LIGHT BLUE
3年生も二学期に突入。その、初日の朝。
同じ時間に、東区の中部駅から電車に乗った睦巳と岳人。車内で、同じ学校の女の子と目が合った睦巳くん。それは、女テニの萌優ちゃんですが。
萌優「ねえ、なんで今笑った?」
睦巳「いやだって、ねえ?まさか」
萌優「静かにしておくれ」
睦巳「まさかねえ、あの萌優がねえ?」
萌優「黙ろうか」
何やら、睦巳が知っている萌優の話があるようだ。
岳人「どうしたの?」
萌優「別になんでもないよ」
岳人「何でもなさそうに見えないけどな」
萌優「睦巳のせいだ、」
睦巳「いずれは広まるって」
萌優「一部知ってるからな」
睦巳「後日談聞きたい」
岳人「だから何があったのって?」
睦巳「…言っていい?」
萌優「これ以上広めないならいいよ。てか私が言うわ」
お盆休み中に、萌優や睦巳たち世代の柏第二中ソフトテニス部が集まって、テニスをしてから焼肉をしたり花火をした日があった。焼肉と花火は、東江南高校の土崎朽の家で行い、その日は土崎家は朽以外みんな、母親の実家がある一橋市に行っていたようで使用したらしい。
萌優「土崎朽いるじゃん。東江南の。あいつと…ね、共に一夜を過ごした日があって」
岳人「え、ってことは…したの??」
萌優「うん。」
睦巳「それで次の日に忘れ物取りに行ったら2人でいやがるからびびったよね」
萌優「しかも私普通にあいつの服着てたからね」
睦巳「本当よ。」
岳人「てか付き合ってる訳では…」
萌優「付き合ってはない。」
睦巳「でも萌優が人生で好きになった男の人って今のところ朽だけだもんね」
萌優「人生でガチ恋したのは朽だけだわ。」
岳人「それいつの話?」
萌優「全然中学の時だよ。」
岳人「そっか同じ中学か。」
睦巳「しかも1回付き合いかけたよね」
萌優「色々とあって付き合わずに終わったけどね。ったって高校上がる時の話だし、当時女テニが恋愛禁止だったからだけど」
そう、その2人、中学の時はお互い惹かれあっていたのですが、そこに気づくのが遅かったんですよね。
萌優「でも朽って高校生になってからわりと濃い恋愛してるから、その話してて、置いてかれた気分になったなーって。中学の時は、お互いがお互い初恋同士で、その時まだお互い恋愛経験はなかったし」
岳人「だから、したってこと?」
萌優「まあ、私はね。向こうはどう思ってしたのか分からんけど、別に嫌じゃなかったし、私は初めてだったけど、この人ならはじめて捧げても後悔しないな、とは思ったの。」
睦巳「ちゃんとその辺考えてるあたりは男テニの奴らよりは偉いよな」
萌優「結果的にヤったのには変わりないけどな。でもあの人に初体験捧げて後悔した、とかそういう話よく周りから聞いてるから」
岳人「まあ、当時好きだったとか付き合ってたとかならまだ分かるけどね。別に何も無いような関係だったら後悔するかもね」
萌優「先輩とかそういうエグい話よく持ってきてたからな。」
睦巳「あと柚斗もそうじゃね?」
岳人「中学の元カノでしょ??」
高校生にもなると、恋愛経験が豊富になる人は多い。岳人は中学からだったが、睦巳だってわりと最近だし。
睦巳「でも思うけど、朽とはどうなの?実際。」
萌優「分からん。でもこのまままた一緒にいたところで好きになりそうだし、なっていいのかも分からない。お互いの状況もそうだけど、朽が今どういった状況なのか全然分からないもん。進路もそうだけど、人間関係とか。」
岳人「そういうのは睦巳知ってんじゃない?」
睦巳「大体はね。でも恋愛面は今は何も無いっぽいけど」
萌優「それは聞いたけども。でもあいつ割とやってるらしいじゃんああいうこと。だからその辺が分からん。」
睦巳「それは俺も分からんわ。」
岳人「意外とヤリチンなんだね…」
睦巳「高校でおかしくなったわ。イケメンだしそういったことよく誘われるんだろうね。押しかけられると断れない性格だから」
萌優「高校というよりかは3月以降じゃない??」
睦巳「確かにそっか。年度末までそういった話聞かなかったもん。むしろ一緒に烈のこといじってたくらい」
睦巳もよく遊ぶ仲である朽くんだが、2年生の年度末までは本当にそういう話は聞かなかったという。
岳人「やーでも、やっぱり気づいたらそうなる人って多いのかもね段々と」
睦巳「周りにもいっぱいいるだろ」
岳人「いるけどさ。」
萌優「特にソフテニは意外とみんな濃いからね経験が」
睦巳「てか女テニってどんな感じなの?」
萌優「結構みんなやばいよ。」
岳人「美月とかはやばいの知ってるけど」
萌優「美月はすぐ股開くもん。人は選ぶけど」
岳人「あとは?」
萌優「んー。3年は割と少ないけどな。1つ上とか…」
睦巳「あー、なんとなく想像はつくわ」
萌優「しかも1つ上の先輩ってわりと男テニと絡みが多かったから」
岳人「たしかにな。」
萌優「あと2年生もちょいちょいーと。茉鈴もだし、新菜もかも実は結構」
睦巳「いや、新菜は相手が楓だから想像つく」
岳人「入部当初とか前の彼女とのそういう話聞いてたからな」
男子もだが、女子も結構みんな、濃い経験しているようた。女テニでも、話はよく盛り上がるらしい。
萌優「でも私がこんなにも早く仲間入りするとは思わなかった」
睦巳「てか朽とこれからどうすんのよ」
萌優「とりあえずモヤモヤしたままも嫌だからって思って明後日会うから、その時次第かなーとは思う。」
睦巳「何考えてるか聞かないと分からんからなあいつ」
萌優「そうなんだよ」
岳人「てかその話広まったらネタだよね」
萌優「本当だよ。だから今は言うなよ。分かった?」
朝から濃い話をした3人でした。
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