Trickstar
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星奏館・共有ルーム──僕はそこでスマホを傍らのテーブルに置いて、テレビゲームのオンライン対戦をプレイしている。
『あー!また負けたー!』
「ふっふっふ〜♪ゲームで僕に勝とうなんて十年早いよ、あんずちゃん」
……そう、対戦の相手は僕らの頼れる『プロデューサー』のあんずちゃん。
彼女は寮に入れないから、最近はこうしてスマホのリモートで交流してる。
『真くん、ホントにゲーム強いねぇ。私なんて素人丸出しで、手も足も出なかったよ』
「あはは。そこはまぁ『慣れ』が一番大きいかな。だからあんずちゃんも、やってくうちに強くなると思うよ」
『は〜、なるほど〜。あ、そういえば真くん、今日ほとんどオフだったよね?』
「あぁうん。バースデーイベントの打ち合わせだけだったからね。そこからゲームする流れになった訳だけど」
『あはは、そうだった。開演までまだ時間あるよね。集合ついでに、ご飯食べに行かない?』
「えっ……!?」
突然の、しかもあんずちゃんからのお誘いにビックリして声が上擦った。
『あれ、ダメだった?予定あったりするかな?』
「え、あっ……だ、大丈夫!予定とか全然ないから!」
『良かった~。じゃあ待ち合わせは、30分後に『シナモン』でいい?』
「うん、分かったよ。じゃあ、また後でね」
そう言って一旦リモートを解除したあと、僕は急いで部屋に戻り出掛ける準備を始めるのだった。
それから30分後──あんずちゃんに指定された場所『シナモン』の前に着いた。
(うぅ……なんか、緊張してきた……でもあんずちゃんを待たせる訳にいかないし)
そう思って中に入った瞬間、パン!パァン!と何かが破裂する音が聞こえ思わず身構える──と。
「「ハッピーバースデー!!」」
「え……ええっ!?」
お店の中にはあんずちゃんだけじゃなく、クラッカーを僕に向けている明星くんや衣更くんの姿もあって驚いた。
「あはは!ウッキ〜ってばビックリしてる〜♪」
「そりゃそうだろ。騙し討ちみたいなことしたんだから」
「ごめんね、真くん。スバルくんがどうしてもイベント前に皆で祝いたいって言うから」
楽しそうな明星くんとは対照的に、あんずちゃんは申し訳なさそうに顔の前で両手を合わせている。
「あ、はは……大丈夫だよ。薄々そんな気はしてたから」
そもそも今日に限って『Trickstar』で僕だけほとんどオフなんて、ちょっとおかしいな~とは思ってたしね……うん。
「ほらほらウッキ〜、立ってないで座って座って」
明星くんに促されて席に座ると、氷鷹くんがケーキを持ってきてくれた。
「改めて、遊木。誕生日おめでとう。これからも『Trickstar』の仲間として、そして良き友としてよろしく頼む」
「ホッケ〜ってば堅〜い。もっとハッピーな感じで祝おうよ!」
「北斗らしくていいんじゃね?むしろハッピーな感じの北斗って違和感しかないだろ」
苦笑しながら明星くんにツッコミを入れる衣更くんという、いつもと変わらない光景を見て僕も思わず笑ってしまう。
(やっぱり僕、この三人と……ううん、あんずちゃんも入れて四人でいる時間がすごい好きなんだなぁ)
改めてそう実感して、僕はイベントまでの時間を『Trickstar』の皆と楽しく賑やかに過ごしたのだった。
Sunny Load
(これからも皆と、肩を並べて歩いて行きたい)
Happy Birthday !! for MAKOTO♪
2022.04.30