1
あなたの名前
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
夜、凪は寝れなかった
寒いとか暑いとかそう言う理由では無く
夢から覚めてしまったら寝れなくなったのだった
「涼もうかな」
布団から出て凪は庭に出た
草の音、風の音
「星、綺麗」
北極星に、北斗七星しか解らない
だけど、今の…私がいた時代の日本では多分こんな星はみれない
漆黒の空に輝く星々を見上げながら凪は歩く
そして歌を歌い始めた
「…例えば、二人もしも出会ったなら」
元の世界にいた時に大好きだった歌のフレーズを口ずさむ
今は誰もいないからどんな歌を歌ってもなにか言われることもなし、聞かれることもない
それは少しだけ寂しい気持ちになる
「へぇ、伊達にこーんな子居たんだ。俺様知らなかったなぁ」
バッ!と後ろを振り向けば、月明りに照らされる明るい色の髪に迷彩柄の服を着た誰かが立っていた
直感と彼が言った言葉で伊達の人間じゃない事が伺える。にこっと笑う彼
凪はいきなり現れた青年を足の先から頭までじっくり見ると再び散策を開始する
「あれ?無視?」
「伊達軍の人じゃないですね貴方」
あとをついてくる気配がした
「何者ですか。事と次第によっては、ここで叫びますけど」
「や~それは無理でしょ」
と言ったので凪は振り返り息を目一杯吸い込み叫ぼうとした
「…!!」
のに、目の前にいた人は消え去り凪の背後に回っていた。しかも口まで塞いで
「アンタ何者?はこっちの台詞。伊達軍に異国語を話す人物が入ったって聞いたから偵察に来たけどそれアンタ?」
「ムー!!」
あぁごめん。と青年は凪の口から手を離した
「……そうです、と答えたら?」
「ん?脅威になるようなら今のうちに殺しちゃおうかなって」
何故私が脅威の対象なのか
と疑問に感じたがあえて言わない事にした
「…名前も何処の人間かも言わない人に私は何も話しません。ましてやそんな怪しい人になん…か…あ」
月明りが先程は少なくよく見えなかったがこの人物は…
「猿飛佐助…!!」
「あれ?俺様の事知ってる?」
知ってるも何もゲームしてましたから
てゆうかじゃ、本当に殺しに…!?
「わ、私を殺しても無駄ですよ!!私、別に貴方方の脅威になるような知識も持ち合わせて無いし、武人でもないんで!!ただ一般の平凡な女子高生ですからぁ!!!!!!」
「あははは!アンタ面白いね」
ぱっとくっつけて居た体を離す佐助
「ま、殺すなんて嘘。異国語を話す人物がいるって噂は本当に流れてるけど、その様子だと脅威とかそんなのじゃ無いみたいだし。まぁ、俺様の事知ってたのが気になるけど?」
全く…物騒な話である
「猿飛さんの事は、伊達さんから聞きました。甲斐に真田幸村なる武人がいてその人には忍びの猿飛佐助という人物がついている、と」
「そこまで話すなんて竜の旦那よっぽど信じちゃってるんだねぇ、君の事。何ていうか警戒心無いって言うか。すぐに信じるなんて」
「Do not you think that there is trusting it at once in just meeting?It is impolite to the other party.」
英語ですかさずに反論した
政宗さんの事をけなされた気がしたから
「ごめん異国語わからないから」
「あぁごめんなさい。つまりあったばかりなのにすぐに信用出来るはずが無いと思ってるんですか?それは、相手に失礼ですよ、と言ったんです。信用できないのはこっちも同じです。不安でいっぱいなんです。泣きたいくらい不安です。だっていきなり私みたいなのがお世話になって、この時代だから間者かと間違われて斬られるかもしれない。だけど、私の言う事を信じてくれた人がいた。私の事を案じてくれた。それを、すぐに信じる事を、貴方は否定するんですか」
怒っているわけでは無い
そう、けなされた事で頭が真っ白くなって
ただ言葉を並べて吐いていた
「私は本当平凡な人間です。だけど、喜怒哀楽が欠如しているわけでは無い。私の事知ろうとするなら正々堂々と真っ昼間から来て下さい。怒らせて喋らせようなんてしないで。わざとでも伊達さん達をけなさないで」
一つの風が二人の合間を擦り抜けた
「いや参ったねこりゃ…。そこまで見抜くとは」
「昼間からなら、そうですね…甘い物おごってくれるなら会ってあげてもいいですよ」
なんと
会ってくれるというのかこの少女は
「お嬢さん名前は?」
「凪」
「凪、ね。また来るよ」
佐助は帰ろうと木の枝の上に移動した
凪を見下ろし、そう言って次の枝へ飛び移りその場を離れる。
凪が叫ぶ
「佐助さん!佐助さんに一つお土産です!」
「手ぶらで、そのまま帰るの淋しいでしょうから!」
静まる世界
佐助は消えたようだ
いいよね
それぐらい話しても
きっと彼は違う世界から来たと言う事を主と武田信玄以外話さないだろうから
そう、信じている
Next.6thコンタクト