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綱元、信康等はいつまでたっても恋心を自覚しない成実をみてとうとう行動を起こした
幸いあちこちに恋心を自覚させる事が出来そうな素材が転がっている為に出来る事なのだが
「いいかテメェ等。ぬかるんじゃあねぇぞ」
信康等は円陣を組み、まさにこれから戦いだ!と言わん許りに意気込む
「猿飛殿からのお誘い文に反対した理由に気付かない成実殿に涙が出ましたよ」
「言うなよ綱…俺だってアイツの鈍感さには涙が出て来るぜ」
鈍感になったのには理由があるからまた放ってはおけない
成実は人気がありすぎたのだ
地位もそこそこあるし、生まれも良い
顔も流石伊達の血筋といえる。武にも長けている。そんな彼を周りが放っておく訳が無い
自分から異性を愛したりする事が無かった。それが多分自分の気持ちに疎い原因で、今まで好きになったり愛したりしてない…つまりは今成実は初恋をしている訳だ
「夜の経験はあるだろうに、恋沙汰の経験が無いってのも可哀相だよな」
「信康殿…」
「仕方あるまい。この戦国の世で我々の恋なぞ無意味。政略結婚が主だからな…恋を知るのは民のみよ」
でも
「あの様を見ていたら、くっつけたくなる。我らも暇人よ」
「暇人言うなよ宗時!嫌なら出て行け」
「誰が嫌だと言った。貴様はほんの少し前の事も思い出せないのか」
犬猿の仲とまではいかないのだが宗時と信康はよくこうして衝突をする
この三名、年が近い為比較的集まる事が多いのだが、宗時と信康は会う度にこうして衝突が始まる
喧嘩するほど仲が良いとはよくいったものだ
信康は頭を掻くと、宗時をじーと見た
宗時はそんな視線に気付くが、気にしないようにする
「お前何か案だせ」
「私が?」
「テメェ以外に誰がいる」
「綱元がいるじゃないか」
「あ、あの…」
やばい。二人だけの世界にはいっている
この様になると信康と宗時は話を聞かない。聞けないのだ
「綱ぁ!?綱の案なんか失敗するに決まってんだろうが!!」
「それは綱元に失礼だよ。まぁ私も綱元の策の成功率は高くないと思っているからそれには賛成だが」
なら自分の名前出さないで下さいよ…
傷付くじゃないですか…
「でしたら、嫉妬作戦を私は押しますね」
「あ、それなら殿におね「ふん。やっぱり所詮その程度の策しか思い浮かばんのだなお前は」
綱元をもう無視してされる会話
もう私がいなくてもいいんじゃないですか…と綱元は落ち込む
無視されると胸がいたくなりますよと今度は部屋の端っこに移動する
「じゃあテメェが凪さまを誘えよ」
「わかりました。じゃあ信康殿は成実殿を焚き付けて下さいね…って何端っこにいるんですか?」
二人は策を決めてしまったようだ
…どうせ私なんて!!
「綱、テメェも成実を焚き付ける役だ。この策成すぜ!!」
「は、はぁ」
せーの、えいえいオー!!
…と意気込んだのはいいがどんな策か知らない綱元だった
おまけ
鳥が凪の部屋の窓に降りた
「わ……、烏?」
烏はカァと一鳴きすると、羽根をバサバサと動かし何かを凪に伝えようとした
そこにタイミングよく成実がやってくる
しかし息を切らしている様子から、急いで来た事が伺える
「ッハァ…ハァ…!!やっぱり烏がこっちに飛んで来てるのを見て来て見れば…!!猿飛の鳥じゃねぇか!!」
成実は懐から紙を取り出すと、鳥の足に縛り付けた
鳥はまたカァと一鳴きすると凪を見て近寄ろうとする。しかし成実はそれを阻止して
「主が待ってるからはやく帰ってやれ」
ニッコリと、しかし黒い笑顔で成実は烏を羽ばたかせる
烏は何故か名残惜しそうだった
「な、成実さん」
「お前文書けないだろ?書いておいたから。じゃあな」
「え、ちょ。待っ……」
成実はそれだけを言うと去っていった
静かになった室内で凪は開けた窓を閉じた
「…なんて書いたんだろう」
数日後:上田城
漸く使いにやった烏が帰ってきた
佐助は烏の足につけられた紙を取ると烏を褒めて空に飛ばした
「さて、と」
文の返事だろう紙を広げるとそこにはこう書かれていた
一人なら行かせねぇよ。
「…………えーと。これは…。凪ちゃんの返事じゃないよ、ね」
返事と言うか、これ竜の旦那の彼の字だよね…
成実の代筆とは呼べないそれに、佐助は頭を抱えたという
おまけ終了