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LIGHT BLUE



4月、土曜日の部活終わりは15時。その後、学校ちかくのいつものレストランに直行する、一部の部員たちである。
というのも、新1年生も一緒に行きたがってたらしく、それで1年生も数人連れて、ということだ。



陽「これぞ高校生」
晴高「1度はやってみたかったやつ」
青葉「学校の近くにこういうお店いっぱいあるのがすごい」

と、部活終わりの寄り道に、興奮する1年生。


朱哉「そりゃ周りは大学だらけだし若者向けのお店が多いよねこの辺」
青葉「東江南にもあればいいのに…」
朱哉「んね。駅前だけ発展してあとは工場と住宅地」
詠斗「東江南ってそんななかったっけ」
朱哉「工業団地みたいな地域だから」
青葉「あとは緑陽の外れ的な位置にあるものたちと」
朱哉「地味に俺たちの家から遠いよね色々と」


1年生の、森原青葉は朱哉と同じ中学出身で、江南市の東江南出身。
他にも2人、北別市出身の相崎陽と、江南市出身の市村晴高。みんなそれぞれ中学で活躍していた人達だ。新1年生は他にもいっぱいいるが、とりあえずこの人たちが、2年生になった大谷朱哉と熊木詠斗と中原歩人と一緒に来たようだ。


歩人「今年の新入生割と、近辺多いよね」
朱哉「だって江南北中強かったじゃん」
晴高「3人来てますからね。」
青葉「皆斗だけ裏切ったんだね」
晴高「あいつは頭良すぎるから。県内トップの進学校受かるくらい」
詠斗「皆斗って緑陽北だっけ?」
晴高「です」
陽「頭良っ」


皆斗とは、晴高たち江南北中で活躍した前衛の堀江皆斗のことだ。進学校である緑陽北高校に通っている。



詠斗「あ、でも青葉は特進だもん変わらんか」
青葉「それでも緑陽北は無理ですよ。せいぜい東江南」
晴高「それでもすげえわー」
歩人「ちなみに晴高だったら公立行くならどこ行ってたの?」
晴高「えー、最初から星の里行きたかったのであんまり考えたことないんですよね…強いて言うなら…明洋とか」
詠斗「あー、明洋ねー。頭良いな。」

晴高「一応勉強はそれくらいですよ」
詠斗「俺の兄ちゃんも明洋だったけど、俺はそんな頭ギリギリない」
朱哉「詠斗だったら公立選ぶなら?」
詠斗「中部か新田…いや新田かな」
歩人「新田ってたしか」
詠斗「健一先輩と杉野先輩の中学のチームメイトがいっぱいいるところ。よく来るじゃん」
歩人「だよね。」



ちなみに中部高校も新田高校もそこそこ学力高いところですね。


歩人「公立だったらなー、俺は…北春日海洋かな…」
朱哉「お姉ちゃんのとこ?」
歩人「そう。あと徹也先輩と同じ中学の人も3人くらいいるし、琴未の元ペアもいる」
陽「多いですね」
歩人「学力が丁度良いんだろうね、あと東陽とか進学校だったり、工業とかくらい」

青葉「朱哉先輩はギリギリまで東江南でしたよね」
詠斗「こいつだって、彼女と中学の時別れてなかったら東江南行ってたからね」
晴高「もし朱哉先輩が東江南行ってたら白野さんとペア組んでそう…」
朱哉「それみんなに言われる。元から飛人と仲良いし俺」
詠斗「てか中3の国体でペア組んでなかったっけ?」
朱哉「そう。」


東江南高校の後衛に、白野飛人という強い人がいるのだ。2年生ながらレギュラーとしてもバリバリ活躍していて、江南市の赤川少年団、赤川中出身なのとある。



青葉「俺も中高の合同練習の時に何度か乱打させて貰ったけど東江南の後衛で1番上手いと思いました」
朱哉「俺の兄ちゃんよりも上手いと思う」
陽「何気にお兄ちゃんdisってますね」
朱哉「だって、なんか雑だもん。比べて飛人のフォーム見てみ?超綺麗だよ。」
晴高「でも全体的に思うのは、小学生から上手い人ってフォーム綺麗な人多いかも。俺の偏見では。朱哉先輩だってそうですよ」
朱哉「あ、ありがとう急に、」


突然褒められて照れる朱哉くんでありました。



朱哉「でも俺は星の里来て良かったって思ってるから。地味に遠距離通学なところ以外は」
青葉「ほんとに、地味に遠距離通学ですよね」
詠斗「乗り換えも中部駅だしね、朱哉たち」
朱哉「しかもあそこ乗り換えルートだから激混みだしね。でもこれから青葉いるから助かったわー」
晴高「いや、青葉もしかしから裏切って彼女と登下校しちゃいますかもよ?」

歩人「有り得るなそれ」
朱哉「あれ、瑠菜って高校どこなの?」
青葉「いや、星の里にいますよ」
朱哉「いやまって、それは初耳」
青葉「まあテニス部は入らないんですけどね。」
陽「しかも同じクラスらしいんですよ」
晴高「羨ましいや」


青葉の彼女は実は同じ高校に進学した上に、同じ特進なのでクラスも同じである。


詠斗「青葉に彼女いるのは知ってたけどまさかの同じ高校だったとは」
朱哉「いや、俺でさえ瑠菜が同じ高校なの知らなかったからな。…あれ、でも瑠菜が東江南行くかも的なことは彩里から聞いてたけど」
青葉「そのつもりだったけど行けなかったんですよ」
朱哉「あっ…そういうこと。じゃあ星の里は滑り止めで受けたってことか」

青葉「そういうことです。だから俺も同じ高校になると思ってなくてビックリで」
陽「まあ内心はこっちのほうが嬉しいだろ」
青葉「そりゃそうでしょ。」
晴高「というか1年生で今のところリア充って青葉と他にいる?」
陽「いないよね、海吏別れたし」
朱哉「それがいずれみんな恋するんだろうね。」
詠斗「何だかんだこの部活の人ほとんど高校生で濃い恋愛してるからね」


でも今のところは1年生でリア充なのは青葉だけ…らしい。本当かどうかは、分かりませんが。


晴高「やーでも、知ってる範囲内だったら青葉だけだけど、まだあんまり話したことない人達とかも誰かかしら彼女いそう」
青葉「いつか1年生みんないる時にみんなで恋バナしたいね」
詠斗「それ俺達2年生もよくやってる」
朱哉「先輩修学旅行の時したよね、」
歩人「なんかほぼ輝か朱哉が話してばっかだったけどな」
詠斗「あと遠征の時に数人集まって、とか」


とここで陽は、気になることがあったらしい。


陽「実際のところ2年生で恋愛経験ある人ってどれくらいなんですか?」
朱哉「…でも大体みんな彼女いたことあるよね2年生って。中学の時いたーってのも、純希とか隼弥とか冬樹とか」
歩人「でも2年生でリア充って何人くらい?」
詠斗「今は朱哉と紫音…くらい?輝も結局あのまま別れたし」
歩人「え、別れたの?」

詠斗「あれ、歩人この話知らない?」
朱哉「あの時歩人いなかった」
詠斗「あそっか。」

つい最近、2年生部員の寺島輝が、中学から付き合っていた彼女と別れたようだ。ちょっとした理由から気持ちの離れに気づいて、沢山話し合った結果らしい。ちなみに詠斗は輝と同じ中学だ。




青葉「逆にこの部活で濃い恋愛してる人って誰なんですか」
朱哉「うーん、誰だ…」
詠斗「最近だったら亘先輩とか?」
朱哉「あー、地元の後輩と付き合ってるよね」
陽「すごい遠距離じゃないですか」
歩人「なんかそれでしばらく付き合うのは躊躇してたけど、覚悟持って付き合い始めたっていうのは聞いた」
詠斗「でも結果的にみんなラブラブなんだよね」

朱哉「逆に酷かったのは柚斗先輩の去年のアレだよね」
歩人「そのおかげで今あんなに…」
晴高「あのいつも3年生が柚斗先輩のことクソだって言ってるのが気になるんですけど」
詠斗「まあハッキリ言うと、昨年の冬に好きだった人に酷く裏切られて、それから中途半端な女付き合いしかしてないし、そもそも発言がクソだって」
歩人「ハッキリ言い過ぎ」


柚斗先輩の恋愛に関してはみんな思うようなところはあるが、それでも昨年の冬に起きた出来事は本当に酷く、1年生組に話すと、とても引いていた。



朱哉「つーか詠斗も元カノさんとヤってるんだから人のこと言えないしょ」
詠斗「確かにそうだけど俺はずっと好きだもん」
陽「つまりは愛があるか、無いかってことですか」
青葉「それ先輩から愛はあっても相手側はどうなんですか」
詠斗「あら、きつい質問してくるねえ」
歩人「んで実際どうなの?青木先輩って詠斗のこと」

晴高「てか星の里の人なんですか?それって」
詠斗「男バレのマネの3年生の青木真帆っていうんだけど、同じ中学で、というか幼なじみで、中学の時付き合ってた。で、高校上がって、やっぱ俺まだ真帆のこと好きだって気づいたけど、真帆には前まで彼氏いて」
陽「それで別れたから急接近したみたいなものなんですか?」
詠斗「そんな気がする。たまたま会って、ちょっと話聞いて!!から始まって」


詠斗は元カノとは今は仲良いのだ。幼なじみ同士であるし、別れも喧嘩とかではないのでね。

詠斗「というか俺はもう告白したから返事待ち」
朱哉「告白したのはいつよ」
詠斗「つい3日くらい前。でももうちょっと考えさせて、って言われた。」
歩人「どう?付き合えそう?」
詠斗「いや分からんよー。1度別れてるんだもん、」
青葉「え、でも仲良いんですよね?」

詠斗「仲良いけど、結局昔馴染みの人だから今でも仲良くできるっていうだけかもしれないし、相手からすれば。だから実際真帆が俺に対してどう思ってるかとかは聞けてないし、真帆もそれについて心の整理ついたら返事するって言ってた」
陽「しっかり向き合おうとしてるなぁと思いますね」
朱哉「確かに、こう見えて恋愛観はまともかもね。」
詠斗「こう見えてってなんだよ」


まあ確かに詠斗は、彼女できてもあんまり長続きしないからね。


詠斗「でも実際俺もノリでヤってんだよ、しかも3回くらい。まともじゃないと思うけど」
朱哉「ちょっとまってそんなに?!」
詠斗「でも単純に俺は好きだからしたいのね」
歩人「大丈夫だ、それ朱哉も同じだったから」
朱哉「そういえばそーでした」
詠斗「いつもこのくだりしてない?朱哉散々人のこと言ってるけど自分もやってるけど」
青葉「もう自分のしたことも覚えてないんですか」

朱哉「忘れてるんだわ本当に」
晴高「今が幸せだからそれでいいってことですか」
歩人「嫌な奴だね。これぞ大谷朱哉」
朱哉「これぞって何」

朱哉も、よく人の恋愛に口突っ込むんですけど、自分も同じことわりとしている、と逆に突っ込まれることが多いのだ。


陽「俺も片思い頑張ろーって思いました」
歩人「ん?片思い中なの??」
青葉「そうなんですよこいつ、地元の先輩と…」
朱哉「え、誰?」
陽「楓先輩の元カノの元ペアって言ったら通じます?」
歩人「あー、柚羅ちゃんだっけ?」
朱哉「分かった、」
陽「分かります?緑野高校の」

歩人「やっぱジュニアからやってる人達って県内みんな分かるよね、同世代は」
朱哉「県大会しかないもんな、小学生の時って。特に地区予選とかもないし。だから楓の元カノも俺知ってるし」
青葉「でもそういうもんですよね。てか晴高と陽もそうだし」
歩人「俺も朱哉とはジュニアの時から仲良かったもんね」
詠斗「俺ジュニアの時地域の大会しか出てなかったからそんなのないや…」


星の里高校のソフトテニス部は小学生から続けている人が半数以上占めているのだ。だから大体知っている、という感じ。
それこそ朱哉の彼女の彩里も、それで星の里部員がみんな知っているのだ。



歩人「柚羅ちゃんどんな顔だったっけ、」
陽「これです」
朱哉「早い。」
青葉「美人さんだね」
陽「でしょ。すごいしっかり者で優しくて頼れて、ジュニアの時もお姉さん的存在だった。でも色々と話すようになって、相談とか色々聞くようになって」
詠斗「陽もイケメンだから美男美女になるじゃん、」

歩人「ちなみにこれ他に誰か知ってるの?陽が好きな人いるって」
陽「楓先輩と、あと1年生数人は。」
青葉「俺も知ってたけど顔は初めて見ました」
晴高「俺もですね」
詠斗「ちなみに告白のご予定は?」
陽「いやー、うーん、あの…」
朱哉「照れるな照れるな」
晴高「顔真っ赤だぞー」
陽「黙ってください!!!」


陽くんどうやら、本気の恋しているようです。なぜかと言うと…


青葉「でもこのクールボーイがこんな照れてるなんてことは相当」
晴高「確かになー?」
陽「黙れ本気で」

陽くんは基本的にツンツンでクールだからです。


歩人「これは先輩も楽しみにしてるね」
詠斗「勿論陽から告白するんでしょ?」
陽「だから今は別に予定は。」
朱哉「男は自分から告白せえ。」


陽くん、数ヵ月後には進展してると、いいですね。

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