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「犬を飼いたい、か。駄目だ」
小十郎に頼みに行ったら二言で断られた。しかしそれに怯む事も無く凪は小十郎に食ってかかった
「世話も責任持ってしますし、迷惑もかけません。絶対飼いたいんです」
「絶対ぇ駄目だ。大体飼い方分かるのかお前」
「わかりません。身内が飼っていたのをみた事はありますけど」
「ハァ…とにかく。駄目だ。犬は躾をきちんと出来てこそ飼えるもんだ。飼い方がわからねぇなら無理だ。諦めろ」
マメ助を小十郎は見ると、マメ助は怯えてしまう。どうやら小十郎が怖いらしい
気楽に座っている成実と政宗は、その様をみていた
あの時と同じだ
聞く耳持たずな小十郎
幼き頃の自分らと重なる光景
そんな懐かしさに浸っている場合ではなく、成実と政宗ここに来た役目を思いだした
「Hey.小十郎。飼いたいってんだから飼わせればいいじゃねぇか。飼い方なんざ、誰かに聞きゃわかんだろ」
「しかし政宗様!動物を飼うというのは一時だけの事ではないのですぞ。最「最期まで見れなければ飼う資格は無い、だろ?」」
小十郎の言葉を遮り成実はそう言った。その言葉に小十郎はハッとする
「耳に蛸できるぐらい聞いた言葉だよなぁ。なぁいいじゃん?犬ぐらい。お前世話するだろ?」
「はい!!ご飯も散歩もやります!」
「ほら。こう言ってんだから」
「…何故飼いたいか言え」
小十郎は話の内容を変えてきた
駄目だの一点張りだった先程までの会話からすればちょっと話が進んだ気がする
「たった一匹で、寒そうで、私と被ったからです」
一匹で、ただの木箱に入れられているだけで。犬を包む毛布や、ご飯もなかった。
一人で、寂しそうで。
「だからです。理由それだけ。だけど私にとっては飼いたいと思わせるには充分な理由なんです。お願いします!飼わせて下さい!!」
凪は、土下座をする
それを見て政宗と成実は驚いた。そこまでして飼いたいのか。あの顔を見て二人は此所まで来た訳だが、凪の意思は思ったより堅いものらしい
流石に土下座をされると小十郎はウッと苦い顔した
女に土下座をされるのは苦手なのだろう。女から土下座なんてものは、滅多にされるものではない
一向に頭を上げる気配が無い凪
もう此所まで来たら我慢比べだ
「………」
「……」
一秒、また一秒と時間が過ぎて行く。
その一秒が重たい
どちらが折れるのか二人には分からなかった
凪が拾ったマメ助は鳴く事もせずに、ただただ凪に寄り添っている
頑固として引かぬ凪にとうとう小十郎は折れた
「良いでしょう。但し世話は勿論、今までの通りに手伝いを怠らない事が大前提です」
その言葉に凪は、頭をあげて
ぱぁっと嬉しそうにした
「ありがとうございます!!
良かったね、マメ助!!」
「…それから、その犬の名前新しくつけるのも条件だ」
マメ助と言う名前に小十郎は些か不満らしい
とにかくマメ助を飼える事になった
政宗は小十郎の隣りに立ち、随分甘ぇな。と呟く
その言葉に小十郎は眉を寄せて、政宗様だったらあの土下座に耐えられますか?と質問をされる
否、無理だな。とそう、答えた
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