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働かざるもの食うべからず
4th
政宗の城にやっかいになり3日がたった
3日何をしていたと言えば
政宗と異国語で私のいた世界の事を全て話していた
とだけ言おう
…まぁ。
成実さんと片倉さんも聞いてたみたいだけど英語分からないみたいだから…
で、私は今何をしているのかと言うと
「Please let me work.」
ゴトン
政宗さんが湯呑みを落とした
「働く?」
「はい。働かざるもの食うべからずです。小十郎さんの野菜収穫もしくは、なんか手伝わせて下さい。でなければ城下で働きたいと思うんですが」
「またおいAbruptlyだな」
「働かないと小十…いえ。なんか皆様に悪い気がするんで」
「そうだな…せっかくやる気あるなら…」
と政宗はそうだ、と思い付いた
「ちょっと来い」
凪は政宗のあとを付いて行った
ギシギシと鳴る廊下を暫く歩くと小十郎がいた
「おい小十郎。凪になんか簡単な仕事与えてやれ」
「政宗様いきなり来てなんですか。凪、お前仕事してぇのか?」
「はい。働かざるもの食うべからずですから。野菜収穫とかでもいいんですが…」
「そうか。なら畑から人参、大根を持って来い。各5本だ」
「あいあいさ!!」
と、凪はバタバタと部屋を出て行く
暫くすると政宗はぽつりと呟いた
「なぁ小十郎。あいつ、畑への道わかるのか」
「あ…」
そして、二人の予感は的中したのだった
凪は畑には来れた
畑には行けたのだが
「あー…帰り道」
そう、帰れなくなっていた
手入れされた庭が見える縁側に座る凪
野菜を収穫して洗って持って来たのは良かったが帰れないときた
「行きはよいよい帰りは怖い、かな」
実際歩くと見るでは違うと言うし
というか、まず手伝う前に城内の中を把握しなければならなかった…!!
「ま、政宗さーん…小十郎さーん…」
取り敢えず二人の名前を呼んでみるが、当然応答無し
「……どうしよう」
取り敢えず野菜を持ち凪は前に歩き始めた。うん、取り敢えず進まないとね!
「うー…こっちじゃない…」
こんな道は通って来ていない
この年で迷子になるとは…
「何してんだ女」
「あ…成実さん」
「『なるみ』じゃねぇ。『しげざね』だ!!ったく…で?お前何してんだ」
野菜を持ち立ち往生していた凪を見掛けて、取り敢えず話し掛けてやった
名前の文字を教えたらこいつは『なるみ』と呼び始めた
…『しげざね』だっての!!
「迷子になっちゃいまして」
よいしょ、と野菜を抱き直した
「迷子?」
「はい。畑から帰ろうとしたらもう迷子です。迷いました。小十郎さんのとこに帰れません…!!」
「そうか、じゃ頑張れ」
「あ!まっ…!!ウギャッ!!」
「は…!!はぁッ!!」
今なにが起こっているのかと言うと
置いてくのかよ!と思い凪は成実の着物を掴んだ
そしたら足を滑らせ野菜ごと、成実を押し倒していたのだ
「…重い」
「わ!ごめんなさい!!今退きます!!!!」
と成実から退いて、少し零れた野菜を拾う凪
そこでふと気になった事を聞いた
「成実さんて、あたしの事嫌いですよね」
「は?」
成実は起き上がると野菜を拾う凪を見た
「だって政宗さんにだって、小十郎さんにだってそんな対応しないし、明らかに態度が違いますもん。何より成実さんの雰囲気とか似てるんです。まぁ別に嫌われてても構いませんけどね」
「ちょ…」
凪は野菜を拾い終えると、立ち上がり成実に言った
「嫌いでも構いません。だけど今少し助けて欲しいんです。小十郎さんの所まで連れて行って下さい…おねがいします!!」
その顔は本当に切羽詰まった顔だった
どうやら本気で頼んでいるらしい
「分かったから!分かったから、頭下げるな…」
「ありがとうございます!」
嬉しそうにする凪
そんな凪を見て成実はこう言った
「あ~…‥それから。俺お前の事嫌いじゃない。嫌ってたら話しかけねぇよ。だから勝手に決め付けるな」
「え?」
「~~~~っ!!だからっ!!嫌いじゃないって!!ただ…その……」
「ただ、慣れねぇだけなんだよな成実」
「ぼ、梵…ッ!!」
「やっぱりStray childになってたか。」
着崩された着物でこちらに来る政宗
成実は、政宗の言おうとする言葉をどうにかして妨げようとする
「成実はお前「ぼぉぉんんん~~~~~!!」
「なんですか?慣れて無いって」
「成実は、モテる」
はぁ…と呆れた返事をする凪
「ただお前みたいな女は身内以外初めてだから慣れねぇんだよなぁ?」
「梵ッ!!!!!」
慣れないとはどういう事だろうか
「別に、普通ですけどあたし」
「Ah~…It doesn't flatter it(媚びない)じゃねぇか」
媚びるって…一体どんな生活してるんですかと問いたくなるが敢えて問わない事にした
「本気止めて…梵…ッ!」
「媚びねぇ女なんか初めてだからどう接すればいいか解らない。とも言うな」
成実さんを見ると真っ赤になっている顔が見えた
「名前で呼ばないのも、口調が違うのも慣れないだけ…なんですか?」
「…まぁ…」
その様をみて凪は笑った
「なんだ。成実さん、あたしも普通の人です。媚びる事だって…………………………………する時はします。うん、きっと多分」
「なんだその間は」
「気にしないで下さい」
だけど
「普通に接して下さい」
きゅ、と成実に近寄り着物を掴む凪
そして瞼を伏せた
「成実さん、お城の中一緒に回って下さい」
「は?」
「また迷子になるのは勘弁なんです。良いですよね政宗さん」
「Ah?いいぜ構わねぇから連れてけ」
「えぇ――――!!??」
「ありがとうございます」
さて、じゃ手始めに三人で小十郎さんの所帰りましょう!と凪は先頭を歩こうとした
あぁ!待て待て!!迷子になる!!俺らのあとついて来いって!!と成実が言いそれに政宗も賛成した
「小十郎さーん。今野菜持っていきますからね―」
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