アロウ・ラウンドカラーズ(彩矢様)
オマケ。
翌朝。いつものルーティーンを消化する。
「で?何か良い事あったか?」
いつもなら「特にありませんよ」と返ってくる筈の場面だ。
「………はい。少し」
「ふ~ん。良かったな」
敢えて無関心を装おって、黙礼を交わして別れる。
(ロナルド…上手くやったんだな…)
そう思い頬の緩みを堪えながらデスクに向かうと、先客が二人いた。一人はロナルド。もう一人は…。
「…で?何か良い事あったか?」
笑いを堪えきれないといった風情の二人に、決まり文句で水を向ける。
「はい!」
「ありがとよ。アロウさん」
「その顔は、相当イイ事があったんだな」
「ああ。礼がしてぇ」
エリックは、ニヒルに片頬を上げて小さなメモ書きを渡してきた。
「ん?何だ?俺は仕事をしたまでだから、礼なんか…」
「ローズマリーさんの番号だ」
途端に、アロウはギョッとした後、誰かに聞かれやしなかったかと顔をあちこちに巡らせた。そして、声を殺してエリックに詰め寄る。
「何で知ってる?俺がローズマリー先輩を…その…」
「秘書課の連中に教えて貰ったんだ。ローズマリーさんも、アロウさんにずっと片想いしてるって。俺やロナルドの事も知ってて、正直『秘書課の情報網』とやらには引いたけどな」
「ラウンドカラーズ先輩も上手くいくと良いっスね!」
「神よ…!」
携帯番号の書かれた紙片を両掌で握りこみ、天を仰いで、この時ばかりは自分も死『神』なのを忘れたアロウであった。
オマケ終わり。
翌朝。いつものルーティーンを消化する。
「で?何か良い事あったか?」
いつもなら「特にありませんよ」と返ってくる筈の場面だ。
「………はい。少し」
「ふ~ん。良かったな」
敢えて無関心を装おって、黙礼を交わして別れる。
(ロナルド…上手くやったんだな…)
そう思い頬の緩みを堪えながらデスクに向かうと、先客が二人いた。一人はロナルド。もう一人は…。
「…で?何か良い事あったか?」
笑いを堪えきれないといった風情の二人に、決まり文句で水を向ける。
「はい!」
「ありがとよ。アロウさん」
「その顔は、相当イイ事があったんだな」
「ああ。礼がしてぇ」
エリックは、ニヒルに片頬を上げて小さなメモ書きを渡してきた。
「ん?何だ?俺は仕事をしたまでだから、礼なんか…」
「ローズマリーさんの番号だ」
途端に、アロウはギョッとした後、誰かに聞かれやしなかったかと顔をあちこちに巡らせた。そして、声を殺してエリックに詰め寄る。
「何で知ってる?俺がローズマリー先輩を…その…」
「秘書課の連中に教えて貰ったんだ。ローズマリーさんも、アロウさんにずっと片想いしてるって。俺やロナルドの事も知ってて、正直『秘書課の情報網』とやらには引いたけどな」
「ラウンドカラーズ先輩も上手くいくと良いっスね!」
「神よ…!」
携帯番号の書かれた紙片を両掌で握りこみ、天を仰いで、この時ばかりは自分も死『神』なのを忘れたアロウであった。
オマケ終わり。
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