倒れた。
織姫と一護が中を見ると、男3人に囲まれ、天井から吊るされている、無残な姿の真を見つけた。
「……っ!真ちゃん!」
足が……と漏らし、織姫は口を押さえた。一護は悲惨な状況に眉をしかめ、織姫の前に進んだ。
「真を助ける。井上、辛えと思うけど、治療を頼む」
「……はい」
泣くのを堪えて、織姫は言った。
真は霞む目で、一護と織姫を見た。こんな残酷な場面を、十年と少ししか生きていない子どもに見せてしまった事が辛かった。
「おい…こいつら、旅禍だ。あの時の…!」
男の一人が一護を指差して叫んだ。全員が焦り、ツバを飲んだ。一人が、真に包丁を突きつけた。
「寄るんじゃねえ!こいつを殺すぞ!」
そう叫んだ時には、一護は視界におらず、縛道で縛っていた筈の真も消えていた。
「頼む…」
気がつくと、一護は織姫の横に戻り、真をそっと置いた。
織姫は涙を必死にこらえながら、治療を始めた。
痛みが楽になっていくのに気が付き、真はそっと目を開いた。
目の前に、泣きそうになりながら、恐怖に耐える織姫がいた。
「……井上…さん……」
「真ちゃん!喋らないで……」
「………怖い、もの…見せて……ごめんね……」
「大丈夫だから!!私は大丈夫だからね!!怪我も、すぐ治すよ!!」
織姫は、涙を拭いながら治療を続けた。真は、力が尽きたのか、気を失うように眠った。その様子を見ていた一護は、怒りの表情で男達に向き直った。
「てめえら…!何でこんな事を……!!」
男達は勝ち目がないと悟ったのか、目で逃げ道を探していた。
「おーおー。織姫ちゃんに会える思うて来てみたら……どえらい事になっとるやんけ」
どこから来たのか、平子が一護の横で真を見下ろしていた。
「平子………!」
「すまんのお、織姫ちゃん。折角遊びに来たのに、仕事させてもて」
平子は織姫に謝ったが、織姫は首を強く横に振った。
平子は、一護の肩に手を置き、下がれと合図した。
「あんがとさん、一護。もうええで。こっからは俺らの仕事や」
平子は部屋の男達に向き直り、不敵に笑った。
「俺の友達を、よーやってくれたなあ」
男達はジリジリと下がりながら、逃げるタイミングを探っていた。
「隊長といえど、一人だ。逃げるぞ」
「アホか、俺一人で来るわけないやろ」
突如家の周りを、黒装束に見を包んだ男達が取り囲んだ。
「とっくの昔に、警羅隊来とるっちゅうねん」
警羅隊は男達を捕まえ、一護と織姫に礼を言うと去っていった。四番隊士は、重要参考人として連れて行かれた。
織姫はそのまま、真の治療を続けた。
平子と一護も座って、治療を見守った。
「ありがとさん、織姫ちゃん。真を助けてくれて」
「ううん…助けれて、良かった……」
3人はそのまま、真が治るのを待った。
真はそのまま入院し、面会謝絶になり、目を覚ましたのは3日後だった。
全員気絶したまま目を開け無かった為、事情を聞くことは出来なかった。
「真がいない…霊圧が途切れてる………!」
「おい…この血………」
一角の足元には、血が着いた面を地面に埋められた石と、地面に着いた血を砂で隠した跡があった。
一角と弓親が現場に着く数十分前、ソウルソサエティに一護と織姫と茶度が来ていた。霊力を取り戻した礼がしたいと、一護が二人を連れて来たのだ。
3人は、ルキアと恋次に会いに足を進めていたが、織姫がふと足を止めた。
「どうした?井上」
一護が振り向くと、織姫は耳に手を当てて、集中していた。顔は恐怖に歪んでいた。
「誰かが、結界の中で襲われてる………!!この霊圧知ってる………真ちゃん………」
織姫が耳から手を離し、一護に助けをこうように顔を向けた。
「場所分かるか?!井上!」
一護は織姫の手を掴んで、焦ったように声を荒げた。
「分かるよ、あっち…!」
「乗れ! チャド、後から来てくれ」
「……む、早く行け」
一護は織姫を背負うと、織姫が指を指した方へ、屋根を飛び移って向かった。
四番隊士は、空き家の入口で結界を張らされていた。後ろから、男が包丁を首に当てていた。
四番隊士が震えながら目を移すと、血まみれで天井から吊るされた真が見えた。両足は折られ、骨が肉から飛び出して、ありえない方向に曲がっていた。彼は直視できず、泣きながら目を反らした
意識が飛びかけている真の頭を、一人の男が後ろから押さえ、二人で何度も顔や腹を殴った。真にはもう、叫ぶ体力も残されていなかった。
「どうした?四席さん。いつもの威勢はどこだ……よ!!!」
男が真の腹を殴り、真は血を吐いた。咳をすると、折れたアバラが刺さり、激痛に呻いた。
「おら、謝れよ。謝ったら許してやる」
男は真の髪を掴み、無理矢理顔をあげた。
「女の癖にでしゃばってすみません、って裸で土下座しろ」
男達の笑い声が響いたが、結界で外には聞こえなかった。真は朦朧とする頭で、男の顔を捉えてツバを吐いた。
「………ゲスが………」
真の一言で、男はキレた。
「……もう、いいだろ。そろそろ殺すぞ」
男が包丁を握りしめた時、突然結界が壊れた。男達は驚き、入り口を見ると、人影が2つあった。
入り口のすぐ下に座っていた四番隊士は、結界を壊した人物を見上げ、安堵の涙を流した。
「お願いです!!霧島さんを助けてください!!」
「ってめ…!」
四番隊士の後ろで構えていた男が、助けをこうた四番隊士に包丁を振り上げたが、大きな斬魄刀で殴られ、倒れた。
織姫と一護が中を見ると、男3人に囲まれ、天井から吊るされている、無残な姿の真を見つけた。
「……っ!真ちゃん!」
足が……と漏らし、織姫は口を押さえた。一護は悲惨な状況に眉をしかめ、織姫の前に進んだ。
「真を助ける。井上、辛えと思うけど、治療を頼む」
「……はい」
泣くのを堪えて、織姫は言った。
真は霞む目で、一護と織姫を見た。こんな残酷な場面を、十年と少ししか生きていない子どもに見せてしまった事が辛かった。
「おい…こいつら、旅禍だ。あの時の…!」
男の一人が一護を指差して叫んだ。全員が焦り、ツバを飲んだ。一人が、真に包丁を突きつけた。
「寄るんじゃねえ!こいつを殺すぞ!」
そう叫んだ時には、一護は視界におらず、縛道で縛っていた筈の真も消えていた。
「頼む…」
気がつくと、一護は織姫の横に戻り、真をそっと置いた。
織姫は涙を必死にこらえながら、治療を始めた。
痛みが楽になっていくのに気が付き、真はそっと目を開いた。
目の前に、泣きそうになりながら、恐怖に耐える織姫がいた。
「……井上…さん……」
「真ちゃん!喋らないで……」
「………怖い、もの…見せて……ごめんね……」
「大丈夫だから!!私は大丈夫だからね!!怪我も、すぐ治すよ!!」
織姫は、涙を拭いながら治療を続けた。真は、力が尽きたのか、気を失うように眠った。その様子を見ていた一護は、怒りの表情で男達に向き直った。
「てめえら…!何でこんな事を……!!」
男達は勝ち目がないと悟ったのか、目で逃げ道を探していた。
「おーおー。織姫ちゃんに会える思うて来てみたら……どえらい事になっとるやんけ」
どこから来たのか、平子が一護の横で真を見下ろしていた。
「平子………!」
「すまんのお、織姫ちゃん。折角遊びに来たのに、仕事させてもて」
平子は織姫に謝ったが、織姫は首を強く横に振った。
平子は、一護の肩に手を置き、下がれと合図した。
「あんがとさん、一護。もうええで。こっからは俺らの仕事や」
平子は部屋の男達に向き直り、不敵に笑った。
「俺の友達を、よーやってくれたなあ」
男達はジリジリと下がりながら、逃げるタイミングを探っていた。
「隊長といえど、一人だ。逃げるぞ」
「アホか、俺一人で来るわけないやろ」
突如家の周りを、黒装束に見を包んだ男達が取り囲んだ。
「とっくの昔に、警羅隊来とるっちゅうねん」
警羅隊は男達を捕まえ、一護と織姫に礼を言うと去っていった。四番隊士は、重要参考人として連れて行かれた。
織姫はそのまま、真の治療を続けた。
平子と一護も座って、治療を見守った。
「ありがとさん、織姫ちゃん。真を助けてくれて」
「ううん…助けれて、良かった……」
3人はそのまま、真が治るのを待った。
真はそのまま入院し、面会謝絶になり、目を覚ましたのは3日後だった。