LIGHT BLUE
8月後半のある休日、久しぶりにテニスをすることになった東江南高校の3年生ソフトテニス部男子と、北陽学園3年生の空都。そして、今回は空都と仲良しの北陽の同期、立原零斗も着いてきたようだ。
その後は、恒例のご飯。
友輔「てか、これから空都誘ったらいつでも来れるってことだよね」
空都「そういうこと。でも多分俺よりみんなのほうが忙しいしょ、受験やらなんやら」
朽「そういう空都は受験ないの??」
空都「あるけど面接だけとかそんな感じ」
聖人「いいね楽で」
友輔「俺もテニスバリバリやってたら受験生一瞬で終わっただろうな」
貴久「いや分かるー。」
空都「逆に俺はテニスやってなかったら大学行けてたんだろうかってなる」
零斗「行けないことはないけど保証はしないよ、みたいな感じ」
空都「確かに。俺成績もバカだからさ」
空都が東江南高校のソフトテニス部と仲良くなったのは、彼女の紬との繋がりだったから。紬が最初、部活に入っていなかった時期に東江南地区にある公園で一緒にテニスをしたのだが、その時に女テニ数人と会ったのがきっかけで、それから後日は男テニの人達とも関わるようになり、テニス以外でも東江南のメンバーとは、特に朽などは遊んだりしてある仲である。
ちなみに今回着いてきた零斗は、緑陽市出身なので、東江南高校のメンツも何人か元から知り合いはいる。
貴久「そういえば栄弥たち本気で別れたの知ってる?」
空都「え、そうなの?」
零斗「空都知らなかった?俺知ってるけど」
空都「まじで?でも2年生になってから上手くいってないってのは聞いてたけど」
その中でも石松貴久は、東江南中出身で、強い先輩後輩がたくさんいる学校。北陽の2年生エースの内山栄弥は共通の知り合いだ。
その栄弥は、同じ中学でソフトテニス部だった、緑陽北高校の三澤ゆきと付き合っていたようだ。
空都「逆に朱哉たちめちゃくちゃラブラブじゃない?」
友輔「あ、分かる。ね?」
朽「わざわざ俺を見て言うなや」
空都「まじで土崎日下が朱哉と当たった時の試合見てた時笑いこらえてたもん俺」
友輔「それインドアの地区予選で、たまたま大谷先輩見に来てて聞いたことだけど、あの時の朱哉はガチな目だったよって」
朽「本当に怖かったもん」
貴久「でも同じ学校にいたらやばかっただろうね。朱哉本人は元々東江南来ようとしてたけど」
朽「部内が修羅場だわ、単なる」
空都「俺も朱哉は小学生からの付き合いだけど、あいつ年上にも容赦ないもんなー。」
貴久「朱哉と中学同じだけど、中学の時俺の同期と喧嘩してたのまじでやばかった。でも朱哉のほうが上手いから俺らの学年みんな歯が立たないって感じだったけど」
零斗「でも雰囲気なんとなく分かる」
貴久「今は全然やわらかくなったけどね。それこそ彩里と復縁したくらいから、性格も良くなったと思う。」
聖人「彩里も言ってたよねそれ」
そしてここで朽が、あることをぶっちゃける。彩里ちゃんと少し付き合ってましたからね。
朽「でも俺別に、彩里のことは引きずってもないし、むしろ朱哉なら仕方ないかって思うし気にしてない。逆に俺は俺で今違う人のこと好きになっちゃったし」
そこでみんな、ん?!と反応する。
空都「本当に恋多き男だね、朽って」
朽「でも昔好きだった人だよ。中学の時付き合いそうだったけど…ってこの話ほとんど知ってるか。」
友輔「星の里の日景さんだ」
空都「あー、なんかそんな話聞いたかも」
零斗「え、女テニの?日景萌優?」
朽「うん。中学まで同じだったんだけど、お互い両想いだって気づくの遅くて付き合えなかった。」
空都「なんだっけ、星の里の女テニ恋愛ダメだったもんねたしか」
零斗「今年から現役も恋愛解禁されてるらしいけどね」
朽「それでこの前中学のソフテニで集まって焼肉してたんだけど、その後に萌優と共に一夜を過ごして」
聖人「ちょっとまって、」
友輔「意外と展開が早かった」
朽「そういう雰囲気になったんだもん。」
貴久「それで今はどういう状況なの?」
朽「とりあえず様子見。お互いの近況とかよく知らないし、1から向き合い直そうってところ」
朽は今、初恋の女の子のことをまた好きになったようで。その女の子は星の里高校のソフトテニス部の日景萌優。プレーも迫力な女の子で、かなり有名人ですからね。
零斗「でもこう考えると、てか空都の彼女もそうだけど、普段大会とかで見てて強烈なプレーとかしてる女子も多いけど、彼氏と仲良くするの見てやっぱ女子だなーって思う人多い。」
空都「森ちゃんの彼女とかね」
朽「え、それインスタ見てびっくりしたんだけど」
友輔「え、誰と?」
空都「広島学園の中谷って分かる?ちょっと色素薄い系の」
聖人「あれ、東区のじゃない?北柏中の」
友輔「ああー、分かった。」
貴久「北陽のソフテニもやっぱ引退してみんな彼女できたりしてる?」
零斗「でも大半元から関係持ってたよね」
空都「ね。俺もだし、日塔中山もだし、零斗もこう見えて最近彼女できたから」
聖人「あ、まじで?!おめでとう」
零斗「ありがとう。俺に至っては高一のこともあって1回嫌われかけたからね」
ちなみに零斗の身に、高一の時に起きた事というのも結構、市内の北区や西区では有名でして。
零斗「高1の夏かな?北陽で女テニすぐ辞めた人がいるんだけど、その人に好かれて?たのかしつこく付きまとわれた時があって。で、一歩間違ってたらヤらされてたもん。でもそれを、その女が今の彼女に向けて嫌味ったらしく作り話伝えるから」
空都「ちなみに零斗は今の彼女のことはずっと好きでした」
零斗「恥ずいわ。それで1回嫌われたけど、なんとか誤解解くことができてまた仲良くなって、みたいな。誤解解けたのは小田原瞬のおかげだけど。」
友輔「ああ、藤の台北中か。」
零斗「そうそう。で、後から聞いた話だと、白工の古川柚希も、俺に標的が来る前に、同じ女に同じ目に遭ってたらしいよ。」
貴久「古川くんも今彼女いるよね」
零斗「今はね。しかも今の柚希の彼女、豊田柚斗の元カノだからね」
空都「エグいなぁ色々と」
朽「俺その話、白工のソフテニの友達に聞いたことある」
友輔「ああ、橋場くんね。」
朽「でもさっきの零斗くんの話、女子だけじゃなくて男子にも思うかも、よく」
朽の言葉に、たしかに、とみんな納得。
空都「それがギャップっていうのもあるかもしれないけどね。テニスの時はガチだけど、恋愛になるとベタベタ甘える、みたいな。俺と紬もそうだもん。」
貴久「でも紬は分かるかもしれない。俺同じクラスだけど、めちゃくちゃJK楽しんでる感じだもん。中学の時は地区違ったけど県大会で試合チラ見した時すげえなって思ってた」
零斗「俺と空都もだよね。クラスではっちゃけてよく怒られる」
友輔「っていうのもさ、他校の人とかってテニス面でしか知らない人って多いわけじゃん。それがあるのかも」
聖人「確かに。空都はよくテニス以外でもこうやって話すから色々と想像はつくけど、他の北陽の人は…みたいな。」
空都「まあ、北陽だけじゃない。星の里とか強い人多いけど、彼女とラブラブしてんのも多いじゃん。俺もあの人たちは想像つかんかも。例えば朽とかは睦巳と仲良いけど」
朽「あー。言われてみればな。」
零斗「で、それが男女の場合恋愛に繋がる可能性もなくはないってことか」
空都「プライベートで関わってみたら、こんな人だったんだーみたいな感じでね」
確かによく考えると、他校のソフトテニス部の人達は、テニス面でしか知らない人だって多い。てか、ほとんどそうだ。
朽「でもギャップはまじで分かる。多分みんな萌優のプレーは元気でかっこいいの想像つくと思うけど、そんな人にくっつかれたり甘えられてみな??そんなん惚れるわ」
空都「いやもう完全に惚れてるなこれ」
朽「まじでやばいよ。なんだろ、女性らしさって言うの?」
聖人「でも朽の場合幼なじみ?みたいな感じだよね」
朽「それでもお互い会ったらノリ騒がしいし、普段はそんなもん。」
貴久「想像つくわ」
朽「で、まあ先日そういう行為を行ったわけですけど、てか多分その時に惚れた。女性らしさっていうか、そんなところが」
友輔「やっぱり朽が1番好きになった女の子だなってだけあるよね、話聞いてたら」
空都「何かあったら相談乗ってあげるからね。」
朽「電話するわ。」
引退しても、彼らはずっと仲良しな様子です。
12/30ページ