部活を引退し、残りの夏休みは実家へ帰省している徹也くん。市内の中心部で、何だかんだ仲良しの玲矢と遊んだ後、帰ろうとした時。



菜緒子｢あれ、藤川吉岡ペア｣

と、北春日商業高校の制服を着た女の子がやってきた。彼女の名は、大内菜緒子。同じ島居中出身の、彼らとは幼稚園から、少年団も小学校も中学校も同じなのだ。


徹也｢なんかこのメンツ久しぶりだな｣
菜緒子｢ここにのどかもいたら完璧だった｣
玲矢｢男女1番手同士でな｣

ちなみに菜緒子の中学時代のペア、三橋のどかは一つ下。玲矢と同じ学校で、その玲矢とも付き合って1年以上経ってるのだ。


菜緒子｢てかこれから暇？｣
玲矢｢暇だけど…｣
菜緒子｢なんか食べよ。久々に話したい、特に徹也｣
徹也｢確かにあんまり話さないもんね｣
玲矢｢俺は良いけど、菜緒子の彼氏大丈夫？｣
菜緒子｢多分。｣
玲矢｢多分ておい｣

徹也｢でもここみんな、彼氏彼女いるって思うとすごいよね｣
菜緒子｢徹也の彼女さんめっちゃ可愛いよね、早音と同じ中学の人らしいけど、中学でもモテてたけど、バスケ強くて、それでバスケに集中したからってずっと彼氏作ってなかったらしいよ｣
玲矢｢それ淋からも聞いた｣
徹也｢中の島中繋がりがすごいな｣


徹也の彼女の地元も同じ北春日市。それがきっかけで仲良くなったのもあるが、中の島中はソフトテニス部も人数多くて強いので、共通した知り合いが多いのだ。


そしてご飯を食べに行く3人。一応玲矢がのどかを誘ってみたら、今から来るとのことで、しばらくして合流した。


のどか｢何だかなつかしいメンツ｣
菜緒子｢次はテニスかな｣
徹也｢受験生いるからなここに、特にこいつ｣
玲矢｢でもテニスはしたい｣
のどか｢徹也くん帰ってきたらだな、特訓させて｣
玲矢｢てか菜緒子って結局大丈夫なの？足は｣
菜緒子｢あー、んーとね…｣
徹也｢そういえば、県総体は出てたけど｣


菜緒子ちゃん、実は昨年の秋に靭帯の手術をしていて、2年生の後半の大会はすべて不参加。3年生最後の地区総体から県総体までは出場した。



菜緒子｢でももうテニス引退かな、とは思う。大学でプレイヤーはしないと思う｣
徹也｢てか大学行くんだ｣
菜緒子｢指定校使ってね。｣
のどか｢じゃあ菜緒子ちゃん、次はマネとかどう？？｣
菜緒子｢それもありかなーとは思うけど…現役でやりたくなってきそうだな｣
のどか｢やっぱり現役が1番だよね｣
菜緒子｢でももう本気でできないからな、足の問題が…｣

徹也｢確かに結構リスク高いよね｣
菜緒子｢星の里にもいた？そういう人｣
徹也｢ソフテニは去年の女子の先輩にいた。県総体の試合中に足怪我して、直後に手術して、って。でも最後の県大会は出てたっぽいけど、大学では続けてない。｣
玲矢｢空真の元カノさんだっけそれ？｣
徹也｢あ、そうそう。｣
玲矢｢空真がその時期投稿してたの覚えてる｣


ちなみに玲矢くん、星の里高校のソフトテニス部男子と知り合いが多いですからね。何しろ、直前まで進学に迷っていましたから。



菜緒子｢てか徹也の恋バナ聞きたい｣
のどか｢あ、聞きたーい！！｣
玲矢｢確かに、徹也がどこまで積極的になったのか興味湧くよね。｣
徹也｢玲矢には嫌ほど話してるだろ｣
玲矢｢なんならエッチな話だってしてくるからね｣
菜緒子｢徹也も大人になったな。｣
徹也｢バカにしてるな、昔の俺と今の俺は違うからな｣
菜緒子｢ひゃー怒られた｣

のどか｢でも結局は慣れたからってことなのか、とは思う｣
菜緒子｢あー。何事にも慣れは大切｣
玲矢｢それは俺も思うわ。｣
のどか｢でも玲矢は、それまでのことは結構すんなりだったよね｣
徹也｢俺はそれまでのこともすんなりいかなかった奴だったからな｣
玲矢｢まあそうだな｣


それまでのこと…つまり、キスまでのことって意味ですけどね。


玲矢｢まあ俺は、年上だからちょっと余裕ぶりたかったっていうのはある｣
のどか｢よく言ってるねその話｣
菜緒子｢私も年上の人と付き合ってた時、相手が年上だから私も大人っぽくならなきゃとか思ってた。その人が初めての相手だったんだけど、結局は無理してた…かも｣
のどか｢逆に徹也くんは彼女さん同い年だっけ？｣
徹也｢そう。お互い過去の経験も同じくらいだったし、俺はあんまり気を使うことはなかった｣

菜緒子｢でも玲矢とのどかみたいな幼なじみの年の差でもそういうことあるんだなぁと｣
のどか｢でもどちらにせよはじめては緊張するよ｣
玲矢｢お互い初めてだから余計にね｣
菜緒子｢そっかそれもあるのか…。私の初体験の相手が年上だったし、慣れてたから、彼のペースでやってたなあ｣
徹也｢まあ菜緒子みたいな経験豊富な人はそうなんだろうね｣
菜緒子｢思ったけど私と徹也って真反対だよね、恋愛のタイプが｣




ちなみにそんな菜緒子が初恋の相手だという徹也くん。知ってるのは、玲矢だけですが、この中では。

幼なじみ同士のお話も、沢山盛り上がったようです。