2
あなたの名前
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「さーる、とっび!」
ニコニコと背景にキラキラのバック効果を背負いながらも、ずごごごごごこ、というような地響きに似た音を身に纏った成実が佐助に話しかける
「何かなー、竜の従兄弟の旦那ー」
佐助の胸ぐらを成実は掴む
だが、うつしみの術で佐助は成実の背後、凪の前に立った
「よっくもコイツ連れ出してくれたなぁ。一発殴らせろ」
「あははー。それを望まれたから俺様そうしただけだよー。はいそうですかって殴られる訳ないじゃん」
凪の目線に佐助は顔を合わせると、小さく「良かったね」と言った
「な、成実さん!佐助さんを殴らないで下さい!悪いのは私なんですから…!!」
「悪いのはお前と、匡二だろうが…ん?何か忘れてるような……んん……
あーッ!!」
「ど、どうしたんですか?」
いきなり大声をあげた成実に凪はびっくりする
成実はここに来てようやく忘れて居たものを思い出した
「ななな、何でも!!」
「?」
「そ、それよりお前!かかか、髪なんかしたのか!?」
とても不自然な話の逸らし方だが、凪は不思議とは思わなかった様子だ
「あ、ここの女中さんがなんかしてくれたんです。成実さん分かるなんて凄いですね」
「さっきので気がついたさ」
(しっかしアイツの事忘れてたなぁ…)
うーん、と唸り次の瞬間には成実は一つの答えをだした
(あいつならきっと帰ってこれるよな!!うん!!しぶとそうだし、なんか何がなんでも帰って来そうだし、心配するだけ無駄かな!!)
ちょっと酷い
「し、成実殿はもう帰られるのですか??」
「当たり前だろ!おい、帰るぜ」
梵も心配してるだろうしな
(多分こんなに時間が掛かるなんて思っていない筈だから)
「は、はい」
成実の差し出された手を凪は取る
だけどそれを一度手放して、幸村の側に寄った
とてとて、と歩く姿に成実はちょっと可愛いなぁなんて悶えつつ(暫く見てなかったからね)、幸村に近寄って何をするのかと見ていた
「お、お世話になりました!!また…機会があったら来ても良いですか…?」
「無論!!凪殿なら、いつでも歓迎するでござる!」
「はい!!」
馬に乗り、凪と成実は奥州に向かって進んでいた
「あーこのままだと日が暮れちまうなぁ…お前野宿は…出来ねぇよなぁ」
凪の姿を見て成実は野宿は無理だと言った
「お前の着物汚れちまうし、仕方ないちょっと走るか」
「へ?」
「速度上げるから。舌噛むなよ!」
そう言って成実は馬の手綱を握り直し、腹を蹴った
馬は先程より速く走り始める
「うわわわッ!」
宣言通り、馬は速度を上げたので、凪は驚く
「行くぜーーーーーー!」
「うひゃあああッ!!」
おまけ
仕事を終えて上田城に帰って来た佐助
ちょっと血腥いかなぁと思いつつも、凪に会いに行った
「凪ちゃん?」
あれ?おかしいなと城の中を探してもいない
「旦那~」
「む?帰っていたのか佐助!!仕事は終えたのか?」
「じゃなきゃ帰って来ないって」
この匂いでわかる筈なのに、聞くなんてなんて意地が悪い
「旦那。凪ちゃんは?」
いなかったんだけど…と、佐助は首を傾げた
「凪殿なら昼間に成実殿が来られて帰られた。もういない」
「はぁ!?そんな!」
「また来て下さると約束した。そんなに落ち込むな!」
「彼女の話聞きたかったのに…」
がっくりうなだれた