星の里高校の周りは、大学だらけ。そんな中、ソフトテニスが強い緑陽大学のソフトテニス部1年生数人と、星の里高校の数人が遭遇したようだ。



岳人｢あ、やべ、見つかっ…｣
蓮｢何が見つかっただってー？｣
岳人｢きゃーこわい！｣
蓮｢そうやってぶりっ子すんな｣
岳人｢久しぶりに会っても相変わらずですね先輩｣
蓮｢こっちのセリフだわ。｣


岳人が目を合わせたのは、1つ上の先輩である村瀬蓮。昨年の星の里男子の副主将で、大活躍した選手の1人。実はこの世代の男子で唯一、県内に残った人である。



と、そこに。

泰聖｢蓮ー？｣

と、さっきまで蓮と一緒にいた人がやってきた。…それも。

飛鳥｢あれ、お久しぶりです！｣
泰聖｢ちょっとまて、飛鳥か？！ずいぶんイケメンになったなあ…背高っ｣

彼の名は長島泰聖。といえば知らない人はいないだろう。西星高校のソフトテニス部で、本当に大活躍した人である。

紫音｢俺も忘れないでください｣
泰聖｢あら、堀部もお久だな。前に歩夢がウザ絡みした時以来？｣
飛鳥｢どういうシーンですかそれ｣
泰聖｢国体予選だっけな？俺と歩夢と千葉で一緒にいたら、歩夢が急に堀部捕まえてなんかしてた｣
紫音｢歩夢先輩はすぐ俺に構ってきますから。｣


そして飛鳥と紫音も、地元はさくら市。泰聖は、少年団時代の先輩である。とはいえ紫音が入った時は、既に泰聖は卒団していたが、練習に来てくれた時に、仲良くなったらしい。



朱哉｢てか村瀬先輩、どうですか？彼女さんとは｣
蓮｢後輩に会ったらそれしか聞かれないのなんで｣
飛鳥｢だって村瀬先輩の酷い過去からしたら｣
蓮｢過去は黒歴史。今は今！｣
泰聖｢やっぱり本当に過去の恋愛は酷いんだね。｣
飛鳥｢知ってます？｣
泰聖｢海星さんがよくバカにしてるせいで部内に広まった、よね？｣

蓮｢本当だよ！！｣
岳人｢まあ…付き合う時も色々とありましたからねえ？｣
蓮｢岳人には一部始終知られてるもんな｣
飛鳥｢俺も知ってますよ？？｣
蓮｢てか今の3年大体知ってるだろ｣
紫音｢そしてその話は後輩に受け継がれ｣
朱哉｢俺達もなんとなく知っています｣
蓮｢どうせ去年の夏ぐらいの芽衣と真菜のいざこざの時でしょ広まったの｣
朱哉｢バレてる…｣


恋バナ大好きな星の里ソフトテニス部ですが、1番ネタにされてるのは村瀬先輩であろう。という話だ。



蓮｢てか泰聖、この4人みんな彼女持ちだからな、この中で彼女いないのお前だけだぞ｣
泰聖｢そうやって毎回リア充アピしてくんのうざいね。ね？？｣
紫音｢でも西星のソフテニってリア充減りましたよね｣
泰聖｢んーまあ、続く人は続くけどって感じだよね。俺らの代は村井泰雅以外いねえもんな。一つ下は長江と千葉が相変わらずで、2年はえっちゃんと、啓斗も何だかんだってくらい？｣

飛鳥｢そういえばリア充ブームがあったんでしたっけ西星も｣
泰聖｢それで西星が過ぎ去って星の里に来てる。そういことだね｣
紫音｢てか村瀬先輩知らないようですけど、俺最近彼女と別れたんですよ｣
蓮｢え？！！｣
岳人｢これガチです｣
泰聖｢ってかマジで？やっぱあの事件原因なの？｣


紫音が付き合っていた女の子、星羅ちゃんは西星高校の子だ。


紫音｢知ってます？｣
泰聖｢まあその時ギリ西星生だからね。学校で大問題になってたらしくて、その被害者が長濱星羅ちゃんって聞いた時ゾクッとなったもん。ソフテニでも話題になってる｣
朱哉｢やっぱりそこまで酷い事件だったんですか？｣
泰聖｢吹部の子が生徒指導部に抗議したくらいみたいだよ。最初、犯人に対する処分の判断が軽すぎて、それで｣

飛鳥｢聞きましたそれ。長江のクラスの友達が吹部の部長で、部員みんなで先生に抗議したみたいですよ。｣
泰聖｢長江は色々と繋がりありすぎだわ。たまたま月島くんの友達とはいえ｣
飛鳥｢あいつ顔広いですからね。大人しそうに見えて騒がしいし｣
蓮｢てか何があったの？俺何も知らない｣

ということで、紫音は先輩に事情を説明したようだ。



蓮｢うわー、って言いたいけど俺過去に似たようなことやってるから人のこと言えな…｣
岳人｢真菜先輩の件？｣
蓮｢それしかないでしょ｣
飛鳥｢でもそれ真菜先輩は村瀬先輩のこと好きだったから、別にお互いが良ければ良いんじゃないですか？｣
蓮｢でも無理やりは無理やりだったから｣
岳人｢しかも前の彼女とまだ付き合ってた時に｣

泰聖｢蓮がいかにもクズだったか分かる会話だわ｣
蓮｢そんな俺が今じゃこうですよ｣
紫音｢でも飛鳥先輩に勝る人は居ないと思いますね｣
泰聖｢飛鳥は尊敬するわ本当に。西星でも度々話題になってたけど。元カノ騒動の話は知ってるよ｣
岳人｢てか何でも知ってるんですね｣
泰聖｢確かに、繋がりって狭いね｣

昨年の秋には、飛鳥の元カノが、飛鳥の現彼女の唯里と喧嘩してたそうで。まあそこは元から仲悪いんですけどね。



泰聖｢でもあの子もストーカーされた事件あって西星で問題になったからね。落合未羽ちゃん、西星のマドンナだから｣
飛鳥｢そうだったんですか？｣
泰聖｢俺が2年の時かな？だから未羽ちゃん1年生。学科の先輩に後付けられて、後ろから抱きしめられたって｣
蓮｢って聞いたら西星の生徒って問題児ばっか…｣
紫音｢一応そういう人の集まりですからね。酷い人は本当に酷い｣

朱哉｢紫音の今の目が怖かった｣
紫音｢あのクズ野郎ども｣
朱哉｢あーはいはい！！ストップストップ！！｣


このままこの話したら紫音くん、大変なことになってしまうのでストップ。



岳人｢ちなみに今の西星のソフテニの中で、1番ラブラブな恋愛してるのって誰ですか？｣
泰聖｢長江だね｣
朱哉｢即答しましたね｣
泰聖｢てかアイツ、彼女と最初は結構喧嘩ばっかしてたし恋バナ振っても全然話してくれなかったんだけど、長江が2年生になったくらいから急に惚気ばっかするようになった｣
飛鳥｢それは思います俺も｣
岳人｢投稿も惚気多いですよね｣
飛鳥｢それな｣

紫音｢そのお二人が言うことですかね｣
蓮｢入部した時からずっと彼女いるもんね、大橋小松は｣
岳人｢俺はなんかそろそろかなーって感じですけどね｣
蓮｢まじ？｣
岳人｢正直3年になってからあんまり上手く行ってないです。今度遊ぶ時詳しいこと話しますね｣
蓮｢そういえば来週遊ぶんだったな｣
岳人｢いや忘れないでくださいよ、ひどい、｣


岳人たちの1つ上の先輩は少なかったというのもあり、その2世代は学年関係なく仲良かった世代である。だから唯一県内に残った村瀬先輩も、卒業後でも後輩と遊ぶことも多い。




泰聖｢てか飛鳥と紫音、俺もうずっとこっちにいるから、暇な時テニス誘っていいから｣
飛鳥｢良いんですか？！じゃあ山岡とかも連れて行きますね｣
泰聖｢俺こいつと違ってずっと暇だからいつでもいいよ？｣
蓮｢そっか泰聖は非リアだもん…｣
泰聖｢そういうこと、ってオイ｣
岳人｢村瀬先輩は相変わらず彼女彼女ですか｣

泰聖｢住み着いてるくらいだからな｣
朱哉｢あれ、芽衣先輩って社会人でしたっけ？｣
蓮｢そう。だから俺より金持ち。｣
飛鳥｢だからといってクズ男になるのだけはやめてくださいよー。心から応援してるんですから｣
蓮｢言われなくても頑張るつもりだ。｣



先輩たちとはまた、どこかて会いそうな気がしますね。