全国交流大会を控えた6月の平日。この日の部活は、西の森翔陽高校の3年生4人との合同練習だったのだ。


その後の話。


駿芽｢千秋ー！！話したかった｣
千秋｢うわお？！中学ぶりじゃね？？話すの｣
駿芽｢多分全中ぶり。｣
亘｢千秋ものすごいイケメンになったね｣
駿芽｢勉強もできてテニスも上手いエリートって｣
空真｢最強じゃん｣

怜樹｢あんまりこいつ褒めすぎないであげて、調子乗るから｣
千秋｢普段から調子乗ってる奴に言われたくないなあ？？｣
怜樹｢ちぇ、なんで俺だけいつも扱い酷いの｣


西の森翔陽高校には、かつて、星の里高校への進学と迷った人が1名。岡本千秋。西の森千台中出身の前衛で、彼の元ペアは全国大会でも活躍している北陽1番手の惣田竜太郎。ということは千秋も中学時代は全国大会常連選手で、駿芽などとも仲良しなのだ。


弥生｢千秋人気者だね｣
伊織｢だって県大会の時とかいつもこんなんだよ。俺怯えるもん｣
貴仁｢逆に俺見た目変わりすぎて分かんなかったって言われる。｣
怜樹｢なんだよこの3人おもしくねーな｣
弥生｢あ、春休みテニスした時に体育館で盛大のコケた怜樹くんだ｣
怜樹｢その話はすんな、てかあれ玲司に引っ掛けられたんだし？｣


ちなみに星の里高校部員の長畑怜樹も西の森市出身。この人たちとも仲良しだ。



怜樹｢あ、みんな、こいつが俺がよく話してる三船伊織、｣
伊織｢ちょっとまて、俺の事ベラベラ喋ってんの？｣
怜樹｢つい｣
伊織｢…お前らしいけど。｣
貴仁｢でも実際この中で交流大会出るの千秋以外だしな｣
千秋｢実はそうなんだよな｣
怜樹｢てか千秋はなんで居るの？｣

千秋｢伊織のパートナーとして来ることになったのがあるけど、1番は合同練習する星の里と1番身近だからって理由で連れて行かされた｣
飛鳥｢千秋ただの付き添い人｣
千秋｢まあ俺もそのおかげでまだ引退してませんけどね｣
広夢｢全中の時の仲間多いもんね｣
千秋｢本当ね。｣
空真｢あとウインターカップも忘れないでね｣
駿芽｢あと都道府県もね｣

でもやっぱり、千秋以外の3人はあまり打ち解けていないよう。


駿芽｢ずっと思ってたけど、貴仁って高校上がってから爽やかになったよね｣
怜樹｢それな｣
貴仁｢中学の時はメガネ野郎だったから｣


そして話してたら、もう1人、西の森出身の人がやってきた。


純希｢お久しぶりです！！｣
弥生｢純希さっきからいた？｣
純希｢いや、いましたけど！！｣
弥生｢相変わらずちっちぇな、でも中学よりは伸びたか｣
千秋｢相変わらず身長でいじられる純希｣
怜樹｢だって中学の時表彰されてる写真とか見たら純希1人だけちっちゃい。｣
弥生｢言いたいことはわかる｣

伊織｢でもぶっちゃけ今、怜樹と純希身長変わらんくね？｣
怜樹｢今は、な｣
伊織｢てことは純希が背伸びて怜樹が伸びない｣
怜樹｢うるさいねー、中学から身長全然伸びてないの分かってるくせに｣
弥生｢てか懐かしいね、怜樹と純希いるだけで俺たち中3の時の頃に戻った気分｣
純希｢俺も平本先輩とペアだった時に戻った感じです｣


純希だけ一つ下だが、彼は2年生の時から市内の表彰台に上がっていたのだ。だから弥生や千秋とも仲良い。



睦巳｢千秋、そういえばいつテニスする？｣
千秋｢いや、思ったのよ。今叶ったよねって。でも怜樹、これは別だって言いたいの？｣
怜樹｢俺の言いたいこと察したな｣

睦巳と怜樹とは、いつかテニスしようねと話していた千秋。その話もしている彼らである。



怜樹｢そういえばみんなどうだった？星の里の練習｣
伊織｢いい練習になった、というかいい経験になったというか。もうちょっと早くから練習試合とかしてみたかった感はある｣
弥生｢千秋が星の里高校に未練あった理由もわかる気はした｣
千秋｢何その言い方、｣

徹也｢え、千秋って星の里の推薦蹴ったの結構後悔してるの？｣
千秋｢部活面で言ったらしてる。でも結局勉強優先して入ったんだからしょうがないか、とは思ってる。そういえば玲矢も同じこと言ってたな｣
徹也｢玲矢も勉強優先で星の里行くのやめたからね。秀才は違うわ｣
貴仁｢でも千秋が公立行ったの結構みんなびっくりしてたよね｣
駿芽｢まず俺もびっくりした｣


というか星の里の人達だいたいびっくりしてます。


千秋｢まあ竜ちゃんが北陽行くのはわかりきってたから俺もどっか私立行くのかって思われてたと思う｣
駿芽｢竜ちゃんの兄ちゃん北陽OBだもん｣
空真｢てか千秋とは星の里の体験で会ったもんね｣
千秋｢うん、ここの大体は会ってる｣
貴仁｢でも千秋って私立は星の里受けてたよね｣
千秋｢星の里しか受けたい私立がなかったからね、逆に。ソフテニは続けたかったから。もし翔陽落ちたらって思ってたけど｣

怜樹｢一緒に行ったよね、星の里の入試｣
千秋｢行ったね。怜樹が部活推薦で俺が併願推薦だったから受ける種類は違ったけど｣
怜樹｢あの後迷子になったよね、｣
千秋｢怜樹はやけになって雪にダイブするしな｣


と、中学の思い出を語る千秋と怜樹。




亘｢…どう？地元での怜樹って｣
伊織｢とりあえずアホ、かな｣
亘｢だよね。こっちでも変わらん｣
怜樹｢何ー？悪口？｣
伊織｢今日やけに騒ぐよね、｣
弥生｢そんなに俺たちと練習するの嬉しいの？｣
怜樹｢何でそーなる。むしろ1番練習したくなかった翔陽と。まあ楽しかったけど｣
駿芽｢楽しかったんかーい｣

怜樹｢そういえば音葉も出るんだっけ今回？｣
千秋｢出るよー。シングルスね｣
怜樹｢本当に出ないの千秋だけじゃん｣
千秋｢うるさいな一々。｣
駿芽｢あれ、西の森第一高校のって千秋の彼女さんだよね？やっぱり？？｣
千秋｢お恥ずかしながら。｣
弥生｢めちゃくちゃラブラブ｣
駿芽｢いつも投稿見て千秋やるなーって思ってる｣


千秋は星の里高校の知り合いとはSNSでも繋がってるので、投稿もよく見られてるようだ。


駿芽｢ちなみにどこまでやったの？｣
飛鳥｢駿芽はすぐそういう質問するー｣
弥生｢こいつもう付き合って長いけど割と…ね、翔陽のソフテニの中では1番経験豊富なんじゃない？？｣
駿芽｢ほー。中学生の時あんなひねくれたこと言ってたのにね｣
千秋｢俺なんて言ったっけ？｣
駿芽｢恋愛なんかしてる時間あったら部活と勉強するわって｣

空真｢ウインターカップの時でしょそれ？覚えてる俺も｣
貴仁｢なんか言ってたねそんなこと｣
千秋｢全然記憶にないんだけど…｣
空真｢でも言ってることには変わりないんだからな｣
怜樹｢まあ結局は好きな人ができたら人も変わるって訳だ。ね、伊織？｣
伊織｢俺に話持ってくな。てか怜樹とこの話は話しにくいわ…｣


と伊織の発言に、あー、と納得する翔陽の3人。


弥生｢ちなみに怜樹的にはどうなの？伊織に苺華取られた感想は｣
怜樹｢別に俺は恋愛面では最初から相手にされてないし関係ないし｣
亘｢今なんつった？？｣
怜樹｢あとで説明する。｣
伊織｢とりあえずこの事は今度ゆっくり話すから｣
怜樹｢この話はやめ！！やめ！！｣


まあ、そこはそこの事情があるようです。



駿芽｢てかどこ泊まるの？｣
千秋｢緑陽のホテル泊まりー。明日北陽と練習なんだよね。｣
睦巳｢遠征豪華すぎじゃない？｣
千秋｢いや本当ね。俺らもう引退なのに｣
弥生｢森ちゃんに笑われながらボール当てられそう｣
怜樹｢やりかねない。てか玲司もいたら最高じゃん｣
弥生｢いやそれな！とか言って決定戦で玲司に勝ったから今ここにいるんだけどさ｣


西の森地区には大菅玲司という産業高校の主将であり前衛がいる。今年の予選で敗れたようだ。弥生と貴仁に。


飛鳥｢西支部ってどんな感じだった？今年｣
伊織｢ダブルスは西星が優位で、でもシングルスが西星全然いなかったから誰が行くのか分からないって状態で｣
千秋｢それで伊織がシードのプレッシャーに耐えながらもなんとか勝利して｣
怜樹｢てか千秋は予選出たの？｣
千秋｢俺？ダブルス2回戦負けっすね、なんたって相手が長江だから｣

貴仁｢シングルスはあと江川と鷹斗｣
怜樹｢それは知ってる。2人とも明日来るもん。｣
伊織｢鷹斗ってことはまた怜樹いじられるぞこれ｣
飛鳥｢でもぶっちゃけこの部活でもこいついじられ役だけど地元の人からのいじられ度が半端ないなって思った｣
千秋｢結局どこでもいじられ要因｣


地元のソフテニの人からよくいじられる怜樹くん。馬鹿なことばっかりしてるから、なのだろうか。



怜樹｢でもなんか、伊織が全国ってなんかすごい誇りに思う｣
伊織｢そんなに？｣
千秋｢怜樹は全国出たことないからね｣
怜樹｢うるせえよこの｣
純希｢伊織さん県総体の時かっこいいなーって見てました。｣
伊織｢ああ、星の里にはボコボコにされましたけどね。｣

実は県総体で星の里高校と西の森翔陽高校って団体戦で当たってるんですよね。


駿芽｢俺だよね、三船岡本と当たったの。｣
千秋｢正直内藤吉岡が1番当たりたくなかった｣
駿芽｢でも④ー2だっけ？結構楽しかったあの試合。千秋の球は相変わらず全然取れなかったし｣
徹也｢でも俺は中体連の時のリベンジできたからいいやって思ってる｣
千秋｢ああ、団体の時？｣
徹也｢俺らあの試合で負けたもん、全中掛けの時ね｣

千秋のいた西の森千台中と、徹也のいた北春日島居中は、中体連の全国掛けの試合で当たっているのだ。勝ったのは、千秋たち千台中だが。

ちなみに千秋はその中体連の個人戦で、優勝候補と言われていたのだが、初戦敗退しているのだ。それも負けた相手は…



千秋｢って言われたら俺まだ空真にリベンジできてないんだけどな｣
空真｢いつでも受けるから来い？｣
千秋｢やったるわ｣
亘｢そういえば惣田岡本が初戦敗退だったのびっくりしたもん個人戦の時｣
駿芽｢空真がなんちゃって勝利するからね｣
空真｢その後全国掛けで負けたから。｣
亘｢誰に？｣
空真｢三宅菅原｣

貴仁｢って考えたらまたあの全中メンバーで話したい気もする｣
駿芽｢分かる！でもここだけで結構いるよな｣
飛鳥｢ちょーっとここだけでもいいから写真撮ろ！！｣

ということで、2017年の全中メンバーで急遽写真撮ることに。翔陽からは団体戦で出ていた貴仁と千秋、星の里は団体戦出場の飛鳥と山岡くんと、個人戦出場の駿芽と徹也がいる。


千秋｢おー、ありがとう！怜樹あとで送って｣
貴仁｢俺も送ってほしい｣
怜樹｢了解っす！｣


ということで、短い付き合いでしたが、この2校の練習も、無事終わることができました。