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匡二は花壇を作る処を与えて貰った
小十郎の畑の隣りに小さいスペースではあるが、それで満足だと言う
「ひとりの畑仕事には出来る限界がある。だから始めはこんな感じの極小さなところから始めればいいんです。⋯土に栄養はありそうですね。畑もまだ何もうわっていませんけど、手入れされて大事にされているのが分かります、安心して下さい。小十郎さん、貴方が居ない時の野菜の世話もしましょう。野菜も花も似たようなものです」
雪が完全に無くなって色々終われば、あなた方は忙しくなるでしょう?と小十郎に向けて言った言葉にその近くに身を隠し聞いていた成実はポソッと呟いた
「あと少しすりゃ、戦が始まるな」
そこ場には成実しかいなかったので独り言の分類に入るソレ
その言葉にはやるせない感じがとれた
匡二の動向を見ていたが変なことはしていないようなのでそのままその場を去る
空を見ながら、成実は独り言を続けた
「織田、豊臣は未だ動く気配なし。このまま、どっかの武将が潰してくれりゃ万々歳なんだがなぁ」
そう事が上手く運ぶわけは無い
戦はそう頻発に行われる訳じゃない。まず兵糧や武器を揃えたりしなくてはいけない
そして戦場に赴くまでまた時間が掛かる
戦も一日で終わるものではない
城責めだとかなり時間は掛かる
「その間どうするか、だな」
凪の事が成実には気掛かりだった
戦になれば勿論成実は伊達の特攻隊長的存在。
城にずっとは入れない
多少腕の立つ武将は置くだろうが、成実は納得出来なかった
(いや、だって。何かあったらやだし、それに匡二、が、常に張り付きそうだし。⋯そうすると四六時中あいつと一緒にいるって訳だろ?気に入らねぇよ)
ちょっとした嫉妬だったりする
凪のことを小さい頃から守ってきた男が、凪の事を今でも大事にしているのはわかるが、何故か分からないけれど、それが、ちょっとだけ嫌だと成実は思っていた
「梵に頼んでみるかなー」
奥州に春の風が吹いたある日の事だった
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