このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

アロウ・ラウンドカラーズ(彩矢様)

オマケ。

翌朝。いつものルーティーンを消化する。

「で?何か良い事あったか?」

いつもなら「特にありませんよ」と返ってくる筈の場面だ。

「………はい。少し」

「ふ~ん。良かったな」

敢えて無関心を装おって、黙礼を交わして別れる。

(ロナルド…上手くやったんだな…)

そう思い頬の緩みを堪えながらデスクに向かうと、先客が二人いた。一人はロナルド。もう一人は…。

「…で?何か良い事あったか?」

笑いを堪えきれないといった風情の二人に、決まり文句で水を向ける。

「はい!」

「ありがとよ。アロウさん」

「その顔は、相当イイ事があったんだな」

「ああ。礼がしてぇ」

エリックは、ニヒルに片頬を上げて小さなメモ書きを渡してきた。

「ん?何だ?俺は仕事をしたまでだから、礼なんか…」

「ローズマリーさんの番号だ」

途端に、アロウはギョッとした後、誰かに聞かれやしなかったかと顔をあちこちに巡らせた。そして、声を殺してエリックに詰め寄る。

「何で知ってる?俺がローズマリー先輩を…その…」

「秘書課の連中に教えて貰ったんだ。ローズマリーさんも、アロウさんにずっと片想いしてるって。俺やロナルドの事も知ってて、正直『秘書課の情報網』とやらには引いたけどな」

「ラウンドカラーズ先輩も上手くいくと良いっスね!」

「神よ…!」

携帯番号の書かれた紙片を両掌で握りこみ、天を仰いで、この時ばかりは自分も死『神』なのを忘れたアロウであった。

オマケ終わり。
7/7ページ
スキ