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小十郎に泣き付くと、堰を切ったかのように涙がボロボロと流れた
その後目を腫して政宗の前に立った凪
「The what went wrong? the swollen eyelid!(どうしたんだ?その腫れた瞼!)」
「ちょっと小十郎さんに泣き付いただけです」
「は?」
政宗は事の経緯を聞いた
それを政宗は真剣に聞いてくれた
片目は、一度も凪から目線を外さなかった
「Ah...Ok.Ok.
Circumstances have been roughly understood.
(大体事情は分かった)」
(あいつ先走りしやがって…)
めぇめぇと未だ半べそ状態な凪
「あいつはずっとそう言う目でお前を見てた。お前は気がつかなかったらしいけどな」
成実も鈍感だが、凪も鈍感だなと思う
「だけど、だけど、な、成実さんの気持ち、嫌じゃないんです…!で、でも、私はこの世界の人じゃない、し」
「そこは関係無いだろ」
「…関係ありますよ!政宗さん。…愛姫っていうお姫様、この世界にも…いますか?」
「あぁ、いるぜ」
「その姫様は、あたしの居た世界じゃ確か政宗さんの正室になっていました。つまり、愛姫さんがいるなら…成実さんの正室さんも居る筈なんです」
あぁ、分かった
凪の言いたい事が
「自分がそうなってしまう事で何かを変えてしまう可能性があるから…。
だから、成実さんにそう言われた時ふとそれを考えちゃったんです。
あたしがそんな存在になったら、この世界の一部を変えちゃう…!
生まれる筈だった成実さんと正室さんの子どもとか消しちゃう…!
あたしは、異質な存在なのに、もしかしたら、いつか、いつか帰るかもしれないのに、好きって…!恋に答えちゃったら、いけないと思って…!
で、でもぉ…ッ」
「良い事教えてやろうか。成実は親戚のprincessから熱烈なlove letterを結構前から貰ってるんだぜ?」
それが、どうしたというのか
政宗は手の平を頬に添えて、普段の獰猛な笑みとは正反対な笑みで、優しく笑った
「でもその返事でアイツはprincessのconfuession<告白>を毎回断ってる。理由は、お前だ、凪」
え、と凪は泣きやんで涙を拭った
「お前が好きだからだ。だから断ってるんだぜ。恋に疎かった成実が、一人の女にハマるなんてよ。昔なら考えられなかったぜ?
なぁ、凪。別に世界が違ってもいいじゃねぇか。多少何かが狂ったっていいじゃねぇか。成実に、突き放されて痛かったんだろ?そりゃ成実を好きって事じゃねぇの」
好きって事じゃねぇの?
政宗の台詞に、凪は顔を下に向けた
目を閉じて、ただ考える
凪
凪!!
着物買いに行こうぜ!
はぁ…。まぁいいや、居てもいいぞ?何処かに行かれると困るしな
あっばか!そっちじゃない!!
「何かをする度、成実の事を思ったりしないか?」
「…成実さんの所まで行ってきます」
立ち上がると凪は、政宗に一礼すると襖を開けて出て行った
「It is completely burnt of care.
(全く世話の焼ける)」
バタバタバタバタ…
長い廊下を凪は全力で走っていた
成実は何処だろうと、走っていた
成実さん
成実さん
成実さん
段々息があがる
だけれど走るのは止められない
成実さん
成実さん
走って居ると女中に出会う
成実を知らないかと聴いても知らないと答えが返って来た
何処、何処にいるの?
走って
走って、走って
足が縺れて転んでしまう
床に体全面で突っ伏してしまったが、ゆっくりと顔を上げた
腕を支えに上体だけを起こす
「成実さん…ッ」
ギリッと手に力を込めた
「好きなんです、成実さん…ッ!!」
声は
小さかった
だけど、凪には精一杯の返事
「好き、好きです…!」
あぁ、涙で視界がどんどん歪んで行く
上げた顔を下に向けてしまう
そして自分で作った暗闇の中で、めぇめぇと泣き始めた
「成実さ…ん…」
「成実さぁん…ッ」
「ぅ…っひっ…」
「ハァ…」
ため息が聞こえた
ゆっくり、ゆっくりと顔をあげると気まずそうな成実が立って居た
「あー、顔グチャグチャじゃん」
苦笑をすると、凪を起こした
そしてそのまま脇に手を添えて、凪を上に抱き上げた
子どもを抱き上げたような感じになっている
足が床に付いて居ない
きょとん、としている凪
「…」
「なる、み、さぁん」
「梵との話、聴いてたよ」
「ぅ…」
「そうだよな、お前この世界の人間じゃないもんな。お前なりに考えたんだよな。
って!!
んな事で諦めがつくか!
馬鹿!!」
「うぅ…」
「世界が違う?いつか帰るから?未来を変える?そんなの気にしねぇよ!今、此所にいるじゃねぇか。今、此所にいるお前を俺は好きになったんだ。未来<さき>なんて知るか!」
ギュッと成実の首に腕を回して顔を首筋に埋めた
成実は自分の腕を凪の脇から、凪の臀部へと移動させて降ろすまいとした
「…好きだ。お前は?言っとくけど、友達の好きとか親兄弟の好きっていう意味の好きは要らないぞ」
顔を上げて、目線を絡める
「成実さんが好きです、好きで、す…ッ」
「ん、素直でよろしい」
「ううぅ…」
そのまま成実は凪を抱き抱えたまま、政宗に仲直りした事を伝えた
おまけ
(何、漸く両想いになったんですか。あの二人)
(そうらしいぜ?よかったなぁ。そういえば俺らの前やった策も懐かしいな)
(全くです。あぁ、噂の二人ですよ)
(って前と変わらないですけど…)
(本当だ。成実の奴…両想いになったならそのまま夫婦になっちまえばいいのに)
(そこまではまだいかないと想いますよ?)
(賭けるか?年内に夫婦になるか)
(冗談。人の恋路の邪魔をする人間は馬に蹴られて死んじゃいますから、お断りです。それにそんな賭けをしたら妻に怒られる)
(あーお前んとこ怖いもんな。お前は?鬼庭)
(同じくお断りします。賭けをしたって成実殿にバレたらどんな目に合うか…!!)
(ちっつまらねー)