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騒がしい城に
また騒がしくなるような事がおきた
「テメェ真田はどうした」
「旦那?旦那は今頃峠越えかな~。俺は一足先に来ただけ」
成実から佐助が到着したと言われて三人は客間に行った
そこには茶を小十郎に出されこの城の主を待っている佐助がいた
「凪ちゃん久し振り~。はい、お土産。この間はごめんね」
佐助が差し出したのは包みに入った何かだった
それを恐る恐る開くとまんじゅうが入っていた
「甘い物奢るなら…とか前言ってたからね。それ旦那も好きな店のだから味はお勧めだよ」
「あ、覚えてくれてたんですね。ありがとうございます」
「だからさぁ、詳しく聞かせてよ」
それを口にした途端、空気が変わる
柔らかなものがピリッとした痛い空気になった
「おい…テメェ」
「害は無いと分っててもやっぱり知らないものに関しては知っとかないとだからね。
旦那はあの性格だから警戒も何も無いでしょ?仕える人間にしてみれば余り知らないものを近付ける訳にはいかないんだよ。その為に一足先に来た訳」
それを言う佐助の顔は以前見たものとは正反対な顔だった
己の主に変なものを近付ける事はしない
暗殺やら危ない事は絶対無いとは言え、それは仕える者として主の身を守る為の事だ
「わかりました。約束ですからね」
「おい…」
「大丈夫ですよ政宗さん、成実さん。言ったって佐助さんは異界の話しを広めないですよ。ね?佐助さん」
そう言われて佐助は
おやおや随分信頼されてるねぇ
と言った
「信頼じゃなく、佐助さんや甲斐の人は言わないと言う自信があります。でもそうですね…取り敢えずこの話しは甲斐意外の方にはお話ししないでくださいね?」
私も自分がどんな立場なのか最近分かってきたので…
凪は佐助に自分が居た世界を話し始めた
この世界とは違うけれど同じ日本という国で生まれ育った事
その国の昔にも戦国時代と言う時代が有り、この時代と同じ武将と国があった事
でも自分の知っている歴史とは全く違う歴史と言う事
世界そのものが違うと言う事
自分が居た時代は文明が進んだ事
そして気がついたらこの世界にいた事
(さすがにゲームしようとしたら来たとは言わなかった)
「ふぅん…結構複雑っちゃあ複雑な感じだね。次元って奴?はこうも簡単に飛び越えてこれるものなのかねぇ」
「簡単というか気付いたらここにいたので何とも…来た理由も解らないですし」
何故自分がゲームの世界に入ったのか
未だ分からない
何故、私は
「それはそうとさ、凪ちゃんは元居た自分の世界に帰ろうとは思わないの?」
佐助のその一言に又もや空気が変わる
誰もが思っている事だ
凪が此処に来て一か月になろうとしているが、家族に会いたいだの帰りたいだの聴いた覚えが伊達の三人には無かった
不思議には思っていたが敢えて聴かず、頃合を見計らってから聴こうと思っていたのだった
「どうしてそう思わないとなんですか?
向こうに家が有るからって、家族が有るからって必ずしも恋しくならなきゃイケないなんて事無いですよね?」
そう言う凪は酷く悲しそうにみえた
「来た方法が分からない。だから帰りたいなんて思わない…。方法がわかるなら帰りますが分からないのにもがいたって無駄ですから」
それに…
「私一人者なので、探してくれる人もいないんですよ」
凪の瞳から光が消える
その様子を四人は見逃さなかい
初めてみるその瞳に、政宗・成実は眉を潜めた
「まぁその話しは別にいいんです。時が来たら帰れますよきっと」
それまではご厄介になりますが、と付け足した
そうだ
凪はこの世界の人間ではない
いずれ帰ってしまう日が来るのだろう
しかし今すぐ帰りたいと言う気持ちが強い訳では無い様子だ
自分達が分からない何かを抱えているのだろう
((いつか))
今それを追求しよう等とは思わない
自分から話してくれればそれで良い
それで…良い筈なのだ
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