LIGHT BLUE
インターハイを来週に控えている星の里高校。今年は団体戦も出場を決めているため、チーム全員で応援に行くことになった。そのため、強豪校との練習試合なども行う遠征のため、長い長い、夏の遠征となる。
その、夜の話。
青葉「ねえ、あいつもしかして彼女と通話してる??」
海吏「してる。絶対してる。めちゃくちゃデレてるから絶対そう」
晴高「ちょっと面白いから観察だな」
つまり言うと、相崎陽くんが今、スマホにイヤホン繋げて、通話中の様子。
そして、やたらとデレデレしている様子だ。
イヤホンしているため、周りの会話は聞こえていない様子だ。
和己「というかこいつ彼女のことになるとこんな顔するよな」
海吏「言いたいことは分かる。普段クールぶってるくせにな」
恵一「寮でも彼女と通話する時こんな感じ。見てるこっちが悲しくなる」
晴高「そっか、恵ちゃんからすると見慣れた光景か」
恵一「そうだよ、惚気も聞かされるし。」
宗平「まあ遠距離だから仕方ないってのもあるのかな」
江南市と北別市の遠距離恋愛ですからね、陽くんは。
和己「あとで恋バナ聞かせて貰うとするか」
青葉「ナイスアイデア」
晴高「まずこの通話がいつ終わるかだな」
と話してた中で、海吏が行動に出る。
陽の目の前に行って、デレデレしている様子を写真撮ったのだ。
陽「うわ?!」
海吏「このデレデレな陽を写真に収めることができた」
陽「いやお前消せ!!!」
晴高「あのね、さっきからみんなで陽の様子をニヤニヤしながら見てたの」
陽「いやふざけんな。俺も全然気づかなかったわ。」
とここで、陽の彼女の柚羅ちゃんも、いい時間なので寝るということで、電話を切ったようだ。
宗平「あー面白かった」
恵一「いいじゃんいつも見せびらかしてるんだから俺らには。そして仕舞いには電話終わったら俺に惚気けてくるもんな」
和己「恵ちゃんお怒りです」
海吏「てか何の話してたの?テニスの話してるのかなーとは思ってたけど」
陽「そこまで聞いてたんかい」
海吏「聞こえるんだわ」
陽「んっとね、今日北別の新人戦あって、女子シングルスで優勝したって言ってた」
晴高「え、すげえ」
陽「んね。北別の女子の2年生結構強い人多いから特に。」
宗平「あれ、陽の彼女さんってどこの中学の人なの?1つ上なのは分かるけど」
陽「北別向陽中。楓先輩と同じ」
宗平「あ、そうなんだ!」
陽「それで楓先輩が去年まで付き合ってた元カノの、元ペア」
和己「…なるほど」
ちなみに楓先輩が去年までいた彼女のことも、知ってる人は知ってますからね。
晴高「2年の全中の時だっけ?楓先輩が彼女とここまでしたーって話したの」
海吏「それ覚えてる。何校かでご飯食べてた時じゃない?」
和己「中学生の会話じゃねえなって思ったもん」
青葉「え、なに、エッチな話とかしてたの?」
晴高「そう。」
陽「楓先輩らしいわ。」
ちなみに晴高、海吏、和己の3人は2年生の時に江南北中が団体で全中に出場。まあ、3年生の時も出てたけどね。
陽「で、その楓先輩の元カノと、柚羅の元彼がくっついて、っていう話。だから楓先輩も柚羅もお互い同じように裏切られて振られた、みたいな感じ」
青葉「結構ドロドロしてるな」
陽「ね。ちなみに柚羅と東山先輩も繋がってるらしい、その件で」
海吏「すげえな」
陽「元々テニスで知り合いだったらしいけどね。楓先輩の話聞いた柚羅がすぐに心配かけて電話した時に丁度、楓先輩が東山先輩と一緒にいたらしくて」
恵一「それで楓先輩と東山先輩がお近付きになったと…」
陽「そこは実際そうらしい。」
和己「ソフテニ同士のカップルって何気にあの先輩たちだけだよね」
晴高「でも学校とかではそんなにくっついてるイメージないよね」
青葉「2人きりの時とかにイチャイチャするタイプだと思う」
陽「前の彼女さんの時そうでもなかったけどね。でも同じ競技だし同じクラスだし、っていうもあるから人前ではあまりって前に言ってた」
でも、何だかんだ憧れている後輩たち。彼女のいる学校生活も、良いものなのではないか、と。
青葉「でもそれは分かるかも。」
宗平「そっか瑠菜ちゃんと同じクラス」
青葉「しかもこうなると思わなかったからね。東江南受けてたけど落ちて星の里来たから」
恵一「何だかんだ楽しそうだけどね」
青葉「まあ俺が忙しいからあんまり遊べたり出来てないんだけどね」
海吏「そっか、やっぱこの部活にいると中々難しいよね」
青葉「時間あっても、休みたくなっちゃう」
陽「って考えたら先輩たちとかすごいよね。」
和己「たしかにな。」
同じ部活にもリア充は沢山います、特に3年生は。でも、時間作って彼女と遊んだりしている、そんな人達も多いです。
海吏「ちなみにこの中で過去に彼女いたことある人」
と聞くと、この中の和己以外が手を上げた。
和己「いや、俺だけ悲し」
宗平「でもこの中が多いだけで意外と1年生集まったらそういう人多いかもよ?」
晴高「宗平はいつだったの?」
宗平「俺?中2の後半から中3までかなー。女テニの人と付き合ってた。色々あって俺から振ったけど」
恵一「海吏は割と記憶に新しいよね」
海吏「だって高校の練習行くようになったくらいの時はまだ彼女いたもん」
晴高「何で別れたんだっけ?」
海吏「中3の終わりごろ、喧嘩多かったりして上手くいってなかったからね。それで俺もこれから部活忙しくなるし、話し合って別れようってなった」
恵一「俺も同じ感じだった。」
和己「てかいつ彼女いたのさ」
恵一「1番最近だと、中3の1年間かな」
陽「全然知らなかった」
恵一「だって俺、SNSとかそういうのやってないし、周りしか知らなかったかも」
ちなみに恵一くん、SNS全般登録さえしてませんからね、今は。
海吏「せめてそれ全中の時でも教えてくれれば良かったのに」
恵一「たしかに恋バナにはなったけどみんなの話聞いてるだけで良かった。」
晴高「俺の別れ話は存分に聞いたくせに」
和己「しかも晴高ってそれ別れた直後じゃない?」
晴高「そうだよ。てか俺の話ばっかりだったじゃん、皆人とかもだけど北中みんないじってくるから」
青葉「じゃあ女子と付き合ったことある組はみんなキスまでは経験済み?」
陽「というかみんなの初チューいつよ」
青葉「俺は中2の冬休み。瑠菜が初恋であり初カノですからね」
宗平「実は小6だったりする」
恵一「早いな。俺中3だわ」
海吏「俺は中1かな」
晴高「中2だったと思う」
陽「俺も中2だわ。」
和己「みんな結構早いな」
みんな、初カノとファーストキスを経験している人たちですからね。
恵一「でもその先を経験するのはいつなのかなーってちょっと思う」
海吏「そもそも相手ができるか心配になってきてる」
恵一「いや、それな」
陽「経験者いるけどなここに」
晴高「そうだった」
青葉「中3の部活引退したあとだけど。でも言い訳したい。中学のテニス部がみんな早い。俺たち遅い方だよ」
和己「たしかに東江南中のソフテニって幸せな人多いイメージ」
青葉「というか朱哉先輩に至っては中2の冬とかだったはず」
宗平「え、早いな」
青葉「ね。」
晴高「でも環境とか人とかによって違うのかなそういうのって」
陽「俺の彼女も元彼と結構やってた人らしいからね」
海吏「あ、そうなんだ」
宗平「じゃあ陽は近々じゃない??」
陽「いやー分からんけど。でも想像できない」
でも、考えてはいる陽くんでした。
青葉「でもたしかに経験する前は想像はできないけど、1回やっちゃったら余裕は出てくるし、回数重ねれば重ねるほど慣れとか発見とか色々とあるし」
海吏「でも誰もが…なのかは分からんけど、経験することではあるからね」
晴高「確かに数年後に自分が…って思うと」
宗平「青葉先生リスペクトっすわ」
青葉「でも俺も慣れるまで結構時間と回数かかったよ。」
恵一「俺もあの時やってれば今頃童貞じゃなかったのか…」
陽「あ、恵ちゃんも思ったことあったの?」
恵一「元カノの時ね。お泊まりした日あったけど、お互い勇気なくてまた今度にするかーって。その後に別れたから何も無かったけど」
ちなみに、1年生の中で経験者は今のところは青葉だけだ。この先、どう増えて行きますかね。
青葉「とりあえず陽は帰省する前にゴム買っとけ」
陽「いや、やる気マンマンみたいで恥ずいわ」
宗平「でも買って損は無いと思うけどね」
青葉「いつかは使うだろうし、そのいつかのために持っておく、そんな感じ。」
陽「じゃあ青葉先生着いてきて」
恵一「あれ、その気になった?」
陽「いやでも、次会う時にどうなってるのか分からんわ本当に」
青葉「だから持っとけって話だ」
海吏「青葉先生の講座が始まりますね」
晴高「ベテランは違うわ」
なんて、夜も楽しい話をしていました。
17/30ページ