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それから凪は、語った
成実と喧嘩して、側にいたら駄目になると思った慶次が旅と称して加賀へ行った事
豊臣秀吉の軍師だった“竹中半兵衛”に前田が攻められ、戦いの渦中にいた事
自分を助けに来てくれた成実が自分の目の前で大怪我を負って、兄・北斗にさらわれた事
―――もう誰も傷つけたくなくて、半兵衛と夫婦になり、その変わり奥州に手を出さない事を誓った事
大阪城を連合軍が攻め、勝利し、色々あって皆の所に戻った時には、敗軍の軍師・半兵衛の子がお腹に居たと言う事
子供と自分の身を守る為に成実が地位を手放し、逃げた事
半兵衛もその時一緒に逃げた事
―――逃げた先で、余命少なかった半兵衛と暮らした日々のこと
全てを話した
「生まれのことをね、言わなかったのは、それが半兵衛さんの願いだったから。伊達成実の子として生きてもらいたいと、彼が願ったから。半兵衛さんは、京が生まれるのを楽しみにしてたのよ。勿論成実さんも楽しみにしてくれてた。貴方が産まれた時、成実さんがどれほど喜んだか、しらないでしょう?京、容姿って大事??血って大事かな???父様とは血が繋がってないけど、父様は京を愛してるし、すっごく大事にしているんだよ?それだけじゃ、駄目かな?」
半兵衛の死ぬ間際の言葉が、思い起こされる
ただ子に僕が願うのは―――
優しくて強くもあり弱い君を守れる位強い人になって欲しい。
君の子として一生を穏やかに過ごしてもらいたい。竹中と言う名前を知らずに―――
僕らは死んだ事になっているけれど、世の中に絶対は無いからね
ごめんなさい。半兵衛さん
ばらしてしまいました
でも、きっと京なら―――
「父様は、どうして…その人の子供の私を自分の子供として育てようとしたの?」
京は成実を見た
真剣な顔つきで京を見て、成実は言った
「誰の子供だろうと、凪の子供なら俺は自分の子供として育てられる。それくらい凪を愛してるし―――、お前を本当に自分の子供として育てようと思ったのは、お前が産まれてからだ」
いつか本当の父親じゃない癖に!と拒絶されるかもしれない
きちんと育てられるか不安でもあった
色々な不安が少しあったのは今だから言える
──────でも、そんな不安を払拭したのは他ならぬ京自身だった
産声があがり産まれたてほやほやの赤ん坊を恐る恐る抱っこしたあの日
戦いと政しかしたことが無い自分に、育てられるか不安だったあの日
ぎゅうっと小さな手が自分の手を握った瞬間、“こいつを一生守ってやらなきゃ”と思った
「あやせば笑ってくれる。話しかければ、うー、とか、あー、とか言って答えてくれた。はいはいが出来れば、おいでと言えばこっちに来てくれた。それが嬉しくて、幸せで、―――俺は、そんな幸せがあれば育てられると今も思ってる。ってもお前も15だから?近い将来嫁入りとかするんだろうけどよ。─────お前は、みんなが繋いだ、命で、存在で。俺の、俺たちのかげがえのない子どもなんだよ」
「父様…」
「それじゃあ、お前が納得する理由にならないか?どうしても、生まれが気になるか?俺は、お前の────父親をまだ、名乗れるか?」
京は、成実に抱き付いた
「ごめんなさい、ごめんなさいっ」
「ん…。忘れるな。お前は伊達成実の第一子。誰が何と言おうともだ」
「うん…、うんッ」
■■■■■■■
帰り道夕日に照らされた影
成実と京が手をつないで歩く様を見て思う
「匡にぃ、」
「どうしました?凪様」
「時間ってたつのが早いね。あの日この世界にきて、刀突き付けられて、成実さんと恋して、半兵衛さんと結婚して、妊娠して、半兵衛さんが居なくなって、京が産まれて…。時間がたつのは早いなぁ」
「そうですね…」
チャリ、とプラチナのネックレスを見た
「凪様、これを」
と、渡してきたのは一枚の写真
「これ、」
「凪様と北斗ですね。多分北斗があちらに帰った時探して新しいのを入れたんでしょう」
凪の手に匡二はソレを落とした
「北斗がもし生きていたら、きっとあの子たちを可愛がるのでしょうね」
写真をみて、凪は頷いた
■■■■■■■
夜、子供達も寝静まった頃成実と凪は夫婦の時間を過ごしていた
「ばれちまったかぁ…」
「でも京は受け入れましたよ?大丈夫です」
にこりと笑うと成実もつられて笑った
「そう、だよな。アイツは俺の子供だもんな!!!!あ、凪」
「なんですか?」
どさり、といきなり押し倒され、視界には天井と成実
「ななななな、」
「ん?昼間いったろ???」
「え"」
やっぱりいやですぅうう…!!と成実に背を向けて俯せになる
「おま…、無駄だって」
布団と凪の身体の隙間に手を入れ、寝間着の合わせ目から手を忍ばせ凪の乳房を両手で揉む
それなりに質量は若い頃より増えた凪の乳房
「ひぁっ…!んぅ、やめ…!!」
「ばか、止めてとか煽るだけだって」
耳を甘噛みすると、ぴくんッと身体が反応する
「このまま後ろからヤられたい?」
成実は片手を乳房から引くと、凪の尻を撫でた
「んん、」
「凪…」
熱を持った声で囁くと、凪は身体をこちらに向けた
「い、一回だけです…!!それ以上は駄目ですよ…?」
「ん―、わかんねーなぁ」
「ふぁっ、ちょ、まっ、なる、みさ!」
夜は更ける
時は流れる
それでも、変わらないものはある
それは、貴方と最期まで生きると言う事
沢山の痛みも、涙も
全て喜びに変えてしまって
互いの左薬指にあるプラチナの指輪が、片方になるまで
ずっと、ずーっと
一緒にいるの
君が囁く言葉は
― ―
END.