LIGHT BLUE
11月に入ってすぐの日曜日の部活終わり、時間は16時。まだ時間があるということで、4人で遊びに行ったようだ。
隼弥「冬樹さ、最近なんか変わったことある?」
冬樹「俺?変わったことって特に…」
隼弥「恋とか」
図星をつかれた冬樹くん、黙ってにやけてしまった。
朱哉「恋してんの?」
冬樹「してる。てか隼弥なんで知ってんの」
隼弥「元中からの目撃情報が多数。でみんな俺に聞いてくる。」
冬樹「ひゃー。東町怖い。」
隼弥「空真先輩と空真先輩のお姉さん2人ともに見られてたらしいけどな」
冬樹「まじかよ」
紫音「なに、彼女いるの??」
冬樹「まだ付き合ってない」
朱哉「まだ、ね。まだ。」
冬樹「でも付き合う?みたいな話は出てて、もう少し様子見してから決めよって」
朱哉「まじかよ。」
冬樹「告白されて、俺は良いよって返事したけどね。」
実は周りの人にはこの話、1つもしていなかった冬樹くん。恥ずかしいんだって。
紫音「てか空真先輩やそのお姉さんに見られてるってことは地元の人?」
冬樹「うん。緑沢高校。の、なぜかソフテニのマネージャーやってる。男子の。」
隼弥「びっくりしたよね本当に」
冬樹「県大会の時マネージャーの仕事してるとこ見て爆笑したら怒られたもん」
朱哉「あ、新人戦の時冬樹とずっと話してた女の子??」
冬樹「そうそう。しかも県大会見に来ただけなのに顧問に見つかった途端マネの仕事させられてるってキレてたけど」
紫音「確かに冬樹が女の子とずっと話してるよねーっていう話をこっちでしてたもんね」
隼弥「全然知らんかった。てか陽菜が会場にいたことすら知らんかったけど」
冬樹「視野が狭いんだよいつも隼弥は」
隼弥「すいませんねいつも」
隼弥と冬樹はかれこれ幼稚園からの腐れ縁。でも実は、こう見えて冬樹のほうがしっかりしてますからね。昔から。
朱哉「写真とかないの?」
冬樹「いっぱいあるよ」
と、冬樹は写真を見せたようだ。
紫音「距離感近いしもう付き合ってるよねって言いたくなる」
冬樹「俺が告白の返事してからずっとこんな調子」
朱哉「いやもう付き合ってるじゃん。様子見にする意味とは」
冬樹「でもそれは、これから付き合ってやっていけるか分からないし、みたいな理由だからね。俺も過去に、両思いになったけどすぐに別れた経験あるから尚更」
隼弥「なんかあったねそんなこと。中3だっけあれ?」
冬樹「中3のね、クリスマス前とかだった気がする」
隼弥「あんなに言っててやっと付き合ったのにすぐ別れたのびっくりした」
朱哉「似たようなこと俺も経験ある。付き合った途端、何か違うって」
冬樹「難しいよね。」
朱哉「しかも元カノとカウントしたくない」
冬樹「超分かる。だから慎重になっちゃうよね」
冬樹の過去の経験上、今は様子見の期間のようだ。でもまあ、付き合ってると同様なもんだ。
紫音「恋愛か…。もう最近考えたくもない」
朱哉「正直恋愛しなくても生きてけるからな」
紫音「そうなんだよね。でも周りみんな良い恋愛してるし羨ましい気持ちはある」
隼弥「いいんだよもう、」
紫音「俺の場合は出会いがあったとしても本当にしばらく無理そうだもん。俺自身が恋愛することを拒否してる感じはする。自分が思ってる以上に」
冬樹「まあ自分のペースだと思うよ。でも紫音の場合は言い寄られることはありそう。モテるから」
紫音「それがあったんだよな。」
冬樹「あ、まじであったのか」
紫音「っても元カノなんだけどさ。でも星羅の件も知ってるし、その件で俺もよく相談した相手だし。でも俺は今恋愛できないと思うって話もしてるし、何ならつい最近彼氏できたみたいだからな」
朱哉「あー。前言ってた子??」
紫音「そう。絢音って言うんだけど」
朱哉「写真見たことあるけど、めっちゃ可愛いよ。」
紫音が言っている女の子は、それこそ星羅ちゃんと中学の時から一緒に吹奏楽をやっていた西星高校の女の子。ていうか紫音くん、西星高校にはソフトテニス部のみならず、元中が多い吹奏楽部にも知り合い多いんです。彼ら世代の南聖中は、ソフトテニス部と吹奏楽部が全国大会に行くような強い部活でしたから。
紫音「でも付き合ってた時は、俺はやっぱり星羅のこと忘れられないし、そんな状態で付き合うのも申し訳ないからって言って別れたし、それから今までもちょいちょい、向こうが俺の事好きだみたいな発言は色々と聞いてた。」
冬樹「でもそこまでして好きな人のこと想うって中々すごいよね」
紫音「だから俺たち、それぞれ別の相手に追いかけてばっかの一直線なんだよ。」
隼弥「他にもいるの?」
紫音「いたらしい。その絢音と付き合ったの、俺の後輩なんだけど」
ちなみに、絢音ちゃんに彼氏ができたのはつい3日前の話で、その話を聞いたのは昨日こ話らしい。
紫音「白浜高校に梅野斗亜っていう、中学の後輩で、背の高いイケメンがいるんだけど」
朱哉「南聖中のさ、岡崎梅野ペアの?」
紫音「そうそう。そっちのほうが浸透してるか、強かったから」
冬樹「あれ、俺新人戦の時当たったかも。相手の前衛がくそイケメンじゃんって詠斗と話してた」
紫音「あー、確かに冬樹たちと2回戦だかで当たってた気がする。で、斗亜から昨日の夜急に話したいですって言われて通話して、話聞いた。」
隼弥「どんな感じで??」
紫音「先輩は正直どう思ってます?って聞かれて、色々と話して。でも俺は別に絢音に関してはそういうつもりでは接してないし、知ってる通り俺は今の状態では恋愛できないし、更に斗亜は、絢音が俺と付き合ってた時から絢音のこと好きだったらしいけど、だから誰にも言えなかったって。だから俺の事気にしないで斗亜なりに頑張りな、とは言った」
冬樹「いい先輩だな」
紫音「むしろいい後輩だよ、斗亜と、あと岡崎真宙はね。普段生意気に接してくる後輩もあいつらくらいだわ。星の里にはいない」
まあ昔からの仲というのもあるのだが、紫音にとっては中学の後輩の一部とはかなり仲良い。斗亜くんも、その中の1人だそうで。普段は生意気言ってくるそうだが、紫音のことは本気で尊敬している後輩だそうだ。星の里高校の後輩には、紫音にとって彼らのような存在の後輩はまだいないようだ。
朱哉「やっぱさ。恋愛ってみんなそれぞれ、濃い話になるよね。」
隼弥「本気で恋愛する分、色々とあるってことか。」
紫音「だって朱哉もね、ね??」
朱哉「うるせえよ」
冬樹「当時別の人と付き合っていたところを簡単に取ったもんね」
朱哉「まあ傍から見ればそうかもな。でもその時彩里と付き合ってた土崎さん、今は萌優先輩とラブラブしてるし」
紫音「やっぱりそうだよね?」
朱哉「しかも萌優先輩も何だかんだずっと、土崎さんのこと好きだったらしいよ。だから大会とかで会えるから、それが楽しみだったらしくて、女テニではみんな面白がってたらしい」
隼弥「確かその2人、睦巳先輩と同じ中学だよね?」
朱哉「そうそう。」
朱哉が今の彼女の彩里ちゃんともう一度付き合う前に、彩里ちゃんには付き合ってる人がいた。それが彩里ちゃんと同じ東江南高校の、1つ上のソフトテニス部の、土崎朽。
ちなみに朱哉のお兄ちゃんが東江南高校だったのと、朱哉自身も東江南地区に住んでいるので中学の時に東江南の中高ソフトテニス部の交流会などがあり、それから知り合いだったようで。
冬樹「俺も、みんなに良い報告できるようにします。」
紫音「頑張れよ、最近かっこよくなったと思ったらな」
隼弥「恋してるからかっこよくなったのか」
朱哉「オシャレにも目覚めてるよね」
冬樹「うるせえよ」
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