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あなたの名前
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「おかえり北斗」
「はんべーか」
「…平仮名発音かい?」
仮面の男は、黒衣の男に近寄りクスクスと笑った
髪色が多少似て居る彼らだが、竹中の方が仮面をしているせいか目立つ
「どうだった?今回の殲滅は」
「邪魔が入って生き残りを出した。でもその分収穫もあったよ」
歩きながら会話をする彼ら
部下達が擦れ違いざま頭を下げる。それらを目の端に納めて、会話に集中した
「秀吉」
前方から秀吉がやってきた
秀吉も彼らが自分の前方から来るのに気がついたらしい
三人は特に会話もせず、ある一室を目指して歩みを共にする
そして一室に着くと、半兵衛が襖を開けて二人が先に入った
秀吉が上座に座り、下座の左に北斗が座った
「して、隠密の報告を聞こうか」
北斗は奥州の状況、自分の目的の結果を話した
「珍しいな、失敗するなんて」
「俺だって人間なんで。失敗位は、5%の確率でするさ秀吉」
「僕としては、失敗してもそれなりの収穫と言うのが気になるな」
あぁ、さっきの話か
と北斗は思った
「まぁ、捜し人が居たって話だ。あと、友達が居た。それだけなんだけどさ」
それでも自分には収穫は大きかった
彼らには何の関係も無いから収穫と呼ぶのはおこがましいかもしれないが
「捜し人、と言うと君と同じ異世界の人間だね。面白い。是非この城に招いてみたい」
「止めとけ、はんべー。守りは匡と伊達のイキのいい奴がいるから。普通の手段じゃ無理無理」
「そうか。それは残念だ」
クスクスと笑った
多分半兵衛は、今この瞬間からアイツを招く為に策を練り始めているのだろう
そう言う男だ、竹中半兵衛とは
「ではこちらの話をしても良いか?」
秀吉は地図を持ち出した
「我が尾張の織田信長を討ち取った事により各国が警戒をしている。それでだが…」
「てゆうか主に兵士薙ぎ倒したの俺らじゃん」
「北斗、取り敢えず黙っていてくれないか。秀吉続けてくれ」
「…まずは浅井を討ち取ろうと思う」
その言葉に二人は頷いた
それが最も最良な選択と思うからだ
「浅井は他国から援軍を呼べる程の交流も無いし、地理的にも攻略的要素にも問題は無い。うん、良いよ秀吉。いつにしようか」
半兵衛は乗り気なようだ
しかし北斗は乗り気では無い様子で…
「今回は俺パス!参加しない」
「何故だい?君の一団は最強じゃないか。君がいればはやくに戦いは終わるのに」
最強と言われても、いまいちピンとこないがそう言われても乗り気になった訳では無い
「煽(おだ)てても無駄。とにかく出ないからな」
立ち上がると北斗は室内から出ていった
彼の背中を二人で見送り、半兵衛と秀吉は攻略の為の策を練り始めた
北斗は自分の部屋に戻り、いつものように外套を外しシャツとボトムスだけの姿になる
そして、首元からプラチナのネックレスを取り出した
「……」
出会ってしまった
君と
いや、分かってた
…絶望な顔だった
俺の手は、あの日から血で染められている
閉じても開いても、血の色が見える
それでもあの日誓った“助ける”と言う事
それだけの為に血に濡れようと歩み続けるんだ
信念の為に
血の色がこびりついたマントを着て
「……」
ただ、あの日握った小さな手を守る為に
俺は