LIGHT BLUE
部活終わりに、睦巳の家に集まった数人。思い出話をした後、次は恋愛の話で盛り上がっています。
空真「睦巳がこの部屋で彼女とヤってるって思うと」
睦巳「思わなくていいわ」
健一「それ俺の家来た時も言われた」
柚斗「変態だな」
空真「でも図星でしょ??」
睦巳「そうだけどさ、」
先月大人への1歩を踏み出した睦巳くんです。
健一「でも睦巳たちまだ付き合ってちょっとだけど本当にラブラブだよね」
睦巳「まー、元々仲良かったからね、ってのもあるのかな」
空真「でもそれは俺も気持ち分かる。だから次の段階に進むのも早かったというか」
睦巳「それだけ、信頼できてるってことなのかなーとは思う」
柚斗「そういう関係っていいよね」
健一「柚斗って未怜のことは正直どう思ってるの?関係性とかじゃなくて、人間的に」
柚斗「難しいこと言うね。でも、正直よく分からない人だなーとは思う。まあ逆に俺もそう思われてるかもしれないけど。」
柚斗くんも最近、頭を悩ませているのが、関係を持つ女の子のこと。このままでいいのか、と考えるようになったらしい。
柚斗「俺も行為自体に関しては寂しさ埋めるとかストレス発散とかそういう感覚だから…ってところが多分ダメ。でも中途半端なことしたままでいいとは思ってないし、でもだからといって振り切ったところでまた同じこと繰り返しそうだし、だから付き合うってのもそれはそれで中途半端だしなーって」
空真「それで最近頭を悩ませているような感じなのね」
柚斗「バレた?」
健一「逆に柚斗は未怜のことは、今はいいとして、今後恋愛対象として見れる可能性はあると思うの?」
柚斗「うーん…なくはない、ってところ」
睦巳「ちょっとは可能性はあるってことだね」
柚斗「多分ね。今後どう接していけるかによる。だから俺も近々ちゃんと本気で話さなきゃなーとは思う」
最初は最初でしたが、最近は柚斗くんなりに色々と考えているようで。
睦巳「無理すんなよ、なんかあったら相談乗ってやるよ」
柚斗「その時は頼むわ。」
健一「なんか最初の頃沢山いじってたの申し訳なくなってきたわ」
柚斗「いや、最初は俺もこんな風になると思ってなかったし軽い気持ちだったからいいよ別に」
空真「でも何だかんだ優しいところは変わらないよなーって思う。ちゃんとしっかり考えているところとか」
空真に突如褒められ、戸惑う柚斗くんでありました。
睦巳「そういえば古川くんの話聞いた??」
柚斗「忘れた頃に柚希たちのぶっ込んで来たな」
睦巳「あ、すまん」
柚斗「てかあの二人結構すごいんでしょ?その、そういう意味で」
健一「柚斗も結構その話知ってるんだな」
柚斗「前も言ったけど、柚希のクラスメイトが俺の中学の時の友達だからさ、結構色々と聞いちゃう」
空真「それでどう思ってんのさ」
柚斗「いや、その2人ってそんな人だったんだなーって。まあ女の方は俺が原因でそうなったんだろうけど」
睦巳「でも柚斗、正直どうでもいいけど実際面白いんでしょその話」
柚斗「正直ね。なんか気になっちゃうよね。その2人の関係性が。柚希だからってのもあるかもしれない」
柚斗くんの元カノ、瑠愛ちゃんという名前の子がいて、中学時代の女子ソフトテニス部の部長だった子で、柚斗とは中学時代に付き合っていた。今は、白石工業の古川柚希くんと付き合ってるようだ。
柚斗「でも柚希も1年の時だっけな?結構女性絡みで酷い目にあったことあるらしいよ、」
睦巳「なんだっけ、烈から聞いたんだよなその話…」
柚斗「結果的に未遂だったけど他校の女子にほぼ強制的にやらされそうになった話」
睦巳「ああ、中学の時どこかのテニス部だったよね?」
健一「え、市内のソフテニの人?」
柚斗「バリバリ市内。でも西区の人だから分かるかな?西中だった人で、北陽行ったけどすぐ部活辞めた」
健一「聞いた事あるかもしれない。女子で瞬速で辞めた人いるって聞いたから」
空真「じゃあ知ってる人は知ってる、って感じか」
柚斗「でも北陽のソフテニからも嫌われてるらしいよ。立原とも色々あって、その件以降」
空真「繋がりがやばいな」
立原くんとは北陽の男子ソフトテニス部の1人である。
柚斗「てか単純に言うと、その女が最初柚希狙って近づいてたけど、無理そうだったから途中で立原に変えただけっていう話」
健一「てかよく知ってるよね」
柚斗「これも全部白工の友達から聞いた。あと立原からも少し聞いた」
空真「でも思うのは、女も男も裏切り者多いよね」
睦巳「そういう話してると怖くなっちゃう」
柚斗「本当に絶望感だよ。裏切られたってわかった時。」
柚斗は昨年その絶望感を味わってますからね。他にもそういう人はいっぱいいる。実は駿芽だってそうですし。
睦巳「でもみんなの話聞いてたら、いつ裏切られるかもわからないし、空真みたいに薄々気づいてたってこともあれば、駿芽みたいに突然、ってこともあるし、」
空真「まあ…でもその人次第なのかな。」
柚斗「猫かぶってる人は最終的にはそうなるってこと、じゃないかな。それを見抜けるかどうか」
健一「いや真面目に怖いわこの話してると」
睦巳「でも経験者が身近にいるからな逆に怖い」
健一「でも志麻なら大丈夫そう」
睦巳「大丈夫だと信じたい。ここまで自分のこと好きだってストレートに伝えてくれる人はじめてだし、だからこそ俺も今までの彼女の中で1番好きだし大切にしたいって思う存在」
柚斗「かっけえ」
空真「でも恋愛で裏切られるって結構トラウマに来るっぽいからな。俺は別にショックは大きくなかったけど、柚斗思い出せ」
健一「部活で過呼吸起こして倒れたもんな」
あれは、昨年の12月の話だった……。午後からの部活の日、午前中に柚斗はある女の子に精神メッタメタにされて、午後からの部活で倒れました。
柚斗「でも俺は俺で、まともに女付き合いしてないからな。」
睦巳「まあ柚斗はなんでもかんでも最初からエッチに持ってくと」
空真「でも高校生での柚斗の女付き合いパターン毎回そうじゃない?」
柚斗「確かにそれは図星。気づいたらまともに女付き合いできなくなった」
健一「じゃあもう大学でなんとかなれ」
柚斗「なればいいけどさ」
睦巳「でも、柚斗と未怜って同じ大学だよね」
柚斗「いや、ホントさ。学科は違うけど学部は同じだしさ」
空真「柚斗って大学上がったらこっちで1人暮らしするの?」
柚斗「そういえば空真も大学一緒だから厄介だわ」
空真「ひどいなあ?」
柚斗「そして1人暮らしはする予定だよ。大学まで遠距離通学したくないわ」
柚斗くん、実家から高校まで通うだけでも結構距離ありますからね。
健一「でも未怜と柚斗が大学同じは流石に笑う」
柚斗「俺も笑うわ」
睦巳「もう運命の赤い糸で結ばれてるんじゃない?」
柚斗「もし結ばれてるなら今こんなこと思わないわ」
空真「てか健一と睦巳は高校卒業後は彼女とどうなんの?」
健一「俺も睦巳も遠距離回避です」
空真「お、良かったじゃん」
健一「奈緒はそのまま系列校の東陵学園に進学で、志麻ってたしか専門学校だっけ?」
睦巳「あ、そうそう。リハ専の理学療法士の学科らしい。」
空真「なるほどねー。いや、部員の中にも卒業したら彼女と遠距離になるーって人いるじゃん」
柚斗「あー。いるね、徹也とか」
睦巳「ん、そういえば唯香ちゃんってどこ行くの?」
柚斗「北別看護だって言ってたはず」
高校卒業して、新たに遠距離になる人だっていますからね。徹也などもそのうちの1人だ。
空真「でも大学上がって他の女の子に目移りするのが1番タチ悪いからな」
柚斗「って言ってお前がやりそうじゃん」
空真「しないから、人見知りにそれ言うか」
柚斗「人見知りでも、親しくなった女の人にーとかありそう、」
健一「ありそうだな」
空真「健一にまで言われるのは」
睦巳「でも空真って意外と一途だよね。振られるだけで」
空真「最後の言葉は余計」
健一「確かに空真って振られて終わるパターン多いよね」
空真「てか振られて終わったことしかない」
睦巳「高1の時のやつ懐かしいよね」
柚斗「そういえば今の彼女とは喧嘩するの?」
空真「んー、する時はする、かな。でも普段から素で接してるから、お互いの意見食い違ったりとかそういう時くらい」
空真の今の彼女は、一つ下の幼なじみ的な存在の女の子。少年団時代から仲良くて、今は緑沢高校のソフトテニス部の2年生。中学までも全国大会などの上の大会に多数出場経験もあり、テニスも強い女の子だ。
空真とは昔っから喧嘩ばっかしてる仲でした。
健一「でも空真たちみたいな仲も憧れるよね」
空真「…まあ、仲良くなって何年経つんだよって感じだし、彼女も口悪いかからな」
柚斗「県大会の時見てたけどやり取り面白そうだったよね」
健一「そして何だかんだ大好きなところも可愛いよね空真」
空真「…恥ずいわ」
睦巳「でもこの中では空真が1番まともじゃない?」
健一「考えてみればそうかもしれんな」
睦巳「そうだね。どうしたらそこまで一途に相手のこと思えるんだろうって思う。」
健一「でも空真って、付き合ってみたらベタ惚れするタイプだと思う」
柚斗「あー確かに。」
空真「そうだね、めちゃくちゃ大好きになっちゃうタイプ。」
健一「こいつ恋バナする時結構デレデレしてるもんね」
睦巳「それは分かる。」
実は星の里男子ソフトテニス部の中でも、一途に恋をするタイプである空真くん。
健一「また何かみんな進展あったら聞かせてね」
柚斗「特に睦巳はこれからだと思う」
睦巳「…頑張りマース」
空真「あと柚斗もな」
柚斗「俺は…どうなるんだろうね?」
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