※連載中【死神と文通を】

 拝啓。

 お久しぶりです。お元気ですか?
 世間はゴールデンウィークだけど、俺の職場に大型連休はありません。
 たまたま早上がりだったので昼寝でもしようかと思ったのですが、机周りに郵便物が溜まっているのが目について、片付けていて君の手紙を見付けました。
 どうやらエリックが、ダイレクトメールの束と一緒にしてしまったみたいです。

 日付は、四月二十日。
 二週間で見付けられて、本当に良かった。
 こんなご時世だけど、リモートワークの出来ない職場でますます忙しく、連絡を忘れていてごめんね。
 LINEじゃなくて、文通をしようと言い出すところが、君らしいと顔が笑ってしまいます。

 君はまだ、ワクチンを打っていないんですね。
 油断せずに、ちゃんとマスク手洗いを忘れずに。
 俺たちは、身体が丈夫なのだけが取柄だから、心配しないでください。
 エリックは特に丈夫だから、職場に当てにされていて、二十連勤なんてこともざらにあります。

 自粛生活、大変ですね。
 あまり家にこもる生活が続くと、うつになるひとも居るみたいです。
 うつというのは恐い病気で、自分で「ああ今、うつだな」と気付けないものだと聞きました。
 ネガティブなことばかり考えているなと思ったら、いのちの窓口に電話かLINEしてみてください。
→https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/?yclid=YSS.EAIaIQobChMI8o_K0raR8AIV272WCh0K0wCBEAAYAyAAEgK8O_D_BwE
 身体の健康も大切だけど、心の健康にも気を付けて。
 
 さて、程よく眠くなってきました。
 これから、少し眠ります。
 君も、しっかり睡眠を取ってくださいね。
 寝不足は万病の元だから。

 手紙、ありがとう。嬉しかったです。
 この局面を乗り切れるまで、文通しましょう。
 それでは、身体に気をつけて。
 生きて会いましょう。

 敬具。

 二〇二一年五月二日 アラン・ハンフリーズ
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