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「ごめん」
「や…成実さんの意外な所が見れたので…てゆうか弱点?」
意気揚々と街道を走り抜けた成実達だったが、実は再び迷子になっていた
迷子と言っても確実に奥州へ近付いているのでまだマシだ
「マジでごめん!」
「や、仕方ないですよー」
二人は今ある村の空き家にいた
事の顛末はこんな感じ
――――――――――――
意気揚々と走っていた成実達
しかし道からちょっと逸れてしまった
あ、やばい。迷子になると思い慌てて引き返そうとした所、矢が何処からか飛んで来て馬の足元に刺さったのである。
当然馬は驚き、前足を上げて一鳴き
バランスを崩した凪はそのまま落馬をしてしまったのだった
しかも最悪な事に体を痛めてしまい、足を捻挫した
因みに、矢を放ったのはここ周辺に住む村人
落ち武者が女をさらっていたように見えたらしい
(失礼だ!)
流石にそんな状態の凪を馬に再び乗せる訳にもいかず、村人に空き家を貸してもらった
と言う訳だ
――――――――――――
「俺が道さえ間違わなけりゃ…。ごめんな、痛いだろ?骨は折れてないみてぇだから大丈夫だろうけど…」
「大丈夫ですって。ほ…ウギッ!」
「動かすなよ。下手な事したら悪化すんだろ?あー…まじ最悪…」
「大丈夫ですって!」
「お前の大丈夫はあてにならねぇ!」
成実は頭を掻くと、ため息を付き自己嫌悪に陥っていた
何もそこ迄嫌悪しなくてもいいのに…と凪は思っていた
「くしゅん!」
「ん…?あぁ、寒くなってきたな。よっと!」
成実は凪のくしゃみを聞いて顔を上げた後、凪を横抱きした
「な、な!!」
「おとなしくしろって!ほら、もう寝ようぜ?」
「寝るって…、まさか」
「ん?」
成実は凪を床に降ろすと、毛布をバサリと纏い端を掴むと凪を包むように抱いた
「ななな!成実さん!?」
「布団ねぇんだ。それに寒いからこうしてた方が暖かいだろ?」
恥ずかしげも無く、成実はそんな事を言った
「…」
「寝ないのか?」
「ね、寝ますよ!!」
と言っても背中に成実の熱を感じてしまい緊張して寝れない
息遣いとか、こんなに静かな室内だから。良く、聞こえる
「上田城は楽しかったか?」
まだ緊張して眠れない凪に成実は話し掛けた
成実の表情は体勢的に頑張れば見る事は出来るだろうが、凪にそんな余裕は無かった
「楽しかった、ですよ。でも、淋しかったです」
慣れない城は淋しかった
良くはしてもらえたけれど、淋しかった
「そっか。奥州と違ったものを見れた?」
「違うものは沢山有ったけど、私やっぱりあのお城がいいです。…成実さん、や、政宗さん達がいる、お城が、いいです…」
小さな背中
抱き締めている自分より小さな存在
それが紡ぐ言葉は成実の胸を高鳴らせる
「俺も、お前や梵がいない城より居る城の方が良い」
だから勝手に消えたりなんかするなよ?
「…」
「凪?………寝てるし」
頭をそっと撫でやると成実は後ろに身を退いて、凪の頭を自分の太股に乗せた
そして
軽く、凪の唇へ自分の唇を
落とした