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「凪と何かあった」
成実がやらかした翌日、慶次が成実の部屋に押しかけて問いただした
朝二人の様子を見ると昨日までの成実と凪と違ったからだ。凪と一緒にいない。匡二が成実を避けるようにしているからだった
これは喧嘩をしたのだと、政宗の家臣、城の女中一同がそう思った
だけど慶次は喧嘩だとは思わなかった
喧嘩だけで、こんなにも二人の間に距離を感じる事は無い
「…た」
「?」
「犯そうとした」
「―――――!!」
俯く成実
慶次は屈み、成実の胸倉を掴んで顔を上げさせる
「犯そうとしたって…!!強姦じゃないかッ!!成実、どうしてそんな事…っ」
「…なんとでも言えよ。自分の気持ちと都合押し付けてそうしちまっただけだ」
「馬鹿じゃないのか!!」
「あぁ…」
慶次は目の前の男が自分の知っている成実には思えなかった
成実は凪の気持ちを大切にする奴だと思っていたからだ
だけど、だけど
コ イ ツ ハ ダ レ ダ
「…それしかあの時思い付かなかった…」
「それでも成実はやっちゃいけない事をしたんだ」
慶次は成実の胸倉から手を放す
成実は床に力なく座り込んだ
「今の成実のそばに、凪は置けない。きっと政宗もそう言う…!!」
「…分かってるさ。だから近付かないんだ」
自嘲する成実
駄目だ
コイツを、元に戻さなきゃいけない。このままじゃ、二人の未来に待ち受けるのは最悪の結果しかない
「………」
「………」
凪も凪で、自室で佐助から貰った鳥に餌を与えながらぼーっとしていた
「……」
襲われた事がショックでぼーっとしているわけじゃない
成実の気持ちに答えられなかった自分に呆れて、馬鹿だなと思ったからだ
だけど、未来を考えれば、彼を思えば、やはり自分とはそう言う関係にならない方が良い
…そう、思ったのに
成実の、あの、怒っているのに悲しそうで泣きそうな顔が離れなかった
「どうしたら、いいのかな」
悩んでも、答えが出ない
悩んでも、一つの答えしか自分には分からない
「凪?あー、凪もか」
慶次は成実の部屋を出たあと凪の部屋を訪れた
きっとこのままじゃいけないと誰もがそう思っている
「…凪」
凪の隣りに腰を慶次は降ろした
凪はそれに気がついて、身体を横に向ける
「何ですか…?」
慶次はニッと笑った
「俺と暫く旅に出ないか?」