1st Anniversary!!
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「ふあ……」
休日のお昼頃──私は研磨の家に遊びに来ていたんだけど、ここのところ暖かくなってきた日差しを浴びて気持ちよくなったのか、研磨がテレビゲームの途中で欠伸をした。
「研磨、眠くなった?だったら対戦やめて寝てもいいよ?」
「んー……そうする……」
私の言葉にそう返した研磨はコントローラーをテーブルに置いて、ソファーに横たわると同時に隣に座る私の膝に頭を乗せる。
「えっ、ちょっと、研磨!?いきなり何!?」
「んん~……涼うるさい……静かにして……」
眠気が頂点まで達したらしい研磨は、そんな風に文句を言いながらゆっくりと目を閉じると、すやすやと寝息を立て始めた。
普通にクッションを使うだろうと思っていた私は、膝枕なんて予想外のことをさせられてプチパニックを起こしているというのに。
(うぅ……いくら幼なじみで恋人でも、これはさすがに恥ずかしい……)
研磨と付き合うことになったのは、先月のバレンタイン……新作ゲームが発売されるからと、一緒にデパートに出掛けた時だ。
普段から表情が乏しい研磨だけど、あの日ばかりはソワソワしてたように思える──そして私も違う意味でソワソワしてたけど。
(それで、ゲーム買った帰りにチョコ渡して告白して……)
なんてことを思い出していたら、さっきまでのプチパニックもいつの間にか消えていて小さく息を吐く。
「……………………」
「ん?」
ふと下から視線を感じて見下ろすと、じーっと研磨が私を見上げていた。
「あれっ、お、起きたの?いつの間に」
「涼がブツブツ言っててうるさいから、目が覚めた」
「え、もしかして声に出てた!?静かにしてたつもりなのに……」
「昔からそうだよ。考えてること筒抜けだから、気を付けた方がいいと思う」
そう言って研磨が、ふいっと顔を逸らした瞬間……彼の髪が私の太ももをくすぐる。
「んっ……研磨、あんまり動かないで。くすぐったい」
「そう言う涼は、あんまり可愛い声出さないで。……おれも一応、男だから」
言いながら体を起こした研磨は改めて私に向き直ると、両頬を包み込むように手を添えてさらに距離を詰めてきた。
「クセとはいっても、おれの昼寝タイム邪魔した罪は重いよ」
ちょっとだけ拗ねているような声でそう言って、研磨は私の唇に軽く触れるだけのキスを落とす。
「っ!」
ビックリして言葉が出てこない代わりに、私は顔の熱が一気に上がってきたのを感じて自分でも赤くなっているのが分かった。
「あ……照れた」
「だ!だって私、は、初めてだったし……しかも研磨からしてくるなんて……お、思ってなかったから……」
「……おれだって今のが初めてだよ。お互い様」
言いながら研磨も照れているのか、私から少しだけ距離を取りながら口元を手の甲で隠す。
その顔は、たぶん気のせいかも知れないけど、私以上に赤くなっているように見えた。
「……………………」
明らかに照れている研磨なんて初めて見たから……かわいいと思った私は、ぎゅうっ、と彼に抱きついてその胸に頬を寄せる。
「、涼?」
ポーカーフェイスとは裏腹に、研磨の心臓がドキドキとうるさいくらい脈打っているのを感じた私は嬉しくなって思わず笑みがこぼれた。
「ふふっ。研磨、大好き」
「っ!……言われなくても、知ってる」
「ね、研磨は?私のこと好き?」
「好きじゃなかったら付き合ってない」
そう言って研磨は私の背中に手を回して、ぎゅうっ、と抱きしめ返してくれる。
それだけで幸せな気持ちになった私はしばらくの間、研磨の腕の中でその幸せに浸っていた。
(君へのこの気持ちは、もう止まらないから)
2019.03.17
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