意識してる人の部屋には上がらない(キバダン)
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「好きだ。すでに婚約者もいる君にこんなこと言うのは、君にも相手の方にも失礼だとわかってる。だけど君が結婚すると聞いて、ようやく君が好きだと気づいたんだ。君を離したくない。好きなんだ」
俺の独白をキバナは静かに聞いていた。手慰みに回すワイングラスに目を落としている様子を見て流石に脈がないことは俺でもわかった。そもそも彼はノーマルだ。最初から勝算は薄かった。
はぁ、と小さなため息が聞こえた。
「今になって気づいたんじゃ、遅すぎるって」
小さく、しかしはっきり聞こえたその返事は、まるでキバナも俺が好きだと言っているようで、
「10年かかったのが遅いと言うのなら20年、30年かけて愛を告げる。それじゃダメか?」
思わずみっともなくすがりつくような真似をしてしまう。けれどキバナを離したくはない。キバナの一番は自分じゃないと気にくわないのだ。
「お前のそれは子供の癇癪だよ。気に入りのおもちゃを取られたくないだけ。せっかく気持ち切り替えられそうなんだ。これ以上乱さないでくれる?」
まっすぐ俺に向けられたその目にクラクラした。バトルの時のように誠実であるのに、その目はなによりも拒絶を表していた。
「もう遅すぎるんだよ何もかも」
キバナのその言葉がなによりも現実だった。
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(相手の部屋に気軽に行くなんて意識してないの丸わかりなんだよ)
俺の独白をキバナは静かに聞いていた。手慰みに回すワイングラスに目を落としている様子を見て流石に脈がないことは俺でもわかった。そもそも彼はノーマルだ。最初から勝算は薄かった。
はぁ、と小さなため息が聞こえた。
「今になって気づいたんじゃ、遅すぎるって」
小さく、しかしはっきり聞こえたその返事は、まるでキバナも俺が好きだと言っているようで、
「10年かかったのが遅いと言うのなら20年、30年かけて愛を告げる。それじゃダメか?」
思わずみっともなくすがりつくような真似をしてしまう。けれどキバナを離したくはない。キバナの一番は自分じゃないと気にくわないのだ。
「お前のそれは子供の癇癪だよ。気に入りのおもちゃを取られたくないだけ。せっかく気持ち切り替えられそうなんだ。これ以上乱さないでくれる?」
まっすぐ俺に向けられたその目にクラクラした。バトルの時のように誠実であるのに、その目はなによりも拒絶を表していた。
「もう遅すぎるんだよ何もかも」
キバナのその言葉がなによりも現実だった。
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(相手の部屋に気軽に行くなんて意識してないの丸わかりなんだよ)
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